ものづくり補助金平成28年度製造業京都府

高性能放電加工機による微細加工と大幅な効率化への取組

株式会社吹野金型製作所

成果加工時間 14時間→7.83時間

この事例のポイント

  • 微細部品加工の新事業に向けて、形彫り放電加工で面粗さや加工最小Rの高水準を狙える機械能力が不足しており、技術的課題となっていた。
  • 形彫り放電加工機として、株式会社ソディック製の精密形彫り放電加工機AG40LP(旧機械はAG35L)を導入した。
  • 加工時間 14時間→7.83時間。導入した新型の形彫り放電加工機により、当初目標としていた凹コーナーRを0.1mm以下、面粗さRaを1μm以下とする目標…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社吹野金型製作所
所在地京都府 京都市南区
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数10人
資本金1億円
設立1973年

事業の背景

当社は射出成形用金型の設計・製造を主事業としてきた。その中で培った加工技術を部品加工に生かし、微細加工部品などの受託加工を事業化したいと考えている。事業目標は、金型事業の売上を従来比100%に保ちつつ、微細部品加工の売上で30%の上乗せを実現することである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度微細部品加工の新事業に向けて、形彫り放電加工で面粗さや加工最小Rの高水準を狙える機械能力が不足しており、技術的課題となっていた。
  • 生産能力形彫り放電加工は加工時間が長くかかるため、加工時間の短縮が課題となっていた。

やったこと

形彫り放電加工機として、株式会社ソディック製の精密形彫り放電加工機AG40LP(旧機械はAG35L)を導入した。新機械は第5世代の放電加工技術「パーフェクト・アクティブ・コントロール」を採用した新放電安定加工システムを使用し、放電制御とモーション制御を1Gbit/secのシリアル通信で同時に高速処理できる。評価では、正四角錐の凹の連続形状(ダイヤカット形状)を電極で加工し、旧機械は社内の実績条件、新機械はメーカー推奨条件で、それぞれ想定加工時間14時間まで加工した。新機械は7時間50分で加工が完了し、同じ電極数で必要な形状まで加工できた。

加工機精密形彫り放電加工機 AG40LP(株式会社ソディック製)

事業の効果

  • 加工時間 14時間→7.83時間

導入した新型の形彫り放電加工機により、当初目標としていた凹コーナーRを0.1mm以下、面粗さRaを1μm以下とする目標を達成した。加工時間は7時間50分となり半減し、電極消耗度も旧機械の2/3程度に改善した。金型の磨きレスや磨き時間の短縮が可能になり、金型の製造時間短縮に寄与している。既存の放電加工機ではできなかった領域の微細加工にも対応できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の金型事業に加え微細加工へ進む計画で、過去の入賞実績との関連は示されるが、経営戦略上の位置づけは「プラス30微細加工へ」の旗印で読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    微細加工領域の技術的伸び代や社内の加工技術の現状整理は具体的だが、市場や顧客動向の分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決5

    課題を凹コーナーR、面粗さRa、加工時間に分けて数値化し、旧機械の2分の1以下の目標を7時間50分で達成したと書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    加工時間14h以内を7時間50分で達成し、凹コーナーRも0.035mmと数値目標の達成が明示されている。付加価値の数値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員10人の企業であることはわかるが、補助事業を担う人材や事務体制の具体的な記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    微細部品加工の受託事業化、精密加工ニーズ、MEMSやマイクロマシン関係者への働きかけが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    導入後の金型磨きレス活用やMEMS関係者への働きかけ予定など、今後の展開と遂行方法が示されている。スケジュールの記載は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    正四角錐の連続形状での微細加工で凹コーナーR0.035mmを達成し、既存の放電加工機では対応できなかった領域と説明されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    MEMSやマイクロマシン分野への展開はうかがえるが、経済波及や雇用創出の記載はない。

  • 費用対効果3

    加工時間が半減し電極消耗度が2/3程度に改善したと書かれ、効果は示されているが補助金額との比較はない。

  • イノベーションへの貢献2

    1Gbit/secのシリアル通信による放電制御とモーション制御の同時処理が記載されるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    MEMSやマイクロマシンなど新分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ポストコロナで展示会が再開されつつあるなか、今後は微細加工のニーズを開拓するため、MEMSやマイクロマシン関係者への働きかけを強める予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。