ものづくり補助金平成28年度製造業静岡県

電子部品の入出庫を劇的に速める、部品ラックシステムの試作開発

マスターエレクトロニクス株式会社

この事例のポイント

  • 電子部品は温度や湿度の管理が必要で専用倉庫に保管しており、使用する部品は都度倉庫から入出庫しなければならず、その多くが人手に依存している。
  • 電子部品の実装作業に長年取り組んできた経験と、現場のニーズへの理解、社内技術者による在庫管理システムの設計力を活かし、中小の電子部品を扱う製造業向けの部品ラックシステムを試作開発…
  • 部品ラックシステムの導入により、電子部品の入出庫作業時間が短縮されることを目指して試作開発を行った。

事業者のプロフィール

事業者名マスターエレクトロニクス株式会社
所在地静岡県 沼津市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野製造環境
資本金1億円
設立1974年

事業の背景

当社は1974年創業の電子部品並びに電子回路製造業で、プリント基板の設計から実装まで一貫した生産能力を持つ。2003年のRoHS指令を契機に翌年から実装作業を内製化した。工作機械・印刷機・医療機器・農用機器・船舶機器・放送機器など幅広い試作品の開発・製造の依頼を受けている。アイテム数1,200を超える電子部品を在庫保有し、短納期生産を実現している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力電子部品は温度や湿度の管理が必要で専用倉庫に保管しており、使用する部品は都度倉庫から入出庫しなければならず、その多くが人手に依存している。
  • 人手・技能部品番号は長い数字の羅列で、番号が一文字違うだけで特性が異なるため、ピックアップ時に細心の注意が求められている。
  • 人手・技能出庫時は部品リストに従って棚を回る必要があり、使用した部品は同じ棚番に返却する必要があるため、入出庫にかなりの時間を要している。
  • 人手・技能先入れ先出しが担当者に依存しているケースが多く、電子部品の入出庫作業の合理化が急務となっていた。

やったこと

電子部品の実装作業に長年取り組んできた経験と、現場のニーズへの理解、社内技術者による在庫管理システムの設計力を活かし、中小の電子部品を扱う製造業向けの部品ラックシステムを試作開発した。既存の部品棚を置き換えるだけで簡単かつ安価に導入できることを目指した。入庫時はバーコードリーダーで各リールのQRコードを読み取り、空きスペースのLEDが緑色に点灯し、格納終了時に消灯する仕組みとした。出庫時はアプリケーションソフトで作成した部品表を読み込むと、取り出す部品のLEDが緑色に点灯して指示する。ミス対応としてLEDが赤色に点滅しブザーで通知する機能を設けた。LEDによる入出庫先の可視化により、専門知識がなくても誰でも簡単にリールの格納・取出作業ができるようにした。

その他部品ラックシステム
検査測定バーコードリーダー
その他LED表示機能付き部品ラック
ソフト入出庫管理アプリケーションソフト

新しい製品・サービス:電子部品の入出庫を効率化する部品ラックシステム

事業の効果

部品ラックシステムの導入により、電子部品の入出庫作業時間が短縮されることを目指して試作開発を行った。LEDによる入出庫先の可視化とミス時の赤色点滅・ブザー通知により、専門知識がなくても誰でも素早く簡単に必要なリールの格納・取出作業ができるようになった。これにより高齢者でも作業しやすくなり、既存の部品棚を置き換えるだけで中小の電子部品を扱う製造業者が導入できるソリューションを開発できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の電子部品実装の内製化やプリント基板の一貫生産が書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえる。経営戦略上の位置付けまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    1,200を超える電子部品在庫による短納期生産や、設計から実装までの一貫生産能力が強みとして示されている。市場動向との関係は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    部品入出庫時の合理化が急務と課題が明示され、ラックシステムで解決を図る流れは読み取れる。付加価値や成長への数値的つながりは書かれていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。付加価値額や賃上げの目標値は記載がありません。

  • 事業を進める体制3

    社内の技術者が在庫管理システムを考案・設計できる点や、長年の実装経験が挙げられている。人員数や事務体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    LED表示で誰でも簡単に格納・取出できる点、中小の電子部品製造業向けに既存棚を置き換えて導入できる点が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    試作開発として入庫・出庫・ミス対応の機能内容は示されるが、スケジュールや中長期の検証方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。資本金10,000千円の記載はあるが財務状況や資金調達の記述はありません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    電子部品の在庫を棚で管理する一般的な方式の置き換えとされ、新市場性や高水準の高付加価値化を示す記述はわずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    中小の電子部品を扱う製造業向けに、既存棚を置き換えて導入できるソリューションとして開発したとあり、波及効果の記述は限定的。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。補助金投入額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は示されていません。

  • イノベーションへの貢献3

    LEDとバーコード・QRコード読み取り、部品表連携による出庫指示など、デジタル技術を用いた入出庫の仕組みが具体的に示されている。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。日本経済の構造転換に関する記述はありません。

  • 地域経済への波及2

    沼津市の地域企業として地域社会への貢献を掲げるが、地域特性を活かした雇用や成長への具体的記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。