ものづくり補助金平成24年度兵庫県

自動車産業向け金型及び製薬産業向け金型の多品種小ロット生産の効率化

株式会社ヤマシタワークス

この事例のポイント

  • 自動車産業向け金型は海外現地生産化と現地調達化が進み、国内では高精度かつ短納期が求められているが、それに応える生産体制が必要だった。
  • 旋削加工の製品を鏡面仕上げする際に必要だった研磨加工の工程を省くため、NC工作機を導入し、旋削加工と研磨加工を一連の旋削加工として自動化した。
  • NC工作機の導入により研磨加工が不要となり生産性が大幅に向上し、作業時間が短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ヤマシタワークス
所在地兵庫県 尼崎市
業種一般機械器具製造業
技術分野金型
従業員数135人
資本金1,000万円
設立1931年

事業の背景

当社は主に自動車産業向けの金型製作を行ってきた。自動車産業では為替リスクを回避するため海外現地生産・調達化が加速しており、日本製金型には高難易度、高精度、短納期等の付加価値が求められている。以前からワークライフバランスを重視していたが、リーマンショック時に自動車業界からの受注が急減したことから、別の業界で事業の柱をつくる必要性を感じていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力自動車産業向け金型は海外現地生産化と現地調達化が進み、国内では高精度かつ短納期が求められているが、それに応える生産体制が必要だった。
  • コスト・採算鏡面仕上げのために旋削加工の後に研磨加工が必要で工程が多く、作業時間とミスが増える原因となっていた。
  • 人手・技能工程を減らしてミスを減らし、労働時間を短縮したいと考えていた。
  • その他リーマンショック時に自動車業界からの受注が急減し、別の業界で事業の柱をつくって経営リスクを分散する必要があった。

やったこと

旋削加工の製品を鏡面仕上げする際に必要だった研磨加工の工程を省くため、NC工作機を導入し、旋削加工と研磨加工を一連の旋削加工として自動化した。段取り替えによる誤差の可能性もなくなり精度も向上した。NC工作機では手作業のような微妙な力加減ができずプログラムの調整に苦労したが、試行錯誤を繰り返してデータを集め、生産転用できる設定条件を作り出した。また、多台持ちが可能となり、経験の浅い若手作業員でも複数台を同時に扱えるようになった。さらに、製薬業界向けに、お菓子のラムネの金型製作実績を応用して錠剤の金型製作に進出した。

新しい製品・サービス:錠剤の金型(薬品用金型)

事業の効果

NC工作機の導入により研磨加工が不要となり生産性が大幅に向上し、作業時間が短縮された。多台持ちが可能になり若手の活躍につながった。精度と品質が安定し、紹介により新規取引先が増え、営業部門がないにもかかわらず受注が増加している。残業時間は激減し、受注と売上が増えても労働時間は短縮している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性自動車向け金型から製薬向けへ進出し事業の2本目の柱とする方針が明記され、リーマンショック後のリスク分散の経緯とも一貫している。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性海外現地生産化で高精度・短納期が求められる中、320人の品質管理要員や100分の1ミリの検査体制を強みとして示している。
  • 4
    課題の認識と解決研磨工程をNC工作機で自動化し生産性が大幅に向上したと、工程削減という課題認識と解決策が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額の成長率や賃上げの目標値は書かれていない。製薬受注が前期の4倍になったとの記述のみ。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    自動車向け金型から製薬向けへ進出し事業の2本目の柱とする方針が明記され、リーマンショック後のリスク分散の経緯とも一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外現地生産化で高精度・短納期が求められる中、320人の品質管理要員や100分の1ミリの検査体制を強みとして示している。

  • 課題の認識と解決4

    研磨工程をNC工作機で自動化し生産性が大幅に向上したと、工程削減という課題認識と解決策が具体的に書かれている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額の成長率や賃上げの目標値は書かれていない。製薬受注が前期の4倍になったとの記述のみ。

  • 事業を進める体制3

    多台持ちで若手が作業できる体制や、IT化・設備見直しの予定は書かれているが、事務処理能力への言及は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高精度・安定品質・短納期・信用力を強みとし、研究所の細かな要望への対応や紹介による新規取引増で選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    loT導入やロボット化、管理部門のIT化など今後の方向性は示されるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    ラムネ金型の応用で錠剤金型の分野へ新規進出し、大阪近郊の製薬会社向けに高精度金型を展開した点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    地域の製薬会社への展開や雇用面での若手活躍はうかがえるが、経済波及効果や社会インフラとしての必要性は書かれていない。

  • 費用対効果3

    NC工作機導入で作業時間が短縮し多台持ちが可能になったと記述されるが、投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    NC工作機やloT、ロボット化の方向性は触れられるが、サプライチェーンへの貢献や新ビジネスモデルの記述は限定的。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    自動車産業の海外化を受け、製薬など別業界へ事業を広げた点はうかがえるが、構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及2

    大阪近郊という地の利を活かした受注拡大は書かれるが、地域経済の牽引という観点での記述は薄い。

今後の展望

今後は設備配置や作業フローを見直して生産現場を最適化し、IoT導入やロボット化を進め、管理部門のIT化を推進して、受注増に備える予定である。

  • 目標:製薬業界からの受注 1倍→4倍

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。