ものづくり補助金平成28年度製造業福井県

カーテン縫製加工の「見える化」と「標準化」を実現させる生産体制の確立

丸幸せんい株式会社

成果商品探しの時間が75%削減された。

この事例のポイント

  • 熟練工の技術に依存していた工程があり、熟練度の低い作業者でも高品質な加工を可能とする標準化が課題となっていた。
  • 生産数や進捗状況など生産情報の管理のために進捗管理システムを導入した。
  • 商品探しの時間が75%削減された。進捗管理システムにより生産現場全体が各工程の進捗を正確に把握できるようになり、従業員の納期管理意識が高まった。

事業者のプロフィール

事業者名丸幸せんい株式会社
所在地福井県 越前市
業種繊維工業
技術分野情報処理
従業員数48人
資本金1,000万円
設立1972年

事業の背景

丸幸せんいは1972年の創業以来、カーテン全般やインテリア雑貨などを企画販売しており、レースカーテンを軸にカーテンの企画製造を展開している。消費者の生活に密着した商品であるため、顧客に「買って良かった」と思ってもらえる品質が重視されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力熟練工の技術に依存していた工程があり、熟練度の低い作業者でも高品質な加工を可能とする標準化が課題となっていた。
  • 人手・技能人手不足などを背景に、特に不良発生率の高い裾縫いや形状記憶加工の工程で標準化が求められていた。
  • 生産能力納期確認や生産表への記入・確認などの業務が、作業現場の生産効率を顕著に低下させていた。

やったこと

生産数や進捗状況など生産情報の管理のために進捗管理システムを導入した。縫製指図書に印字したバーコードを作業終了後にスキャナーで読み取り、その情報をサーバーに蓄積してリアルタイムに全社で共有できるようにした。形状記憶工程は熟練技術を必要としていたが、プリーツフォーマーで機械化し、専門の作業員が担当しなくても従来の方法と遜色ない品質の加工を、より短時間で行えるようになった。裾縫いには「カーテン裾三ツ巻き縫い自動機」を導入し、熟練作業者と同等の品質を得られ、特に力加減が難しいレース生地の裾の底部分の折り返しでも高品質を維持できた。

  • ソフト進捗管理システム
  • 加工機プリーツフォーマーカーテン裾三ツ巻き縫い自動機

事業の効果

  • 商品探しの時間が75%削減された。
  • 生産現場で生産数の記入などに要した時間が78%削減された。
  • 1日の生産可能量は約30%アップした。

進捗管理システムにより生産現場全体が各工程の進捗を正確に把握できるようになり、従業員の納期管理意識が高まった。生産数量の記入などの手間が減って作業にゆとりが生まれ、加工品質も高まっている。熟練工程の機械化により、熟練度の低い作業者でも高品質な加工ができるようになった。不良発生率が大きく低下し、顧客からのクレーム発生率も低い。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決納期確認や生産表記入の手間、熟練度に依存する裾縫い・形状記憶加工の課題を具体的に認識し、進捗管理システムと自動機で対応している。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標生産可能量は約30%アップ、商品探し時間75%減、生産数記入時間78%減など数値目標に近い成果が示されている。
  • 4
    事業化までの道筋今後の展望として工程の見える化を細かく推進し、データを品質向上や人員配置に活用する方法が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    強み・弱みを踏まえた優位性製品の生活密着性や顧客満足への言及はあるが、市場動向と自社の強み・弱みの分析は事例からは読み取れない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の経営理念や従来の生産課題を踏まえた取組とうかがえるが、経営戦略上の位置付けは事例には明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    製品の生活密着性や顧客満足への言及はあるが、市場動向と自社の強み・弱みの分析は事例からは読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    納期確認や生産表記入の手間、熟練度に依存する裾縫い・形状記憶加工の課題を具体的に認識し、進捗管理システムと自動機で対応している。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産可能量は約30%アップ、商品探し時間75%減、生産数記入時間78%減など数値目標に近い成果が示されている。

  • 事業を進める体制2

    事務担当者が顧客対応を行う体制は読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務処理能力の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高品質な加工や顧客からのクレーム発生率の低さなど選ばれる理由はあるが、ターゲットの明確化やニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋4

    今後の展望として工程の見える化を細かく推進し、データを品質向上や人員配置に活用する方法が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    レースカーテンの難易度の高い裾縫いや形状記憶加工を機械化しており、同分野で高品質化を図る点はうかがえるが、水準の比較データは薄い。

公的補助の必要性3.5
  • 波及効果・雇用ー

    公開情報では判断できません。

  • 費用対効果4

    進捗管理と自動機導入で生産量と不良率が改善し、時間削減率や生産量増加率の数値が示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    バーコードとサーバーによるリアルタイム共有などデジタル活用はあるが、業界や地域のイノベーションへの広がりは書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    越前市に本社工場を置く地域企業とうかがえるが、地域の経済成長や雇用創出への言及は事例にない。

今後の展望

進捗管理システムをより細かく配置して作業工程の「見える化」をさらに推進する。得られたデータを各工程の問題抽出に活用して品質向上につなげたり、従業員の適材適所の配置などにも役立てたりしていく。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。