ものづくり補助金平成28年度製造業愛知県

半導体産業の市場獲得に向けた5軸加工機導入によるアルミ部材の精密加工

コクネ製作株式会社

成果加工時間 3時間→2時間

この事例のポイント

  • 銑鉄鋳物の需要動向に業績を大きく左右される体質で、特定産業への依存度を下げることが大きな課題となっていた。
  • 半導体製造装置産業の市場獲得とアルミ鋳物加工事業への新規参入を目的に、平成28年度補正革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金を活用して5軸加工機を導入した。
  • 加工時間 3時間→2時間。5軸加工機の導入により、アルミ鋳物の試作加工で目標を上回る高精度加工を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名コクネ製作株式会社
所在地愛知県 西尾市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数88人
資本金3,750万円
設立1970年

事業の背景

当社は株式会社古久根とグループを組み、鋳鉄鋳物の切削加工・検査・組立を手掛けており、設計から鋳造、加工、検査、組立までグループ一貫で対応することを強みとしている。工作機械鋳物部品や食品梱包機部品などを扱い、なかでもチップマウンター鋳物フレームを中心とした実装機産業からの受注が売上高全体の60%程度を占めている。銑鉄鋳物の需要動向に業績が左右されやすい状況にあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑銑鉄鋳物の需要動向に業績を大きく左右される体質で、特定産業への依存度を下げることが大きな課題となっていた。
  • 販路・情報発信鉄鋳物依存から脱却し、業績の平準化と更なる飛躍につながる半導体製造装置産業の売上を強化する必要があった。
  • 品質・精度3軸型加工機では、アルミ鋳物のような軟らかく高速回転による高精度加工が必要な材料を、難易度の高い形状で高精度に加工することが難しかった。

やったこと

半導体製造装置産業の市場獲得とアルミ鋳物加工事業への新規参入を目的に、平成28年度補正革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金を活用して5軸加工機を導入した。機械は三井精機工業製の5軸加工機を選定し、取引先で長年アルミ関連部材の加工に携わる中星工業株式会社のアドバイスを参考にした。導入後はロボットアームを試作物として加工し、目標値として加工精度±0.02mm、工程数2工程、加工時間3時間を掲げていたのに対し、実測値は加工精度±0.016mm(最大差)、工程数2工程、加工時間2時間であった。熟練作業者の技術力と加工知識の相乗効果も加わり、高精度加工を実現した。

加工機5軸加工機(三井精機工業製)

新しい製品・サービス:アルミ鋳物の精密切削加工(半導体製造装置・航空宇宙向け)

事業の効果

  • 加工時間 3時間→2時間
  • 加工精度 0.02mm→0.016mm

5軸加工機の導入により、アルミ鋳物の試作加工で目標を上回る高精度加工を実現した。加工時間も短縮でき、リードタイムの短縮とコスト面でも成果を上げることができた。これにより鉄鋳物依存からの脱却と業績の平準化に向けた、アルミ鋳物加工への新規参入の基盤が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    鉄鋳物依存からの脱却と業績の平準化を目的にアルミ加工へ参入した経緯が書かれ、既存の鋳鉄切削加工事業との連続性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    半導体製造装置産業の売上強化を狙うと書かれるが、市場動向の数字や自社の競争優位の根拠は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    鉄鋳物の需要変動で業績が左右される課題を認識し、5軸加工機導入でアルミ鋳物の高精度加工に取り組む具体策が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    目標値は加工精度±0.02mm、2工程、加工時間3時間で、実測は±0.016mm、2工程、2時間と数値で達成が確認されている。

  • 事業を進める体制3

    熟練作業者の技術力と加工知識の相乗効果に触れるが、人員数や事務体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    半導体・航空宇宙産業向け受注強化が目標と書かれるが、顧客ニーズの裏付けや選ばれる理由の整理は限定的。

  • 事業化までの道筋3

    ノウハウと実績の蓄積が必要と課題に触れ、東京営業所開設や工場増築の計画が示されるが、スケジュールは明示されない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    アルミ鋳物は鉄鋳物よりデリケートで高度なノウハウが必要と述べられ、高付加価値分野への挑戦がうかがえるが、水準の数値はない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    半導体・航空宇宙産業向けのアルミ鋳物を成長産業として位置付けるが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果3

    加工時間の短縮やリードタイム・コスト面で成果を上げたとあるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    5軸加工機の導入は示されるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンのイノベーションへの貢献は明確ではない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    半導体製造装置や航空宇宙など成長分野への進出が明記され、構造転換への関与がうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    地域の特性や地域経済の成長への寄与は直接書かれておらず、わずかにうかがえる程度。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

半導体産業及び航空宇宙産業向けの受注強化を計画している。東京営業所を開設して樹脂製品など取扱品の幅を広げ、サプライヤーとしての役割を強化する考えである。工場の増築により鋳物部品の組立業務を効率化し、グループ一貫の生産・供給体制を増強する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。