ものづくり補助金平成28年度製造業滋賀県

熱圧着縫製技術を使用した高性能ダウンジャケットの開発

株式会社ナンガ

成果通気度 0.3ml/cm²·sec→0.1ml/cm²·sec

この事例のポイント

  • 縫い目の針穴から雨や風がしみ込み、防水性・防風性を高められない。
  • 熱可塑性フィルムなどを加熱・加圧・冷却して接着する熱圧着技術を縫製に応用し、縫目の針穴をなくす取り組みを行った。
  • 通気度 0.3ml/cm²·sec→0.1ml/cm²·sec。熱圧着縫製技術の確立により、縫目からの雨や風のしみ込みを防ぎ、防水性・防風性の著しい向上を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ナンガ
所在地滋賀県 米原市
業種繊維工業
技術分野接合・実装
従業員数72人
資本金3,000万円
設立1993年

事業の背景

当社は創業77年の羽毛商品メーカーで、シュラフやダウンジャケットなどの登山用アパレルを国内生産している。同業他社は企画は国内で行い生産は中国などアセアン諸国で行うが、当社は高品質なヨーロッパ産ダウンの輸入後の全工程を国内一貫生産としている。登山・ハイキングの人気やタウンユース需要の増加により、アパレルブランドからの要望が高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度縫い目の針穴から雨や風がしみ込み、防水性・防風性を高められない。
  • 新製品・新技術アパレルブランドから、防水性・防風性をより向上させたダウンジャケットをリーズナブルな価格で提供することを強く求められている。

やったこと

熱可塑性フィルムなどを加熱・加圧・冷却して接着する熱圧着技術を縫製に応用し、縫目の針穴をなくす取り組みを行った。圧着箇所に対して加熱方法(電磁誘導、熱風・熱板、超音波)と加工条件(加熱能力、冷却能力、時間、加圧力)の最適な組み合わせを検討した。圧着後に生地がよれるため、伸ばして綺麗にするための加熱・冷却条件も検討した。評価として圧着後の引き裂き強度と通気度を測定し、所定の引き裂き強度を満たすことを確認した。

新しい製品・サービス:熱圧着縫製技術を用いた高性能ダウンジャケット

事業の効果

  • 通気度 0.3ml/cm²·sec→0.1ml/cm²·sec

熱圧着縫製技術の確立により、縫目からの雨や風のしみ込みを防ぎ、防水性・防風性の著しい向上を達成した。ファスナー部の縫製でも縫目なしの仕上がりを実現した。引き裂き強度は所定の値を満たしている。今後はアパレルブランドの要望に応える防水性・防風性の高いダウンジャケットを提供でき、ハードシェルジャケットやマウンテンパーカーなど新商品への展開も見込んでいる。ミシン縫製との併用で他社との差別化も図れると考えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業77年の羽毛商品メーカーで、長年の縫製技術を生かしNANGAブランドを展開している経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    同業他社が中国等で生産する中、国内一貫生産で高品質を保つ強みを示し、アパレルブランドの防水性・防風性への要望に応えている。

  • 課題の認識と解決3

    縫目からの雨風の侵入という課題を認識し熱圧着縫製で解決したと書かれているが、事業計画の売上や利益の数値目標はない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。通気度が従来の1/3の0.1ml/cm2・secという品質目標のみ。

  • 事業を進める体制2

    社員72名・資本金3,000万円の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や体制の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    アパレルブランドの防水性・防風性向上の強い要望と、通気度の目標値という顧客ニーズや選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    加熱方法と加工条件の検討、引き裂き強度と通気度の評価など課題解決の進め方は書かれているが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ダウンジャケットの縫目の針穴を熱圧着で無くし、既存商品の通気度を従来の1/3にするなど、同分野で高水準の性能向上を図っている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    国内一貫生産による雇用の維持や新たな需要創出の可能性がうかがえるが、国が補助する積極的な理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    通気度を従来の1/3にするなど性能向上の数値はあるが、補助金投入額に対する付加価値や生産性の費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    熱圧着という新技術をアパレル縫製に応用しているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    滋賀県米原市の国内生産拠点で雇用を支えている点はうかがえるが、地域の経済成長を牽引する記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

熱圧着縫製技術をハードシェルジャケットやマウンテンパーカーなど新しい商品にも展開し、ミシンによる縫製との併用で他社商品群との差別化を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。