ものづくり補助金平成29年度情報通信業大分県

美しくスピーディーな紙面へ ~ 泉都・別府より世界への情報発信

この事例のポイント

  • 新聞の印刷工程はフィルム出力を経るDTP方式のままで、印刷技術のデジタル化に乗り遅れていた。
  • 業務用DTPの新聞組版ソフト「Edian Wing(エディアン・ウィング)」、DTPデータをスクリーン処理(網点化)するRIP(Raster Image Processor)ソフ…
  • CTPの導入により、DTPデータの入稿から新聞が仕上がるまでの時間が約4時間30分短縮された。

事業者のプロフィール

所在地大分県 別府市
業種映像・音声・文字情報制作業
従業員数11人
設立1954年

事業の背景

1954年に別府市で創刊された今日新聞は、「愛郷一貫」を社是に徹底した地域密着路線の記事を配信し、別府・日出を中心に愛読されている地方紙である。同様の地方紙の廃刊が続くなかでも発行部数は大きな落ち込みを見せていない。一方で新聞業界全体では、日本新聞協会発表の総発行部数が3,509万部(2020年10月現在)と1997年のピーク時の約2/3まで落ち込んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力新聞の印刷工程はフィルム出力を経るDTP方式のままで、印刷技術のデジタル化に乗り遅れていた。
  • 生産能力DTPデータの入稿から新聞が仕上がるまでに時間がかかり、作業に余裕がなかった。

やったこと

業務用DTPの新聞組版ソフト「Edian Wing(エディアン・ウィング)」、DTPデータをスクリーン処理(網点化)するRIP(Raster Image Processor)ソフト、印刷に使用する版を直接出力するCTPプレートセッターと附属コンプレッサーを導入した。CTPはフィルム出力を省き、レーザー出力調整で直接プレート上にドット制御して描画する方式である。これにより焼ぼけや線太りの要因を省いた。あわせて紙面の基本サイズを全段14段、1行10字に変更し、紙面全体を刷新した。

ソフトEdian Wing(エディアン・ウィング)
ソフトRIP(Raster Image Processor)ソフト
その他CTPプレートセッター
その他附属コンプレッサー

新しい製品・サービス:紙面を刷新した新聞(基本サイズ全段14段、1行10字)

事業の効果

CTPの導入により、DTPデータの入稿から新聞が仕上がるまでの時間が約4時間30分短縮された。作業効率が大きく向上し、制作コストの削減にも貢献した。その分の時間を記事内容の充実に振り向けられるようになった。紙面刷新により読みやすくわかりやすい新聞となり、特にお年寄りや弱視の読者に好評を得ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性47%
  • これまでの取組との一貫性2

    1954年創刊で地域密着路線を社是とすると読み取れるが、経営戦略上の位置付けや過去の取組との連続性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    紙媒体の部数減少と地域密着の強みに触れるが、競争優位の根拠や自社資源の分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    印刷技術のデジタル化に乗り遅れた課題を認識し、CTP導入で入稿から仕上がりまで約4時間30分短縮と具体的な改善が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    入稿から仕上がりまで約4時間30分短縮、制作コスト削減と数字で効果が示されているが、賃上げや付加価値額の目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社員数11名と書かれているのみで、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    読みやすくわかりやすい紙面づくりとお年寄りや弱視の読者に好評という顧客像とニーズが書かれているが、裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の余力を記事充実に振り向けるとあるが、中長期の課題検証やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    新聞印刷でCTPが主流になったと述べ、高速印刷での導入効果に触れるが、同分野での高水準の高付加価値化とは言えず具体性も薄い。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地方ジャーナリズムの役割や地域情報の発信に触れるが、国が補助する積極的理由や波及効果は書かれていない。

  • 費用対効果2

    制作時間短縮とコスト削減に言及するが、補助金投入額に対する付加価値増加などの数値的な費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CTPやRIPなどデジタル印刷技術の導入を示すが、地域やサプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    別府・日出の地域密着の地方紙として地域情報を発信し続けていると書かれるが、雇用創出や地域経済成長への寄与は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新規設備の導入が今後の紙面づくりにどのように反映されるかが注目される。充実したコンテンツを提供し、社是「愛郷一貫」をより体現する媒体を目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。