ものづくり補助金平成28年度製造業茨城県

国産ほしいもの需要増に対応した生産力向上と生産の標準化

株式会社幸田商店

この事例のポイント

  • 加工能力を超える注文が相次ぎ、生産が追いつかない状態が続いていた。
  • 安定的に供給できる体制を目指し新たに工場を建設し、生産設備を導入した。
  • 自動計量の前に良品と不良品を選別するようにしたことで、計り直しの手間が減った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社幸田商店
所在地茨城県 ひたちなか市
業種食料品製造業
従業員数137人
資本金1,100万円
設立1948年

事業の背景

1948年にひたちなか市で創業し、近隣農家からほしいもを仕入れて販売するとともに、自社農場でサツマイモの栽培から加工販売までを行う一貫体制を築いている。国内生産量の約9割を茨城県が占める県の特産品であるほしいもは、自然志向を追い風に需要が年々増加している。これまでほしいもは冬の季節商品であった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力加工能力を超える注文が相次ぎ、生産が追いつかない状態が続いていた。
  • 品質・精度原料のほしいもは大きさや形が異なり、同じ重さで袋詰めしながら不良部分を取り除くには高い熟練が必要で、流れてきた原料がそのまま分量に分けられるため不良部分が混入し、計り直しの作業が必要になっていた。
  • 人手・技能選別は熟練者の経験に頼っており、従業員の高齢化や人手不足のため作業効率が低下し、製造技術の継承が進んでいなかった。
  • 納期・工程加工作業は冬にピークを迎える一方、夏は仕事がない状態で、作業時間が季節によって偏っていた。

やったこと

安定的に供給できる体制を目指し新たに工場を建設し、生産設備を導入した。全自動組合せ秤装置の「自動排出機構付き卓上データウェイ」を導入し、ほしいもを自動計量する前に良品と不良品を機械で選別して、分量ごとにまとめてパック詰めするようにした。バラ搬送ラインと丸干しラインにはX線異物検出装置を導入し、高感度金属検出装置一体型オートチェッカーも導入して、ねっとりと重なり合ったほしいもにも対応できるようにした。作業手順、良品・不良品などを写真にして工場内に掲示し、経験年数が少ないパート従業員でも見分けられるようにした。

検査測定自動排出機構付き卓上データウェイ(全自動組合せ秤装置)
検査測定X線異物検出装置(バラ搬送ライン・丸干しライン用)
検査測定高感度金属検出装置一体型オートチェッカー

事業の効果

自動計量の前に良品と不良品を選別するようにしたことで、計り直しの手間が減った。X線と金属検出装置による異物検査を加えたことで、人の目によるチェックと合わせて確かな品質を保てるようになった。冷凍保存により原料を通年で確保し、常に商品を供給できる体制が整った。作業時間が年間を通して平均化され、職場環境が改善して離職率も減ったという。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    近隣農家からの仕入れと自社農場での栽培から加工販売までの一貫体制が書かれ、過去からの事業の流れはうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ほしいも需要が年々増加し加工能力を超える注文が続いたこと、ブランド化やギフト・スーパー等での販路構築が具体的に書かれており、強みと外部環境の関係が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    選別が熟練者の経験に頼り高齢化と人手不足で効率が落ちていた課題が示され、新工場で標準化と機械導入に取り組んだ点が書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産能力や売上・利益の拡大が目的として書かれるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員137名、代表の経営方針は書かれるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力について具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    甘くて柔らかい高品質のほしいもをブランド化し、ギフトや量販店で販売していることから、顧客ターゲットと選ばれる理由がうかがえる。

  • 事業化までの道筋3

    作業の標準化、写真による基準の掲示、冷凍保存による年間供給体制など遂行方法は読み取れるが、スケジュールの記載はない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ほしいもは自然志向の追い風で需要が増えている分野とあるが、同分野で高価格化を図る具体的数字は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    茨城県が国内生産の約9割を占める特産品である点が書かれ、地域の産業としての意義がうかがえる程度。

  • 費用対効果2

    生産能力向上や離職率低下は書かれるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    X線異物検出や金属検出の導入、写真による基準化など、機械化と標準化による品質向上の取り組みが書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    茨城県の特産品を活かし地元農家から仕入れる地域性は書かれるが、地域経済の成長を牽引する記述は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

生産体制が整ったことで、さらなる売り上げ増を目指していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。