ものづくり補助金平成28年度情報通信業東京都

服作り初心者向けの要尺計算アプリ開発とソーイングサポートサービス

ハンドメイド・カンパニー株式会社

この事例のポイント

  • 地域の手芸店が大型チェーンの展開で減り、作り方や道具の使い方を店員から教わる機会が失われている。
  • ソーイングの要点を、文字、図解、動画によって学べるWebサイト上の環境を整えた。
  • 大人向けから子ども向け、洋装から和装までの350点に及ぶ型紙を、自社のホームページやインターネットショップで販売できる体制を整えた。

事業者のプロフィール

事業者名ハンドメイド・カンパニー株式会社
所在地東京都 荒川区
業種情報サービス業
従業員数2人
資本金100万円
設立2012年

事業の背景

家庭内のミシン普及率は約67%と高く、家庭用ミシンの国内生産数と輸入台数を合計すると年間100万台近くある。需要は高いものの、ミシンの利用率は決して高くはない。利用率が低い原因の一つは、地域の手芸店が減ったことで、ものづくりを教わる場がなくなったことである。一方で作った人の顔が見えるハンドメイド品やストーリー性のある一点ものへのニーズが高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑地域の手芸店が大型チェーンの展開で減り、作り方や道具の使い方を店員から教わる機会が失われている。
  • 集客・繁閑既製服のように上手に作るにはハードルが高いと感じる人が増え、自分で服を作ろうとする人が減っている。
  • 人手・技能ハンドメイドの際に生地の適切な長さを知ることと、ミシンの使い方が分からないという溝がある。

やったこと

ソーイングの要点を、文字、図解、動画によって学べるWebサイト上の環境を整えた。ミシンの写真から必要な生地の長さを算出できるアプリを開発し、現在は試用段階にある。当社が販売する型紙は、従来の型紙と違ってパーツごとに切れ目が入っており、購入後すぐに生地の上に置いて使える。デザインも流行のものを選べるようにし、型紙は受注を受けてから印刷して発送する方式とした。切れ目と線や文字を入れられるMUTOUの印刷機を使って型紙を製造した。

加工機MUTOUの印刷機
ソフト生地の長さを算出するアプリ

新しい製品・サービス:パーツごとに切れ目が入り、流行のデザインを選べる型紙と、ミシンの写真から必要な生地の長さを算出するアプリ、ソーイングを学べるWebサイトのカリキュラム。

事業の効果

大人向けから子ども向け、洋装から和装までの350点に及ぶ型紙を、自社のホームページやインターネットショップで販売できる体制を整えた。ソーイングサポートサービスのページでは、動画とテキストで下準備から縫い方のコツまで初心者にも分かりやすく紹介している。会員登録制(無料)にして自社商品の販促をかけ、売上向上を図った。手芸店にポスターを貼ってもらい、生地の買い控えの解消も目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成26年に型紙事業を開始し、ソーイング普及という目的を継続している点は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ミシン普及率約67%や年間100万台近い需要など市場数字を示し、流行デザインの型紙など差別化点を具体的に述べている。

  • 課題の認識と解決3

    手芸店の減少や初心者のハードルといった課題認識は示されるが、高付加価値化や成長への定量的な計画は書かれていない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員2人、資本金100万円という小規模体制がうかがえるのみで、補助事業を遂行する体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    初心者向け、未就学児の母がターゲットとされ、切れ目入り型紙の使いやすさという選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋2

    アプリは試用段階で本格利用に向けて準備中と述べられるのみで、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ハンドメイド・ソーイング市場は一般的だが、流行デザインの切れ目入り型紙という差別化がある点は読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    繊維街や地域の生地産地、服飾関連産業の活性化を目標とし、地域への波及効果が述べられている。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    動画やアプリで写真から生地の長さを算出する仕組みを開発し、デジタル技術の活用が示されている。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    地元の繊維街や服飾産業の復活を目指し、区の施設と連携して地域の経済活性化に取り組む方針が示されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

荒川区と日暮里繊維組合が建設を進める繊維街の施設を活用し、地域と連携しながら実際にソーイングを体験できる場を設ける予定である。型紙や動画、アプリが使われて服を作るニーズが増えれば、生地や糸、ボタン等の売上も伸びると見込んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。