ものづくり補助金平成28年度製造業静岡県

自動車部品の軽量化に向けた超高硬度なプラスチック製品用金型の試作開発

株式会社稲垣金型製作所

成果加工精度は目標であった加工面±0.01mm以内に収まった

この事例のポイント

  • 自動車産業は市場競争が激しさを増しており、新たな付加価値を生み出す必要に迫られていた。
  • 導入したマシニングセンター(牧野フライスV56i)によりHRC50-60の鋼材の切削加工を可能にし、従来の放電加工・研削加工に代わるダイレクト超高硬度切削加工を実現した。
  • 加工精度は目標であった加工面±0.01mm以内に収まった。超高硬度の金型開発に成功し、HRC60の鋼材の加工が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社稲垣金型製作所
所在地静岡県 静岡市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
資本金1.15億円
設立1947年

事業の背景

昭和22年創業の株式会社稲垣金型製作所は、静岡市に位置し、プラスチック射出成形で用いられる金型製造を主たる事業としている。古くはビン型から始まり、現在は自動車用内外装部品を中心とした樹脂成形の金型を手掛けている。自動車業界では軽量化を目的とした強化プラスチックの多用化が進んでおり、耐摩耗性に優れた金型の需要が高まると考えられていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術自動車産業は市場競争が激しさを増しており、新たな付加価値を生み出す必要に迫られていた。
  • 生産能力同業他社との差別化のため、同業他社が手を出さない超高硬度の樹脂成形に耐える金型の開発が求められていた。

やったこと

導入したマシニングセンター(牧野フライスV56i)によりHRC50-60の鋼材の切削加工を可能にし、従来の放電加工・研削加工に代わるダイレクト超高硬度切削加工を実現した。冷間ダイス鋼・熱間ダイス鋼・ステンレス鋼といった複数種類のプラスチック金型用鋼材を用い、加工特性・熱処理特性・ミガキ性を活かしながら試作開発に取り組んだ。加工手順・切削工具の選定及び加工条件の検討を行い、コスト低減の形態や販売に向けた見積目安の設定も目標とした。

加工機マシニングセンター(牧野フライスV56i)

新しい製品・サービス:HRC60の超高硬度金属に対応した、超高硬度の樹脂成形に最適な金型

事業の効果

  • 加工精度は目標であった加工面±0.01mm以内に収まった

超高硬度の金型開発に成功し、HRC60の鋼材の加工が実現した。複雑かつ繊細な加工も可能となった。表面処理では放電加工と同等の精度を維持でき、従来の手仕上げ処理も短時間で行えるようになった。静岡から世界に向けた発信を始め、各地の展示会で引き合いを得ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和22年創業で射出成形金型を手がけ、自動車内外装部品へ移行してきた経緯が書かれ、超高硬度金型への挑戦は既存事業の延長として読める。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    競争激化の自動車産業で同業他社が手を出さない超高硬度樹脂成形金型に挑んだとあり、差別化の方向は示されるが定量的な比較はない。

  • 課題の認識と解決3

    超高硬度切削による高精度化と納期短縮を狙ったと書かれ課題認識はあるが、事業計画の数値や収益目標は読み取れない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    加工精度±0.01mm以内やHRC60対応は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    機械系大学卒業生を中心に人材育成に熱心で、顧客への状況把握も迅速とあり体制の一端はうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    自動車の軽量化に伴う強化プラスチック多用化で耐摩耗金型が重宝されるという市場ニーズが示され、顧客の選ばれる理由も一部書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    加工手順・工具選定・加工条件の検討や見積目安の設定を目標としたと書かれ、遂行方法は概略的に示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    HRC50-60の超高硬度金属の切削加工に挑み、同業他社が手を出さない分野で高付加価値化を図った点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    自動車産業の軽量化ニーズや静岡からの発信には触れるが、波及効果や雇用創出の具体的記述は少ない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は書かれておらず費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献2

    最新マシニングセンターの導入は示されるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献の記述は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    軽量化を目的とした強化プラスチックの多用化という自動車分野の変化に対応する点がうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及2

    静岡の地場産業やプラスチックモデルに触れるが、地域経済を牽引する効果の記述は限定的である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

現在は、各地の展示会等に出させてもらいながら、営業活動にも力を入れています。幸いなことに、各地のメーカーから引き合いもいただけています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。