ものづくり補助金平成28年度製造業岐阜県

高速汎用性袋充填ラインの導入による、デザート事業の再構築

カネマタ食品工業株式会社

成果作業時間 150分→130分

この事例のポイント

  • こんにゃく業界は調理機会の減少や価格競争で市場がダウントレンドとなっている。
  • 高速汎用性袋充填機ONP-2030AS3と300Lパステライザーを導入し、ベンリカット仕様、ヨーロピアンカット刃仕様、特殊フィルム仕様のパウチゼリータイプ包装を試作した。
  • 作業時間 150分→130分。寒天の包装作業で作業時間と作業人数が減り、製造原価も低減できたことを確認した。

事業者のプロフィール

事業者名カネマタ食品工業株式会社
所在地岐阜県 揖斐郡揖斐川町
業種食料品製造業
技術分野デザイン,機械制御
従業員数20人
資本金1,000万円
設立1969年

事業の背景

創業は天保8年(1837年)で、揖斐郡揖斐川町で約180年間こんにゃくを製造している。昭和44年に株式会社を設立し、同時期に寒天などのデザート類の生産も始めた。主力のニッキ寒天はシェアトップだが、メイン顧客層の60~70代で緩やかに縮小傾向にある。一方、サラダこんにゃくやこんにゃく麺など健康志向の商品は若い世代に人気が広がっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑こんにゃく業界は調理機会の減少や価格競争で市場がダウントレンドとなっている。
  • 販路・情報発信主力のニッキ寒天はメイン顧客層が60~70代で緩やかに縮小しており、次のメイン顧客層である40~50代へのアプローチを早期に進める必要があった。
  • 新製品・新技術これまでのカップ商品に代わる、若い世代の「安全性」「食べやすさ」「手軽さ」「少量」に応える革新的な包装形態の新商品を開発することが急務だった。

やったこと

高速汎用性袋充填機ONP-2030AS3と300Lパステライザーを導入し、ベンリカット仕様、ヨーロピアンカット刃仕様、特殊フィルム仕様のパウチゼリータイプ包装を試作した。ベンリカット仕様は注ぎ口をカットする特殊形状で内容物の飛び散りや出過ぎを防ぎ、ヨーロピアンカット刃は業務用サイズの観音開きを可能にする特殊フィルムと組み合わせて3通りの開封方法を備えた。タテ溝特殊シールバーやミシン目連包を採用し、HACCP対応のサーマルプリンタも導入した。機械は20gから2,000gまで対応できる。寒天300ℓから90gずつ包装を試みたところ、作業時間は従来の150分から130分に短縮し、作業人数は従来の6名から2名に削減でき、製造原価は従来を100とすると64まで低減できた。

加工機高速汎用性袋充填機ONP-2030AS3
加工機300Lパステライザー

新しい製品・サービス:揖斐郡大野町産の富有柿を使った無香料・無着色の寒天ゼリー(1袋25g×6袋入り)。パウチゼリータイプで、JAいび川や揖斐郡内の道の駅などで期間限定販売している。

事業の効果

  • 作業時間 150分→130分
  • 作業人数 6名→2名
  • 製造原価 100指数→64指数

寒天の包装作業で作業時間と作業人数が減り、製造原価も低減できたことを確認した。高速汎用性袋充填機とパステライザーの導入により、より一層の自動化・高度化が可能になった。オリジナルのカップに代わる包装形態の新規商品も開発できた。今後は県内の他の特産を使った商品開発や東南アジア市場への展開も検討し、新規デザート部門を再構築して高収益企業を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    こんにゃく製造約180年、寒天デザートの生産開始など過去の取組の延長として位置づけられている。経営戦略上の明確な位置付けは薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ニッキ寒天のシェアはトップとあり強みはうかがえるが、市場動向との対比で競争優位性を示す記述は限定的。

  • 課題の認識と解決4

    メイン顧客層60~70代の縮小傾向を課題として挙げ、40~50代向け新商品で解決する方針を具体的に示している。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    作業時間150分→130分、作業人数6名→2名、製造原価100→64とあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    導入設備と試作の重ねは記載があるが、補助事業を遂行する人材・体制や事務処理能力の記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    「ヘルシー」「ローカロリー」「手軽に食べられる形態」をコンセプトとし、ターゲットは40~50代と明確に示している。

  • 事業化までの道筋3

    試作を重ね、今後は第2弾・第3弾や東南アジア市場への展開を検討すると記載されているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    無香料・無着色の寒天ゼリーや高付加価値のヘルシー商品を目指すとあるが、高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地元の揖斐大野町産柿や県内特産との連携、道の駅での販売がうかがえるが、経済波及の規模は示されていない。

  • 費用対効果4

    投資に対し作業時間・人数・製造原価の削減効果を具体的な数値で示し、費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    HACCP対応や特殊フィルムの工夫が記載されているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    揖斐川町の地元食材と特産を使った商品開発が記載され、地域特性を活かす取組として読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後、新規デザート部門を再構築し、高収益企業を目指していく。第2弾、第3弾の商品開発も検討しており、シャーベット状に凍らせられる特徴から東南アジア市場にも目を向ける。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。