ものづくり補助金平成28年度製造業奈良県

アルミ製品の高品質・低コストのベストミックスと短納期対応で高度化する顧客ニーズに応える

有限会社日東工作所

成果工程数 6工程→2工程

この事例のポイント

  • 取引先から流体機器・自動車部品・航空機部品の試作・量産化に向けて、低コスト化・高品質化・短納期化の技術開発の要請を受けていた。
  • 本事業では新型の横型マシニングセンタを導入し、加工技術の向上・高度化・新技術の開発に取り組んだ。
  • 工程数 6工程→2工程。新型の横型マシニングセンタの導入により、従来の工程を大きく上回る効率で作業できるようになり、対応可能なサイズも拡大した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社日東工作所
所在地奈良県 生駒市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数6人
設立1960年

事業の背景

当社は1960年の創業以来、アルミニウム製品の加工一筋で事業を行い、ボール盤から始めた加工技術と経験を蓄積してきた。現在はマシニングセンタ等の設備と、60年にわたるアルミニウム素材特化のノウハウを融合させ、流体機器、冷暖房装置、センサー、計量器などの分野で高精密な産業機器や半導体部品を加工している。従業員は6名で、少人数ながら多能工の熟練技術者集団として、少量多品種の試作や短納期・急な仕様変更にも柔軟に対応している。アルミニウムは多分野で活用され、材料自体へのニーズも高度化して拡大を続けている一方、コロナ禍で経済活動全体が不安定になっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術取引先から流体機器・自動車部品・航空機部品の試作・量産化に向けて、低コスト化・高品質化・短納期化の技術開発の要請を受けていた。
  • 新製品・新技術要請された仕様・ニーズは既存の加工技術・ノウハウだけでは達成が困難な項目があった。
  • 生産能力従来の加工は6工程が必要で、生産効率が低かった。
  • 集客・繁閑既存案件の安定化を優先しており、新規顧客開拓や新分野進出は既存顧客への技術力アピールに留まっていた。
  • その他コロナ禍の影響で製造・加工業を含め経済活動が低迷し、不安定になっていた。

やったこと

本事業では新型の横型マシニングセンタを導入し、加工技術の向上・高度化・新技術の開発に取り組んだ。保有設備には横型マシニングセンタ(㈱牧野フライス製作所、#40、機械ストローク560×560mm、4台)、縦型マシニングセンタ(ブラザー工業㈱、#30、機械ストローク500×450mm、3台)、三次元測定器(㈱東京精密、1台)がある。対応ロット数は50〜1000個程度(応相談)、対応サイズは小さいものから最大400×400mmとなった。要請された「流体機器」「自動車部品」「航空機部品」の3種類について、「加工精度」「生産コスト」「加工時間」「生産リードタイム」の4項目で要求仕様を満たす目標値を設定し、さらに技術者の「多能工化」を加えた計13項目で達成度を検証した。

加工機横型マシニングセンタ(㈱牧野フライス製作所 #40)

新しい製品・サービス:新型の横型マシニングセンタを導入し、流体機器・自動車部品・航空機部品の試作・量産化の技術開発に活用した。

事業の効果

  • 工程数 6工程→2工程

新型の横型マシニングセンタの導入により、従来の工程を大きく上回る効率で作業できるようになり、対応可能なサイズも拡大した。13項目中8項目は目標値を達成し、未達に終わった5項目も設備導入前と比べて5割以上の効率化・短縮化が実証された。6工程を2工程に短縮するなど大幅な改善を達成し、今後の事業化に向けて十分な成果を得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    1960年創業以来のアルミ加工一筋の実績が書かれ、横型マシニングセンタ導入も既存の加工技術の延長線上にあると読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    6名の熟練技術者や少量多品種・短納期対応の強みと、流体機器・自動車部品・航空機部品の技術開発要請に触れ、外部環境と強みの関係が読める。

  • 課題の認識と解決4

    既存案件の安定化を優先してきた現状と、新規顧客開拓の必要性を認識している。6工程を2工程に短縮し生産効率を高める取組が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    13項目中8項目で目標値を達成し、未達5項目も導入前より5割以上の効率化・短縮化を実証したとある。付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員6名の熟練技術者・多能工の体制と、技術者教育として多能工化を検証したことが書かれ、体制は読み取れるが具体性は限定的。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    流体機器・自動車部品・航空機部品の顧客要請と、加工精度・コスト・時間・リードタイムの要求仕様に基づく開発内容が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    既存案件安定化を優先し、新規顧客開拓のためWebサイトを新設する方針が示されるが、中長期の検証や詳細スケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    アルミ素材の高機能化や多分野展開に触れるが、同分野での高付加価値化・高価格化の水準については具体的な記述が少ない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    半導体部品や航空機部品などの新分野進出が地域の産業機器分野に波及する可能性はうかがえるが、雇用創出や波及効果の数字は書かれていない。

  • 費用対効果3

    6工程を2工程に短縮し5割以上の効率化を実証したとあり効果は読めるが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    横型マシニングセンタの導入や新規事業の拡大は書かれるが、先端的デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    航空機部品や半導体部品など成長分野への進出意図がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    奈良県生駒市の企業で地域性は示されるが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及は明確ではない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既存案件の安定化・高効率化に加え、企業Webサイトを新たに開設して既存顧客を含む新規顧客へ技術力をアピールし、新規顧客・販路の開拓と新分野・ジャンルへの進出を目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。