ものづくり補助金平成28年度製造業栃木県

新品種さつまいも「紅はるか」に血圧上昇抑制成分(γ-アミノ酪酸)を含有した新商品と革新的製造工程の試作開発

株式会社若山商店

成果加熱時間 120分→90分

この事例のポイント

  • 紅はるかは加工が難しく、焼きいもとして販売されるケースがほとんどだった。
  • 真空式レオニーダーを導入し、真空式により沸点を80℃台まで下げて低温で素材を煮詰められるようにした。
  • 加熱時間 120分→90分。真空式レオニーダーの導入で低温での加熱が可能になり、変色、焦げ、味の変化を防げるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社若山商店
所在地栃木県 宇都宮市
業種食料品製造業
技術分野製造環境,バイオ
従業員数76人
資本金2,000万円
設立1958年

事業の背景

1946年に宇都宮市伝馬町で創業し、練り羊かんや蒸し羊かん、焼き菓子、ぜんざなどを地元産の素材を活かして作ってきた。栗菓子に強いこだわりを持ち、栗と並ぶ主要原材料がさつまいもである。定番品種のベニアズマに加え、近年は甘味の強い紅はるかの流通量が増えてきた。紅はるかは菓子向きだが加工が難しく、焼きいもとして販売されるケースがほとんどだった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術紅はるかは加工が難しく、焼きいもとして販売されるケースがほとんどだった。
  • コスト・採算定番品種のベニアズマは入手が困難になり、高価になりつつあった。
  • 品質・精度加熱時間を延ばすと変色や焦げ、味の変化が起きるため、短時間で水分を飛ばす必要があった。
  • 生産能力手作業に近い加熱工程では生産量を上げにくく、生産量を増やす必要があった。
  • 生産能力板状の羊かんをピアノ線で切る際に端の部分が残り、約5%の廃棄ロスが生じていた。

やったこと

真空式レオニーダーを導入し、真空式により沸点を80℃台まで下げて低温で素材を煮詰められるようにした。これにより変色、焦げ、味の変化を防げるようになった。加熱時間は従来の2時間から1時間30分に短縮され、生産能力はおよそ4倍になった。タイマーで加熱処理工程を自動化し、作業効率も向上させた。ターンテーブル式メカトロカッターを導入して羊かんのカット精度を上げ、廃棄ロスをゼロ(歩留まり率100%)にした。紅はるかを使ったスイートポテトの試作開発と、GABA(γ-アミノ酪酸)を含有させた新商品の開発にも取り組み、GABAの生成には成功したが、含有量30mgの基準に向けた配合は現在試作中である。

加工機真空式レオニーダー
加工機ターンテーブル式メカトロカッター

新しい製品・サービス:紅はるかを使ったスイートポテトと、GABA(γ-アミノ酪酸)を含有させた新商品

事業の効果

  • 加熱時間 120分→90分
  • 生産能力 1倍→4倍
  • 廃棄ロス率 5%→0%

真空式レオニーダーの導入で低温での加熱が可能になり、変色、焦げ、味の変化を防げるようになった。加熱時間は2時間から1時間30分に短縮され、生産能力はおよそ4倍になった。タイマーによる加熱工程の自動化で作業効率も向上した。ターンテーブル式メカトロカッターの導入により、廃棄ロスはゼロになり歩留まり率は100%に達した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の和菓子づくりと栗・さつまいもへのこだわりが述べられ、一貫性はうかがえるが経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    紅はるかの流通増や作付け減少、ベニアズマの入手困難化など外部環境は書かれるが、競争優位の説明は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    加熱時間2時間から1時間30分への短縮、生産能力約4倍、廃棄ロス約5%のゼロ化など、課題と効果が数字で示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産能力4倍など効果は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員76名や製造に携わる体制は示されるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    きんときいもを使った宇都宮きんとき すいーとぽてとが2019年に発売され人気を博したと具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は導入機械を新商品開発に活用し、ラインナップを充実させると述べるが、スケジュールや解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    紅はるかを用いた機能性成分GABA含有の羊かん・スイートポテトという差別化が書かれるが、市場水準との比較は示されない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地元農家との結びつきや地域の素材活用がうかがえるが、経済波及や雇用創出の数字は書かれていない。

  • 費用対効果3

    廃棄ロス約5%がゼロになった点など効果は示されるが、補助金投入額に対する費用対効果は記載がない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    宇都宮の地元農家や大谷町産のさつまいもを活かす点が書かれ、地域特性の活用はうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

導入した機械を新商品の開発に活用し、商品ラインナップを充実させる予定である。地域の農家から柚子やいちごなどを直接仕入れ、独自性のある商品として提案していく考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。