ものづくり補助金平成28年度学術研究、専門・技術サービス業奈良県

文化財写真のウェブ配信・提供及び一般公開サービスの構築

株式会社飛鳥園

成果手続き工程数 20工程→16工程

この事例のポイント

  • フィルムやガラス乾板などのアナログコンテンツのままでは、貴重な写真を十分に有効活用できていなかった。
  • フィルムやガラス乾板を、複写台撮影と、ガラス乾板専用スキャナーおよび印画紙スキャニングによりデジタルデータ化した。
  • 手続き工程数 20工程→16工程。アナログコンテンツのデジタル化とWEB検索・配信システムの構築により、貸出手順が簡素化され、寺院許可の代行によりユーザ…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社飛鳥園
所在地奈良県 奈良市
業種技術サービス業
従業員数5人
資本金3,000万円
設立1968年

事業の背景

創業者の小川晴暘が大正11年に飛鳥園を開き、90年以上にわたり仏像などの文化財や宗教空間を撮影してきた。奈良を中心に近畿一円の寺院や神社の協力を得て撮影を行い、教科書、教材、美術出版、旅行誌などに利用されている。一方で、貴重な写真の大半はアナログのまま有効活用できておらず、フィルムやガラス乾板は経年劣化も進んでいた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力フィルムやガラス乾板などのアナログコンテンツのままでは、貴重な写真を十分に有効活用できていなかった。
  • 品質・精度外部業者へのスキャニングは設定指示のやり取りに手間がかかり、オペレーターの経験や勘による個人差で品質・色表現に差が出ていた。
  • 人手・技能貸出手続きが人手で行われており、ユーザー・当社・寺院のいずれにとっても手間のかかるスキームとなっていた。
  • 新製品・新技術電子透かしは強く入れると画像が劣化し、弱いと検出率が落ちるというジレンマがあった。
  • その他寺院の写真使用には許可と志納金が必要で、利用者にとって手間と時間がかかっていた。

やったこと

フィルムやガラス乾板を、複写台撮影と、ガラス乾板専用スキャナーおよび印画紙スキャニングによりデジタルデータ化した。サーバーやデータ収納用ストレージなどの構築内容を決め、データベースの階層と検索項目を検討した。仏像などの写真の検索から貸出までの手続きをWEB上で完結できるウェブ検索・配信システムを構築し、著作権保護と寺院などの被写体所有者への配慮を組み込んだ。利用価値・利用頻度の高い約6,000点を選んでデジタルデータ化を進めた。スキャン結果はベテランカメラマンが最終チェックし、電子透かしは画像ごとに劣化具合を確認しながら強さを調整した。

検査測定ガラス乾板専用スキャナー
ソフトウェブ検索・配信システム(運用管理システム)

新しい製品・サービス:ウェブ検索・配信システムによる仏像・文化財写真の検索から貸出までを完結できるデジタルコンテンツのサービス

事業の効果

  • 手続き工程数 20工程→16工程
  • 所要時間 5日→2日
  • 売上 100%→180%

アナログコンテンツのデジタル化とWEB検索・配信システムの構築により、貸出手順が簡素化され、寺院許可の代行によりユーザーの利便性が向上した。文化財写真のデジタル保存も可能になった。ウェブ上で24時間365日検索でき、仏像の所在や名称が不明な場合も検索が容易になった。ストックフォト業務の売上拡大と新規ユーザーの開拓も目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性47%
  • これまでの取組との一貫性2

    創業以来90年以上の文化財撮影の蓄積をデジタル化に活かす旨がうかがえるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    ユーザーの利便性向上やストックフォト業務の強みに触れるが、市場動向や競争優位性の分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    貸出手続きの人手依存や寺院許可の手間という課題が示され、ウェブ検索・配信システムで解決する方向が読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    売上目標は初年度実績の約180%と示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数5名とあるのみで、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    対応時間は24時間365日、所要時間は手続き20工程から16工程、平均5日から2日と具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋4

    約6,000点のデジタル化、データベース構築、システム構築、品質チェックなど段階と課題解決策が具体的に示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    国宝・重要文化財の写真をストックフォトで提供する点は独自性があるが、分野の普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    教科書や教材など教育分野での利用や文化財保存に触れるが、国が補助する積極的理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加額など費用対効果を示す数字はなく、売上目標の割合のみが書かれている。

  • イノベーションへの貢献3

    ウェブ検索・配信システムやデータベース化により利用者の利便性を高める点は読み取れるが、イノベーションへの広い貢献は示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    奈良・京都・滋賀など近畿の寺社と協力して撮影を続ける地域性は読み取れるが、地域経済への波及効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既存ユーザーへのPRによる早期の事業立ち上げと、WEBマーケティングやDM発送による新規ユーザーの開拓を進める。売上は初年度実績の約180%を目標とする。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。