ものづくり補助金平成28年度学術研究、専門・技術サービス業東京都

がん検診診断の診断医不足解消と精度向上を図る 効率的ITシステム開発

株式会社イリモトメディカル

この事例のポイント

  • 高度な専門性が必要ながん診断ができる専門医が不足している。
  • インターネットを用いて各地の医療機関で撮影されたがん検診画像を専門医が多い都市部に集め、一括診断を行う遠隔診断の体制を整えた。
  • 診断業務管理システムにより、医師は標準フォーマットに入力するだけで済むようになり、報告書様式への変換が自動化されたことで、作業効率が大幅に改善した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社イリモトメディカル
所在地東京都 東京都文京区
業種専門サービス業
従業員数13人
資本金300万円
設立2001年

事業の背景

創業者の煎本氏は大学病院で放射線診断の専門医として働いており、その経験を広く役立てるため、平成13年に創業し平成15年に法人化して、全国のがん検診診断を専門に受託している。早期発見を目的としたがん検診の需要が増加し、各地の医療機関にX線検査装置が普及している一方で、高度ながん診断を担う専門医は不足していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能高度な専門性が必要ながん診断ができる専門医が不足している。
  • 生産能力医療機関ごとに診断結果の記入用紙や病名の管理番号が異なり、医師の書類作成作業の負荷が高かった。

やったこと

インターネットを用いて各地の医療機関で撮影されたがん検診画像を専門医が多い都市部に集め、一括診断を行う遠隔診断の体制を整えた。そのために、多様ながん検診の診断依頼に対応する診断結果入力システム、診断業務管理システム、画像処理システムを開発した。診断医は診断端末上の標準フォーマットに結果を入力するだけでよく、入力データはシステムにより各医療機関の報告書様式へ自動変換される。また、依頼情報と送付された画像データをタグ付けして一元管理する仕組みを構築した。

ソフト診断結果入力システム
ソフト診断業務管理システム
ソフト画像処理システム

新しい製品・サービス:がん検診診断管理システム

事業の効果

診断業務管理システムにより、医師は標準フォーマットに入力するだけで済むようになり、報告書様式への変換が自動化されたことで、作業効率が大幅に改善した。記入ミスも減少した。画像処理システムによりデータ連携が進み、利便性が大きく向上した。作業効率の改善により依頼件数を大幅に増やせる見通しが立ち、診断の速度と精度も向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    大学病院で培った診断技術を事業化した経緯が書かれ、一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    専門医が豊富な都市部に診断を集め、医療機関のX線検査装置普及と専門医不足という外部環境を踏まえた事業と読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    専門医不足という課題を遠隔診断体制で解決する方針が明確で、依頼件数を大幅に増やせる見通しも示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標数値は書かれておらず、依頼件数増加の見通しが示されるにとどまる。

  • 事業を進める体制3

    従業員13人の体制と専門医の登録はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療機関から専門医へ画像を送り診断結果を返す仕組みと、フォーマット統一による効果が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望として医療過疎地へのフォロー拡充への取組が書かれるが、スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    遠隔によるがん検診画像診断は普及途上と読めるが、同分野での高付加価値化や高価格化の根拠は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    がん検診の専門医不足解消と全国の医療体制拡充に寄与する旨が書かれ、公益性はうかがえるが、経済波及の数値は無い。

  • 費用対効果2

    補助金額や費用対効果の数値はなく、作業効率の大幅改善とだけ書かれている。

  • イノベーションへの貢献4

    インターネットによる画像送付と診断システムの開発により、地域を越えた遠隔診断の新しい仕組みを構築したと読み取れる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    医療分野のデジタル化への取組はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとの記述は薄い。

  • 地域経済への波及3

    医療過疎地へのフォロー拡充と文京区の医療従事者の活用が書かれ、地域特性の活用がうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

医療過疎地などへのフォロー拡充に取り組んでいる。文京区には高度な医療従事者が多く、その資源を有効に活用して日本全国の医療体制の拡充に寄与していく予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。