ものづくり補助金平成28年度製造業東京都

IT活用及び新設備導入による高付加価値紙器の 生産プロセス高度 化

東都紙器工業株式会社

成果生産性 100%→150%

この事例のポイント

  • 紙器の型抜きや貼りの職人技の継承が大きな課題となっている。
  • 動画撮影による製箱加工技術マニュアルの作成や生産管理データベースの構築などのIT活用と、最新型自動製箱機の導入を行った。
  • 生産性 100%→150%。自動製箱機の導入とIT活用により生産性が150%向上した。

事業者のプロフィール

事業者名東都紙器工業株式会社
所在地東京都 墨田区
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野デザイン,情報処理
従業員数15人
資本金1,000万円
設立1961年

事業の背景

当社は医療機器、医薬品、化粧品、食品等に用いられる印刷紙器を主力とし、メーカーを中心に50社と直取引がある。企画から製造・加工までワンストップで対応できるのが強みである。当業界には大手印刷会社や中小印刷紙器メーカーも多く競争は激しいが、当社は高付加価値を軸に独創性あるパッケージの提案で受注を伸ばしている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能紙器の型抜きや貼りの職人技の継承が大きな課題となっている。
  • 人手・技能熟練工が減っていく一方で、顧客の要求は高度化・独創化が進むと予想される。
  • 生産能力多品種小ロットの要求が増しており、試作の内製化や製品の高度化に伴う職人の育成が重要課題となっている。
  • 品質・精度医療機器・医薬品・化粧品・食品のパッケージでは、異品種混入や傷・汚れの防止に徹底した品質管理が求められる。

やったこと

動画撮影による製箱加工技術マニュアルの作成や生産管理データベースの構築などのIT活用と、最新型自動製箱機の導入を行った。導入したのは株式会社須賀製作所製の『SP-650型デラックスハイスピードグルアー』で、型抜きした用紙をセットすると自動で製箱する。この自動製箱機は展開寸法15センチから70センチ程度のサイズに対応し、当社で扱う箱のほぼ全サイズを製造できる。異品種の混入や表面のキズ、折りや糊貼りの不具合を全数管理するため、すべてリアルタイムで映像として蓄積される。この一元管理システムは前後の抜き工程や品質管理検査工程とも共有され、タブレット端末による遠隔確認など全社的な管理が可能になった。

加工機SP-650型デラックスハイスピードグルアー(自動製箱機)
検査測定カメラ(品質管理用、各所に設置)
ソフト生産管理データベース・一元管理システム
その他タブレット端末

事業の効果

  • 生産性 100%→150%
  • 検査・品質チェック時間を30%以上削減

自動製箱機の導入とIT活用により生産性が150%向上した。検査・品質チェック時間は30%以上削減され、不良品の発生も抑えられた。折りや貼りを製箱工程内のセンサーで全数検査できるようになり、最後の目視確認も以前に比べ大幅に短縮された。これにより企画やデザインなど独創性を求められる業務に注力できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    ホームページ受注や型抜き・貼りの職人技など過去の取組との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    高付加価値を軸に独創性ある提案で受注を伸ばし、医療機器や一流ブランドの化粧箱を製作する強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    熟練工の減少と技術継承の課題、多品種小ロット化への対応を挙げ、内製化と自動製箱機導入で解決を図る流れが読み取れる。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    生産性150%向上、検査・品質チェック時間30%以上削減という数値目標が示されている。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    設備導入プロジェクトチームや35年以上のベテラン社員が設備を担当する体制は読み取れるが、補助事業の事務体制は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療機器や化粧品など用途別の顧客ターゲットと、異品種混入防止など品質面で選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    製箱後の目視検査から製箱工程内センサーによる全数検査への移行という方法は書かれているが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    多品種小ロットや高品質な紙器という分野での高付加価値化は読み取れるが、高水準の高価格化を示す数字は書かれていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    地域の雇用創出や波及効果への言及はわずかで、国が補助する積極的理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    生産性150%向上や検査時間30%以上削減という効果は書かれているが、補助金投入額との比較は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    IT活用による動画マニュアル、生産管理データベース、IoTによる全数映像管理など、デジタル技術を用いた工程高度化が具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    紙器製造の高度化や省人化は読み取れるが、日本経済の構造転換に資する分野進出までは書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    墨田区という立地や地域の特性への言及は見られず、地域の経済成長への牽引は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ホームページでの受注拡大に力を入れており、商品写真の紹介や情報更新、SEO対策により、特に化粧品で問合せと受注量が伸びている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。