ものづくり補助金平成24年度兵庫県

医療用特殊スプリング 独自生産ライン開発による生産性向上とコスト削減

株式会社東豊精工

この事例のポイント

  • 生産工程のうち熱処理から研磨仕上げまでの生産性を高める必要があった。
  • ばね特有の熱処理特性の知識と高いコイリング技術を生かし、専用電気炉と自動研磨加工機を自社開発した。
  • 自社開発の専用電気炉と自動研磨加工機により、特殊スプリングの生産工程の生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社東豊精工
所在地兵庫県 豊岡市
業種金属製品製造業
技術分野切削加工
従業員数97人
資本金4,800万円
設立1965年

事業の背景

山東豊精工は精密ばねの専門メーカーとして、線ばね(トーション、引張、圧縮、クラッチ)や板ばねを設計から製造まで一貫して行い、精密コイリング技術を生かした特殊スプリングの開発にも力を入れている。合理化・省力化機械の設計・製作も強みで、自社開発の生産機械や周辺機器を他社向けにも販売している。立地的な要因もあり創業当時から生産設備を内製化してきたことで、設備開発のノウハウを蓄積してきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力生産工程のうち熱処理から研磨仕上げまでの生産性を高める必要があった。
  • 品質・精度特殊スプリングの品質精度を安定させる必要があった。
  • コスト・採算作業コストを削減する必要があったが、限られた開発費用の中で設備投資を伴う開発を行うことは容易ではなかった。

やったこと

ばね特有の熱処理特性の知識と高いコイリング技術を生かし、専用電気炉と自動研磨加工機を自社開発した。構想から機械・電気設計、組立、調整までのほとんどを自社で完遂した。この開発により、熱処理から研磨仕上げまでの工程の生産性を高めることを目指した。

新しい製品・サービス:医療用特殊スプリング

事業の効果

自社開発の専用電気炉と自動研磨加工機により、特殊スプリングの生産工程の生産性が向上した。生産設備を自社で開発したことで高品質で安定したものづくりが可能になり、製品の品質精度が安定した。作業コストも削減され、生産プロセスの改善につながった。補助金の活用により開発期間を短縮できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性過去に補助金で独自の特殊スプリング生産設備を開発し、創業時から設備を内製してきた経緯が書かれ、今回の取組と一貫している。
  • 4
    事業を進める体制従業員97人の企業で、構想から機械・電気設計、組立、調整まで自社で完遂した実績があり、開発体制は読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標生産性向上やコスト削減は掲げられているが、数値目標や付加価値・賃上げの目標値は示されていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性4

    過去に補助金で独自の特殊スプリング生産設備を開発し、創業時から設備を内製してきた経緯が書かれ、今回の取組と一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自社の設備開発力や他社との差別化、中国・東南アジアへの供給網は書かれるが、市場動向や競争優位の数値的な裏付けはない。

  • 課題の認識と解決3

    開発費用の制約と開発期間の短縮、生産プロセスの改善が課題として挙げられるが、付加価値向上の具体的な計画は示されていない。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性向上やコスト削減は掲げられているが、数値目標や付加価値・賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    従業員97人の企業で、構想から機械・電気設計、組立、調整まで自社で完遂した実績があり、開発体制は読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    医療分野向けマイクロスプリングを手掛けると書かれ、顧客満足や差別化も述べられるが、ターゲットとニーズの詳細は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    設計から調整まで自社で完遂し開発期間の短縮に言及するが、スケジュールや課題の解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    医療向けマイクロスプリングや専用電気炉の自社開発は書かれるが、分野の普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    他社向け周辺機器の販売やIT・医療分野への展開に触れるが、雇用創出や経済波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    生産性向上やコスト削減、メンテナンス容易化は書かれるが、補助金額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動研磨加工機など設備を自社開発したことは書かれるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は述べられていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    IT関連や医療分野向けの特殊スプリングへの展開が書かれ、分野転換の方向性はうかがえるが、構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    豊岡市で創業し地域社会への貢献を掲げるが、地域特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は少ない。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。