ものづくり補助金平成24年度兵庫県

レーザー加工機によるシム加工技術の確立

株式会社ナカノテック

成果1枚当たりの加工時間 22秒→9秒

この事例のポイント

  • 薄板は2次元加工のため複合機で加工できず、プレス機と手作業で製造しており生産性が低かった。
  • 薄板専用のレーザー加工機を導入し、プレス機と手作業に頼っていた薄板加工工程を見直した。
  • 1枚当たりの加工時間 22秒→9秒。レーザー加工機の導入により薄板の加工時間が大きく短縮され、生産性が約60%向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ナカノテック
所在地兵庫県 尼崎市
業種一般機械器具製造業
技術分野切削加工
従業員数13人
資本金1,000万円
設立1974年

事業の背景

創業以来、顧客の課題解決にこだわり、CNC複合旋盤を他社に先駆けて導入し、現在はほぼ全ての業務を10台の複合機で行っている。一方、本事業の薄板加工は2次元加工であるため複合機を使えず、プレス機と手作業に頼っていた。従来は主に真鍮の薄板を加工していたが、近年は顧客要求に応じてステンレスなど他の材質も求められるようになっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力薄板は2次元加工のため複合機で加工できず、プレス機と手作業で製造しており生産性が低かった。
  • 人手・技能プレス抜きでは部材にかえりが生じ、職人が手作業で修正するため生産性に限界があった。
  • コスト・採算ステンレスを抜くと金型の消耗が激しく、製造コストの改善が難しかった。
  • 品質・精度0.2mm以下の薄板は加工時の振動が大きく、加工品質が安定しなかった。

やったこと

薄板専用のレーザー加工機を導入し、プレス機と手作業に頼っていた薄板加工工程を見直した。加工速度、周波数、ガス圧のベストミックスを熟練工とともに仮説と検証を繰り返して解明し、加工に最適な条件を確立した。0.2mm以下の品物は振動が大きく加工が安定しなかったため、振動を抑える治具を設置し、0.02mmの薄板でも加工可能にした。加工時間の削減基準は0.05mmの薄板とし、薄板の生産リードタイムの削減、レーザー加工作業者の早期習熟、手作業の研磨時間の低減、真鍮だけでなくステンレスの薄板への対応を目標に取り組んだ。

事業の効果

  • 1枚当たりの加工時間 22秒→9秒

レーザー加工機の導入により薄板の加工時間が大きく短縮され、生産性が約60%向上した。他の厚みも同様の改善が可能になり、顧客の要求に対応できるレベルに達したといえる。金型を使わないレーザー加工になったことで、ステンレスなど多種の材質の薄板加工が可能になり、製造コストの高止まりも改善された。これにより顧客の2次元加工の要求にも対応できるようになり、顧客対応企業としての総合力が高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    課題の認識と解決薄板加工の生産リードタイム削減目標に対し、加工時間が22秒から9秒へ約60%短縮と数値で課題解決の効果が示されている。
  • 4
    これまでの取組との一貫性複合機を他社に先駆けて導入し10台で多くの業務を行う経緯が書かれ、顧客要求に応える姿勢の一貫性が読み取れる。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標加工時間22秒から9秒への約60%短縮という実績があり、生産性向上の目標達成の見込みが具体的に読み取れる。付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用顧客要求への対応力向上と総合力向上への寄与がうかがえるが、波及効果や雇用創出の記述はない。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    複合機を他社に先駆けて導入し10台で多くの業務を行う経緯が書かれ、顧客要求に応える姿勢の一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客要求への対応力や複合機のノウハウが強みとして語られるが、市場動向との関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決5

    薄板加工の生産リードタイム削減目標に対し、加工時間が22秒から9秒へ約60%短縮と数値で課題解決の効果が示されている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間22秒から9秒への約60%短縮という実績があり、生産性向上の目標達成の見込みが具体的に読み取れる。付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    レーザー加工に従事する作業者の早期習熟を目標に掲げ、熟練工と仮説検証を繰り返したとあるが、体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    薄板加工で真鍮以外にステンレスにも対応し顧客要求に応える点は読み取れるが、顧客ターゲットの整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    加工速度・周波数・ガス圧のベストミックス解明や振動抑制治具の設置など課題解決の方法は書かれているが、スケジュールは不明。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    金型レスで0.02mmまで加工可能とし、ステンレス等を含む多種の薄板加工を実現した点で高水準の高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    顧客要求への対応力向上と総合力向上への寄与がうかがえるが、波及効果や雇用創出の記述はない。

  • 費用対効果4

    約60%の加工時間短縮、金型不要によるコスト高止まりの改善など、投入に対する生産性向上効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    レーザー加工技術の確立は示されるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献の記述は限定的。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    兵庫県尼崎市の企業であることは分かるが、地域の特性を活かした経済成長への言及は乏しい。

事業者の声

お客さまの無理を聞いてなんぼ

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。