ものづくり補助金平成28年度製造業千葉県

超高強度コンクリートに対応する鉄筋加工機導入と 生産性向上計画

張替鉄筋工業株式会社

この事例のポイント

  • 高層ビル向けの超高強度鉄筋の需要増加に対応するため、生産ラインを再構築する必要があった。
  • 新たに超高強度鉄筋の曲げ加工にも対応した鉄筋自動曲機を導入し、ボトルネックとなっていた太物加工の生産ラインを構築した。
  • 加工時の課題であった設定時間が短縮され、経験や勘が不要になった。

事業者のプロフィール

事業者名張替鉄筋工業株式会社
所在地千葉県 東京都葛飾区
業種鉄鋼業
技術分野立体造形
従業員数82人
資本金1,000万円
設立1986年

事業の背景

当社はゼネコンの建築図面をもとに必要な鉄筋の曲げ形状と本数を計算し、工場で加工して建設現場の工期に合わせて納品している。鉄筋は建築物や部位によって太さが異なるものを、バランスよく生産する必要がある。高層ビルに使用される超高強度鉄筋の需要増加が見込まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力高層ビル向けの超高強度鉄筋の需要増加に対応するため、生産ラインを再構築する必要があった。
  • 生産能力現状の曲げ加工機は手動操作で設備の性能も低く、加工に時間がかかっていた。
  • 人手・技能事前の曲げ速度の調整に時間を要していた。
  • その他作業の自動化を進め、加工の進捗をリアルタイムに把握・蓄積できる仕組みがなかった。

やったこと

新たに超高強度鉄筋の曲げ加工にも対応した鉄筋自動曲機を導入し、ボトルネックとなっていた太物加工の生産ラインを構築した。加工指示書のQRコードをリーダーで読み取ると、加工機の設定画面に自動で入力・反映される。その際、SD490の曲げ加工による伸び寸法も自動計算されるため、経験や勘に頼る必要がなくなった。加工の進捗状況は社内の無線LANを通じて基幹システムへ自動で反映され、「いつ・誰が・何本」加工したかを「作業開始」だけでなく「終了」まで把握・蓄積できるようにした。

事業の効果

加工時の課題であった設定時間が短縮され、経験や勘が不要になった。最新設備の導入により生産性を4倍に高め、太物生産ラインのボトルネックを解消して加工場全体の生産性を高めることが可能になった。生産性と歩留まりが向上し、主取引先への対応で建設現場の工期に合わせた安定的な生産体制を構築できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決手動操作による低い性能、曲げスピード調整に時間を要する点を課題として挙げ、自動化で生産性を4倍に高めたと具体的な数字で解決策が示されている。
  • 4
    イノベーションへの貢献加工指示書のQRコードをリーダーで読み取り、無線LANで基幹システムへ進捗をリアルタイム反映する仕組みが具体的に記載されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員数82名という情報はあるが、補助事業を遂行する担当体制や事務処理の体制については具体的に書かれていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    高層ビル向け超高強度鉄筋の需要増加を見据え、生産ライン再構築を主目的としたと書かれており、需要変化への対応という方向性は読み取れるが、過去の取組との連続性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    超高強度鉄筋の需要増加という外部環境と、手動操作で加工に時間がかかるという自社の弱みが示されているが、競争優位の内容までは書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    手動操作による低い性能、曲げスピード調整に時間を要する点を課題として挙げ、自動化で生産性を4倍に高めたと具体的な数字で解決策が示されている。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産性4倍という数字は示されているが、これは導入後の成果であり、付加価値額や賃上げの目標値が設定されているとは書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数82名という情報はあるが、補助事業を遂行する担当体制や事務処理の体制については具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    主取引先への対応と建設現場の工期に合わせた安定供給は書かれているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後は新規取引先の開拓を順次進めるとの記述はあるが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    超高強度鉄筋の曲げ加工に対応した設備を導入したとあるが、分野の普及度や高付加価値化の度合いを示す記述は少ない。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用2

    働き方改革や人材確保の観点は述べられているが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    生産性4倍や歩留まり向上の記述はあるが、補助金投入額に対する費用対効果を示す数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    加工指示書のQRコードをリーダーで読み取り、無線LANで基幹システムへ進捗をリアルタイム反映する仕組みが具体的に記載されている。

政策面2.5
  • 成長分野への進出3

    高層ビル向け超高強度鉄筋という成長が見込まれる分野への対応が書かれているが、日本経済の構造転換との関連までは示されていない。

  • 地域経済への波及2

    地域の特性を活かした付加価値創出や地域経済への波及については、ほとんど触れられていない。

今後の展望

今後は順次新規取引先の開拓を進めるとともに、人材の確保と育成に一層力を入れていく。自動化および生産性向上に取り組み、働きやすい環境を実現する。

事業者の声

「安全」「品質」「低コスト」を常に心掛け業務に取り組んできました。現場毎に知恵を働かし試行錯誤し、小さな努力を積み重ねることで、他社には真似の出来ない会社になっていくと考えます。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。