ものづくり補助金平成25年度製造業千葉県

Wi-Fi環境下のバーコード利用による受注環境改善及び競争力強化

株式会社 コイルセンターフジタ

この事例のポイント

  • 特殊用途鋼の加工品を梱包すると外見から材質や寸法が判別しにくく、材質の違う製品を誤出荷する異材流出(鋼種混同事故)の危険があった。
  • バーコードとハンディターミナルを利用する新たな製品管理システムを導入した。
  • 製品管理システムにより引当チェックが簡単かつ迅速で正確になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 コイルセンターフジタ
所在地千葉県 千葉市
業種鉄鋼業
技術分野情報処理
従業員数87人
資本金2,615万円
設立1964年

事業の背景

当社は特殊な平坦度矯正装置を用い、製鉄メーカーのコイルを精密な鋼板に仕上げる設備と技術を持つ。チタニウム合金・耐蝕・耐熱用特殊用途鋼・高張力鋼などの受託加工を国内外のメーカーから受けている。加工品は次工程の業者や需要家へ梱包して納品されるため、梱包後は材質や寸法の判断が困難になる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度特殊用途鋼の加工品を梱包すると外見から材質や寸法が判別しにくく、材質の違う製品を誤出荷する異材流出(鋼種混同事故)の危険があった。
  • 人手・技能各業務の引当チェックは経験とスキルを持つ担当者の作業に頼っていた。
  • コスト・採算既存の業務システムにバーコード機能を追加するには、ハードウェアが仕様を満たさず、ソフトウェア開発に莫大な工数と費用がかかった。

やったこと

バーコードとハンディターミナルを利用する新たな製品管理システムを導入した。既存システムへの機能追加は困難だったため、鉄鋼業界に特化したパッケージソフトに独自のカスタマイズを施した。工場構内の2カ所に主副のサーバーを設置し、クラウドへのバックアップ機能も導入した。Wi-Fi環境は通信範囲や通信状況を調査した上で、工場構内の10カ所にアクセスポイントを設置した。高所設置のため電源はPOEハブを使いLANケーブル経由で供給し、全機器を管理ツールで監視できるようにした。

ソフト製品管理システム(鉄鋼業界向けパッケージソフトをカスタマイズ)
その他バーコード・ハンディターミナル
その他無線LANアクセスポイント(10カ所)
その他POEハブ
その他サーバー(主副2カ所)

事業の効果

製品管理システムにより引当チェックが簡単かつ迅速で正確になった。Wi-Fi機能付きパソコンで工場構内のどこからでも製品情報を把握できるようになり、各業務の作業効率と正確性が向上した。特に出荷業務では導入後に顧客クレームが大幅に減り、コスト削減と大きな費用対効果につながった。異材流出を防止する仕組みが構築され、顧客が安心して利用できる環境が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去から続く平坦度矯正の受託加工を基盤に、異材流出防止の製品管理システムを導入したと書かれているが、戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    鋼種混同事故の防止で「お客様が当社を安心してご利用いただく環境」を整えたと書かれ、差別化の根拠はあるが定量的ではない。

  • 課題の認識と解決4

    鋼種混同事故という課題を明示し、バーコードと製品管理システムの導入で解決に取り組んだ経緯が具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    顧客クレームが大幅に減りコスト削減につながったと書かれているが、数値目標や付加価値・賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員87名と社内でのシステム運用には触れているが、補助事業を遂行する体制や担当者の役割は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    チタン合金や耐蝕・耐熱用特殊用途鋼など受託加工の顧客層は書かれているが、システムが選ばれる理由は限定的である。

  • 事業化までの道筋3

    2次元バーコードやRFID、他システムとの連携を今後考えると書かれているが、時期や遂行方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    一般的な設備では平坦にするのが非常に難しい特殊用途鋼を、固有の平坦度矯正装置で精密な鋼板に仕上げると書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    鋼種混同事故は業界の重要課題と書かれているが、経済波及や雇用創出などの国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    顧客クレーム減とコスト削減で大きな費用対効果があったと書かれているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    バーコード、Wi-Fi、クラウドバックアップを組み合わせ、IoTやAIの活用に言及しているが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    日本経済の構造転換や成長分野への進出に関する記述は見当たらず、IoTやAIの活用に言及する程度である。

  • 地域経済への波及2

    地域の雇用創出や地域経済への貢献に関する記述は見当たらず、千葉市の事業実施場所が書かれている程度である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はIoTやAIなどのIT技術を効果的に活用し、業務の高度化と効率化を図って競争力を確保したいと考えている。将来的には2次元バーコードやRFIDを使った在庫管理・工程管理の導入、他システムとの連携を検討している。

事業者の声

今回の新システムを導入したところ、業務の省力化はもとより、異材流出を防止する仕組みが構築され、かつ、その成果が確認できたことから、お客様が当社を安心してご利用いただく環境が整いました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。