ものづくり補助金平成28年度製造業滋賀県

デマンドシステムの無線装置の開発とWEB閲覧機能ソフトの開発計画

石井電気システム有限会社

成果老人施設の配線工事費 100万円→50万円

この事例のポイント

  • デマンド・コントローラー導入費用の7割を配線工事費が占めており、導入を妨げていた。
  • 配線工事を不要とするため、920MHz帯の免許不要な長距離伝送無線に対応したマルチホップ通信機能を持つ無線モジュールを採用した。
  • 老人施設の配線工事費 100万円→50万円。無線化により、システム導入費用の過半を占めていた配線工事費を大幅に抑えられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名石井電気システム有限会社
所在地滋賀県 高島市
業種電気機械器具製造業
技術分野情報処理
従業員数4人
資本金1,000万円
設立1996年

事業の背景

企業の電力消費では空調が約半分近くを占めており、当社は約20年前にエアコン自動制御用のデマンド・コントローラーを開発した。中小企業も導入しやすい価格と独自の制御技術により、これまで6000台以上の導入実績がある。東北大震災後の電力不足や再生可能エネルギー発電促進賦課金による電力料金の上昇を受け、デマンドコントロールを導入する企業が増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算デマンド・コントローラー導入費用の7割を配線工事費が占めており、導入を妨げていた。
  • その他建物の美観上の問題で配線工事ができない施設があった。
  • その他一般的なデマンド・コントローラーは30分間の後半にエアコンを長時間停止させるため、職場環境に不快感をもたらす可能性があった。
  • その他顧客がデマンドの詳細データを見るには当社ネットワークへの接続設定が煩わしく、顧客側から見た情報セキュリティにも問題があり、WEBから閲覧できる機能を求められていた。

やったこと

配線工事を不要とするため、920MHz帯の免許不要な長距離伝送無線に対応したマルチホップ通信機能を持つ無線モジュールを採用した。無線制御ユニット間の相互通信により、エアコン室外機が点在する広い範囲もカバーできる方式とした。無線モジュールの制御ソフトに加え、デマンド主制御盤やリモート制御盤とのインターフェースソフトを設計し、無線デマンド・コントローラーを開発した。フィールド試験では見通し距離約1,000mでも安定した通信を確認し、地元の老人施設(幅50m奥行200mの敷地)に導入した。顧客のパソコンやスマートフォンから遠隔監視・操作できるWEB閲覧機能ソフトを開発し、WEB専用サーバーを設置して閲覧ソフトで顧客の要望に対応した。

その他無線モジュール(920MHz帯・マルチホップ通信対応)
その他無線対応制御盤
ソフトWEB閲覧機能ソフト
その他WEB専用サーバー

新しい製品・サービス:無線デマンド・コントローラー

事業の効果

  • 老人施設の配線工事費 100万円→50万円

無線化により、システム導入費用の過半を占めていた配線工事費を大幅に抑えられるようになった。地元の老人施設では、LAN配線工事の見積もり100万円以上が半減した。WEB閲覧機能により、顧客は当社ネットワークへの接続設定なしでデマンド詳細情報を確認できるようになり、セキュリティ面の懸念も解消された。使用電力量の削減による早期の投資回収が期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来のデマンド・コントローラー開発の経緯と6000台以上の導入実績が書かれ、事業の一貫性はうかがえる。ただ経営戦略として明確に位置付けた記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    他社より導入しやすい価格設定、独自の時分割制御特許、6000台以上の導入実績など強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    導入費用の7割を占める配線工事費という課題を特定し、無線化とWEB閲覧機能で解決する計画が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    配線工事費が半減したとの実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、将来の目標は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員4人、資本金1000万円との記載はあるが、補助事業を遂行する体制や人材の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ホテル・スーパーなどの顧客ニーズ、1億数千万円の費用削減効果など、製品の価値と選ばれる理由が数字で示されている。

  • 事業化までの道筋3

    無線装置とWEB閲覧ソフトの開発、環境対応型制御の今後の展望が書かれ、中長期の方向性は示されているがスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    デマンド制御の普及度について、高水準の高付加価値化を示す記述は乏しく、配線工事不要の無線化という差別化は読み取れる。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    電力費用削減と環境問題への貢献、SDGsへの言及があるが、経済波及効果や雇用創出の具体的記述は少ない。

  • 費用対効果4

    配線工事費の半減、1億数千万円の費用削減効果など、投資に対する削減効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    無線マルチホップ通信やWEB閲覧による遠隔監視など新技術の活用は書かれているが、サプライチェーン全体への貢献は具体的でない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    省エネ・環境・地球温暖化対策への貢献が述べられているが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及2

    滋賀県高島市という立地は書かれているが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

環境対応型デマンド制御システムは、外気の不快指数を監視してエアコンの無駄な運転を防ぎ、ピークカットとトータルの電力量削減を図るもので、病院や老人施設で1年以上テスト運用して良好な実績を得ている。無線デマンド・コントローラーと組み合わせることで、従来は費用対効果から導入が難しかった電力量50kW規模の店舗にも効果が出ることを確認しており、デマンド制御の普及を見込んでいる。省エネ・環境・地球温暖化対策の面からSDGsの実現にも貢献したいとしている。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。