ものづくり補助金平成28年度学術研究、専門・技術サービス業新潟県

3次元点群データを活用した測量の効率化と保全マネジメント向けの民間需要拡大

株式会社榮技術

この事例のポイント

  • 従来の単なる測量を超えた、将来の予測に役立つ付加価値の高い情報・3次元データのサービス提供が必要になっている。
  • 3次元レーザースキャナーを導入し、レーザースキャナーを用いた調査・測量方法と3次元点群データの処理方法を習得した。
  • 3次元レーザースキャナーの導入により、i-Constructionに対応した測量の効率化と精緻化が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社榮技術
所在地新潟県 柏崎市
業種技術サービス業
従業員数9人
資本金1,000万円
設立1982年

事業の背景

当社は新潟県柏崎市の測量会社で、測量業は公共事業の受注が主体である。国や自治体の予算に業績が大きく左右され、予算規模が小さいと競争入札での価格競争も激しくなる。測量は手順が定まっており品質面のニーズは少なく、所定の納期とコストを守ることが重要とされている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術従来の単なる測量を超えた、将来の予測に役立つ付加価値の高い情報・3次元データのサービス提供が必要になっている。
  • コスト・採算公共事業の受注が主体で予算や競争入札の価格競争の影響を受けるため、測量や設計を効率化してコストを下げる必要がある。
  • 販路・情報発信公共事業だけでなく民間事業者向けに付加価値の高いサービスを提供し、利益を上げる必要がある。
  • 生産能力i-Constructionの動きに対応するため、3次元データ調査・測量への対応と調査結果の見える化が課題となっている。

やったこと

3次元レーザースキャナーを導入し、レーザースキャナーを用いた調査・測量方法と3次元点群データの処理方法を習得した。これにより地上測量全般と土木設計の業務を効率化・精緻化し、単なる調査ではない付加価値の高いデータ提供を可能にした。測量データから既存構造物等の3次元(3D)モデルデータを作成し、建物設備図面の3次元化による見える化にも取り組んだ。

検査測定3次元レーザースキャナー

新しい製品・サービス:3次元レーザースキャナーを活用した測量・3次元点群データによる既存構造物等の3次元(3D)モデルデータの提供サービス

事業の効果

3次元レーザースキャナーの導入により、i-Constructionに対応した測量の効率化と精緻化が可能になった。構造物の交差なども熟練技術者でなくても容易に理解できる3次元モデルデータを提供でき、公共団体や設計・工事事業者から高い評価を受けた。今後は設備関係の測量需要を取り込み、民間の新たな販路を開拓する見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    事業の経緯として測量業の公共受注主体から民間向け付加価値サービスへの転換が書かれ、既存事業との関連が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    公共受注の価格競争や利益が出にくい点を課題に挙げ、民間向け高付加価値サービスで競争力向上を見込むと書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    3次元点群データの提供による付加価値化と販路開拓を課題解決策として示しているが、数値目標はない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値の高いサービス提供は書かれているが、数値の目標値や賃上げ目標は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員9人、代表者名の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や体制の具体的な説明は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    公共団体担当者や設計・工事事業者からの評価、人が近づけない現場の3Dモデル提供など、顧客と価値が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    導入、習得、データ処理の実施内容と設備関係への展開検討が書かれ、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達2

    公共事業は売上回収の懸念がなく資金繰りに有利と触れるのみで、金融機関からの調達見込みは書かれていない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    3次元レーザースキャナーによる測量は普及途上と読めるが、普及度や高水準の高価格化について具体的記述は少ない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    i-Constructionへの対応や官需以外の設備関係の需要喚起はうかがえるが、経済波及や雇用創出への言及はない。

  • 費用対効果2

    測量効率化やコスト低減の必要性は書かれているが、補助金額に対する付加価値増加などの数値的な費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3次元レーザースキャナーとドローンを用いた測量、3Dモデルによる見える化など、デジタル技術の活用が具体的に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    i-Constructionに対応する3次元データ活用と、設備関係の新市場への展開が書かれ、構造転換に近い内容がうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    新潟の企業であることは示されるが、地域特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

プラントや工場などの設備関係の測量需要を取り込む方向で検討しており、旧図面がない配管などの立体測量やメンテナンス時のデータ保存を訴えて受注獲得につなげる方針である。

事業者の声

(佐藤敏社長)

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。