ものづくり補助金平成28年度製造業群馬県

非接触座標測定装置を活用した高精度振動耐久試験用治具の開発

株式会社鈴木機械

成果従来比の10%以下に改善されることを検証できた(目標)

この事例のポイント

  • CADデータで製作した治具は開発製品の実物との間に誤差が生じ、振動耐久試験では誤差の大きさによって試験結果が変位してしまう。
  • 非接触式三次元座標測定装置(ベクトロン非接触システムVMC-6600M Ⅱ pls)を導入し、開発製品の実物を3Dデータ化して正確な振動耐久試験を行える治具の開発に取り組んだ。
  • 従来比の10%以下に改善されることを検証できた(目標)。非接触式三次元座標測定装置で測定したデータを活用することで、3Dデータで製作した治具と現物の差を従来比10%以下に改善…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社鈴木機械
所在地群馬県 桐生市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数15人
資本金1,000万円
設立1963年

事業の背景

当社は輸送機器用の各種機器・治工具・金型の設計製作と素材の一次加工品販売を行ってきた。次世代自動車を中心に新技術を取り入れた開発が盛んになり、開発製品に対する要求が高まっている。振動耐久試験用治具の需要は急増しているが専門メーカーは少ない。自動車関連分野では耐久試験治具の需要は伸びており、今後は高速鉄道車両や航空機の市場も伸びると想定される。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度CADデータで製作した治具は開発製品の実物との間に誤差が生じ、振動耐久試験では誤差の大きさによって試験結果が変位してしまう。
  • 品質・精度製品形状と3Dデータの相違、製品周辺部品と3Dデータの相違、製品の自重による歪みと3Dデータの相違の3つを解決する必要がある。
  • 人手・技能従来は金型仕上げの摺り合わせと樹脂パテで隙間を埋める手作業に頼っており、再現性がなく同一条件の試験は二度とできなかった。

やったこと

非接触式三次元座標測定装置(ベクトロン非接触システムVMC-6600M Ⅱ pls)を導入し、開発製品の実物を3Dデータ化して正確な振動耐久試験を行える治具の開発に取り組んだ。ベクトロンから出力したポリゴンデータをCADデータに変換し、3D-CAMでNC加工データを作成した。課題に対応する3種類の開発製品サンプルと治具A〜Cを製作した。Aは CADデータにより作成、Bは溶接により歪みが生じたサンプル、Cは非接触装置で測定したデータに基づきBの受け部を再現したものである。振動特性と変位を検証し、3Dデータで製作した治具と現物の差を当初目標の従来比10%以下に改善できることを確認した。

検査測定ベクトロン非接触システム VMC-6600M Ⅱ pls(多間接型非接触式三次元座標測定装置)
ソフト3D-CAM

新しい製品・サービス:高精度振動耐久試験用治具

事業の効果

  • 従来比の10%以下に改善されることを検証できた(目標)

非接触式三次元座標測定装置で測定したデータを活用することで、3Dデータで製作した治具と現物の差を従来比10%以下に改善できることを検証できた。同一条件での再試験が可能となり、試験の再現性が確保された。既存取引先からの受注に加え、新規取引先への提案や商社との提携による販路拡大が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    輸送機器向け治工具・金型の設計製作と素材一次加工品販売を行ってきたとあり、振動耐久試験治具への需要増に応じる流れは読み取れるが、経営戦略上の位置づけは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    次世代自動車の開発活況や耐久試験治具の専門メーカーが少ない点は書かれているが、自社の強み・弱みとの関係は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の摺り合わせと樹脂パテでの隙間埋めが再現性なしと課題を明示し、形状誤差・周辺部品・自重歪みの3課題に対応する実効的な取組が書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    従来比10%以下への誤差改善という目標値が設定され、サンプル製作と評価で検証できたと記載されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員数15人、設立1963年の記載はあるが、補助事業を遂行する体制や人材、事務処理能力についての記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    既存取引先からの受注に始まり、新規取引先への提案や商社との提携で販路拡大を図る計画と、家電や精密部品分野への需要が挙げられている。

  • 事業化までの道筋4

    3種類のサンプル製作と評価、設計フローへの形状測定の反映など、課題解決の方法と手順が具体的に示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来は高度な耐久試験治具の専門メーカーが少なかったと記載され、同分野で高付加価値の治具を手掛ける点がうかがえる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    自動車や高速鉄道、航空機など市場拡大の想定が書かれているが、雇用創出や波及効果など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性の数値は書かれておらず、費用対効果はわずかにうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献4

    非接触式三次元座標測定装置とCADデータ、CAMの連携による3Dデータ活用で開発工程を効率化する取組が具体的に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    輸送機器から家電、宅配便の精密部品分野などへの展開が書かれ、成長分野への進出がうかがえるが、構造転換との関係は明記されていない。

  • 地域経済への波及2

    桐生市での事業所所在地は書かれているが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用への言及はわずかにうかがえる程度である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既存取引先からの高精度振動耐久試験治具の受注から始め、新規取引先への提案、商社との提携など販路拡大を図る。携帯性のある家電分野、精密部品分野にも展開する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。