ものづくり補助金平成28年度製造業和歌山県

大型マシニングセンタ導入による内製化及び生産性の向上

西原精工株式会社

成果全長1050mmまでの大物部品を社内で加工できるようになった

この事例のポイント

  • 保有のマシニングセンタが1台のため加工が追いつかず、引き合いがあっても納期が間に合わず辞退するケースが増えていた。
  • 成長する製造設備部品向けに、従来比3倍の大型マシニングセンタ(MC)を導入した。
  • 全長1050mmまでの大物部品を社内で加工できるようになった。大型MCの導入により、大物部品を内製化して外注費と運送費を抑え、収益力が強化された。

事業者のプロフィール

事業者名西原精工株式会社
所在地和歌山県 紀の川市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数6人
資本金1,000万円
設立1921年

事業の背景

精密加工一筋で、令和3年に創業100周年を迎えた精密金属加工業者である。スマートフォン等の電子部品製造工程向けに、治具や自動機消耗部品などを製造している。切削・研磨・放電・品質を社内で一貫して行い、設備部品一式を一括受注することで顧客の信頼を得ている。受注は単品からの多品種・少量生産までで、成長する製造設備部品の需要が背景にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力保有のマシニングセンタが1台のため加工が追いつかず、引き合いがあっても納期が間に合わず辞退するケースが増えていた。
  • コスト・採算大物部品は他社に委託しており、県外委託のため運送費も嵩んで仕入値が上がり、収益力が低下していた。
  • 人手・技能技術の高度化が進まず、大物部品の内製化ができなかった。

やったこと

成長する製造設備部品向けに、従来比3倍の大型マシニングセンタ(MC)を導入した。導入により全長1050mmまでの大物部品を社内で加工できるようになった。大型機は回転主軸の低振動化(振動防止制御機能)により刃先の振動が抑制され、切削痕がなくなり加工面精度が大幅に向上した。切削工具の格納数は従来比1.3倍の40本に増え、工具交換の頻度が減った。

事業の効果

  • 全長1050mmまでの大物部品を社内で加工できるようになった
  • 切削工具の格納数が従来比1.3倍の40本に増加
  • 生産性・処理能力 1倍→1.5倍

大型MCの導入により、大物部品を内製化して外注費と運送費を抑え、収益力が強化された。低振動化により加工面精度と技術面が向上し、工具交換も減って業務の効率化につながった。1人の作業者が2台を同時にオペレートできるようになり、高付加価値の複雑形状部品も受注できるようになった。生産性・処理能力は1.5倍となり、大物部品の売上増を見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性一括受注や品質・納期・機密保持の一元管理で顧客信頼を得ている強みが書かれ、スマホ部品や家電向けの需要も示されている。
  • 4
    課題の認識と解決保有MCが1台のため加工が追いつかず辞退が増え、外注による仕入値上昇が収益力低下につながっていたという課題が具体的に書かれている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標大型MC導入で生産性・処理能力が1.5倍になると予測し、大物部品の売上増を見込むと数値つきで示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用県外委託の運送費削減や地域内の内製化はうかがえるが、波及効果や雇用創出などの国が補助する理由は書かれていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    メリヤス針から精密加工へ、30年前から単品生産の体制を確立と書かれ、過去の取組との連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的でない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    一括受注や品質・納期・機密保持の一元管理で顧客信頼を得ている強みが書かれ、スマホ部品や家電向けの需要も示されている。

  • 課題の認識と解決4

    保有MCが1台のため加工が追いつかず辞退が増え、外注による仕入値上昇が収益力低下につながっていたという課題が具体的に書かれている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    大型MC導入で生産性・処理能力が1.5倍になると予測し、大物部品の売上増を見込むと数値つきで示されている。

  • 事業を進める体制3

    従業員6名で1人が2台をオペレートする体制は読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    一括受注や難削材の高精度加工、航空・医療分野への参入検討など強みは示されるが、顧客ターゲットの整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    新分野への営業継続や海外進出の視野が書かれているが、遂行スケジュールや課題解決の方法は明確に示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    難削材の高精度加工や複雑形状の高付加価値受注が書かれるが、分野の普及度や高価格化の水準は具体的な数値で示されていない。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    県外委託の運送費削減や地域内の内製化はうかがえるが、波及効果や雇用創出などの国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    大型MC導入で生産性1.5倍、外注から内製化によるコスト・納期の削減が書かれ、投入額に対する効果の方向性は読み取れる。ただし投入額の数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    大型MCの振動抑制制御や1人で2台を同時オペレートする効率化はうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    電子部品・家電から航空・宇宙、医療分野への参入検討がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    和歌山県の事業者としての取組はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用や成長への寄与は具体的に書かれていない。

今後の展望

生産性増加分を大物部品の売上として伸ばす見込みで、スマートフォン向け電子部品メーカーに加え、家電メーカーなど新規開拓の営業活動を続けている。難削材の高精度加工から航空・宇宙、医療分野への参入も検討している。フィリピンに工場を持つ顧客との取引も始まり、コロナ収束後は海外進出も視野に入れている。

事業者の声

「積小為大」を胸に「次の100年」へ

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。