ものづくり補助金平成28年度製造業愛知県

顧客ニーズに応えた鍛造+切削加工による製造技術の研究開発

伸光技研産業株式会社

この事例のポイント

  • トランスミッション関連部品を、切削から精密圧造に工法変更する必要があった。
  • トランスミッション関連部品について、コイル材から鍛造で円筒形状に一気に加工する精密圧造法へ変更する案件に対応した。
  • 仕上げ加工を社内で一貫して行えるようになり、リードタイムが短縮され顧客満足度の向上が見込まれる。

事業者のプロフィール

事業者名伸光技研産業株式会社
所在地愛知県 愛西市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数27人
資本金1,000万円
設立1981年

事業の背景

同社は昭和56年創業の精密圧造品メーカーで、自動車部品を中心に、時に家電関連部品も手掛けている。完成車メーカーやティア1との取引が太く、圧入ナットなどの製品の引き合いが伸びていた。ここ数年の業績は概ね堅調に推移してきたという。従業員は27人である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術トランスミッション関連部品を、切削から精密圧造に工法変更する必要があった。
  • コスト・採算従来のバー材に穴をあける切削法は材料ロスが大きく、時間もかかっていた。
  • 人手・技能納品前に必要な仕上げの旋削加工を自社で行えず、協力工場に頼っていた。
  • 納期・工程圧造後の二次加工を外注していたためリードタイムがかかり、社内で全工程を請け負えないことが顧客満足度の課題だった。

やったこと

トランスミッション関連部品について、コイル材から鍛造で円筒形状に一気に加工する精密圧造法へ変更する案件に対応した。圧造後の両端の仕上げ旋削を社内で行うため、内径にコレットチャックを挿入して加工物を保持し、持ち替えなしで加工できる方法を採用した。小物部品の量産と精密加工に適したくし型のCNC旋盤を選定し、まず協力会社で1台導入してもらった後、増産決定を受けて自社で2台を稼働させた。

加工機くし型CNC旋盤
加工機CNC旋盤

新しい製品・サービス:コイル材から鍛造で一気に円筒形状に加工する、トランスミッション関連部品の精密圧造品。

事業の効果

仕上げ加工を社内で一貫して行えるようになり、リードタイムが短縮され顧客満足度の向上が見込まれる。生産能力は月産9万個へ拡大し、当初計画の3倍に達した。今後は派生する加工を取り込んで仕事の幅を広げ、付加価値を高める方針である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の精密圧造技術と自動車メーカー・ティア1との取引実績が書かれ、事業の一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    完成車メーカーやティア1とのパイプの太さ、細径から直径28mmまで受注できる設備が強みとして書かれている。市場動向の分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    バー材切削からコイル材鍛造への変更でコスト面と材料ロスを改善し、仕上げ旋削の内製化でリードタイムを短縮する課題認識が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    当初計画の3倍にあたる月産9万個まで拡大し、3台が稼働していると具体的な数字で実績が示されている。賃上げや付加価値額の目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    協力先の外注企業の知見を借り段階的にNC旋盤を導入した経緯が書かれ、体制の一部はうかがえるが、人材や事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    圧入ナットの引き合いが伸びていることや、変形部分の精度が高く高強度で取り付けられる点が書かれている。顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    まず協力会社で1台導入し、増産決定後に自社で2台稼働させたという段階的な計画が書かれている。中長期の検証内容は限定的。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    圧入ナットは一定の需要があるとされるが、同分野での高付加価値化や高価格化の具体的な記述はわずかにとどまる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    自動車部品の製造を担うことや地域の事業としての位置付けがうかがえるが、国が補助する積極的理由や波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    設備導入により月産3万個から9万個へ拡大したと書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    愛知県愛西市の企業であることが示されるが、地域特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

足元の受注状況は堅調で、派生する加工を取り込み仕事の幅を広げて付加価値を高める方針。新たな機械への挑戦も視野に入れ、現場では別の構想が動き始めている。

  • 目標:月産個数 3万個→9万個

事業者の声

さまざまな設備がそろい、細径から直径28mmの太いものまで受注できる

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

香川県製造業平成27年度

最新製版機の導入による効率化とコスト削減

生産能力が現有製版機の約3倍となる最新製版機を導入し、製版工程の生産性向上と、それに伴う製版作業の残業低減を図った。

効果:製版機の生産能力 1倍→3倍

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。