ものづくり補助金平成28年度製造業和歌山県

発酵技術を駆使した原材料内製化による無添加甘酒の製造プロセスの変革

有限会社樽の味

成果出荷本数 10,000本→20,000本

この事例のポイント

  • 甘酒の人気拡大により需要が急増したが、原料となる米麹の仕入れに限界があり、外注先も供給量が不足していた。
  • 米麹の自社生産に必要な設備として、洗米機、蒸米機、放冷機、発酵機、乾燥機、ボイラーの6機種を導入し、洗いから乾燥までを内製化した。
  • 出荷本数 10,000本→20,000本。米麹の内製化により出荷本数が月1万本から約2万本へ倍増し、安定供給が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社樽の味
所在地和歌山県 御坊市
業種食料品製造業
技術分野バイオ
従業員数20人
資本金300万円
設立1999年

事業の背景

平成11年設立の漬物製造業者で、180日以上かけて発酵させる無添加の漬物を製造・販売している。看板商品は長期熟成発酵法による「古漬け沢庵」で、その製造過程で生まれる発酵済みのぬかを使った「甘酒・発酵キット」を販売していた。購入者の要望を受けて甘酒そのものを商品化したところ、発売と同時に空前の甘酒ブームが起きた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力甘酒の人気拡大により需要が急増したが、原料となる米麹の仕入れに限界があり、外注先も供給量が不足していた。
  • 納期・工程米麹を自社で確保できず、欠品によるチャンスロスが発生していた。

やったこと

米麹の自社生産に必要な設備として、洗米機、蒸米機、放冷機、発酵機、乾燥機、ボイラーの6機種を導入し、洗いから乾燥までを内製化した。導入に先立ち、東北の同業者に依頼して米麹づくりの基本工程を研修で学んだ。機械の種類、気候、原料米などの違いから導入当初は試行錯誤を重ねたが、社内の漬物づくりの技術者が集まり、和歌山の気候や風土に合わせた米麹づくりに取り組んだ。その結果、糖度や味わいに満足できる、より精度の高い米麹の生産に成功した。

  • その他洗米機蒸米機放冷機発酵機乾燥機ボイラー

新しい製品・サービス:新シリーズ「幸せ食生活」として、米麹で作った無添加の「ホワイトソース」と「麹の鍋つゆ」を開発・発表した。

事業の効果

  • 出荷本数 10,000本→20,000本

米麹の内製化により出荷本数が月1万本から約2万本へ倍増し、安定供給が可能になった。甘酒の利益率が大きく改善し、受注から発注までの大幅な短納期化も実現した。楽天の甘酒ジャンルでデイリーランキング1位を獲得するなど販売も好調で、米麹を活用した新製品の開発にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.3 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性空前の甘酒ブームで需要に供給が追いつかず、自社で米麹を内製化して強みを作り、楽天デイリーランキング1位を獲得している。
  • 4
    課題の認識と解決米麹の仕入れ限界という課題を特定し内製化で解決、月1万本から2万本の出荷倍増と利益率改善を実現している。
  • 4
    新しさ・高付加価値無添加の発酵技術を生かし、米麹を使ったホワイトソースや鍋つゆなど、米麹の新しい使い方で高付加価値な新製品を展開している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    イノベーションへの貢献発酵技術の活用は触れているが、デジタル技術や地域サプライチェーンへの貢献としての記述は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    無添加の昔ながらの製法で沢庵を作り、そのぬかから甘酒キットを商品化、要望を受けて甘酒を開発と既存事業の延長に位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    空前の甘酒ブームで需要に供給が追いつかず、自社で米麹を内製化して強みを作り、楽天デイリーランキング1位を獲得している。

  • 課題の認識と解決4

    米麹の仕入れ限界という課題を特定し内製化で解決、月1万本から2万本の出荷倍増と利益率改善を実現している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    従来月1万本の出荷を2倍の約2万本で安定出荷し、目標達成の実績が示されている。ただし今後の目標値は明示されていない。

  • 事業を進める体制3

    東北の同業者に研修を受け、社内の漬物づくりのプロが集まって試行錯誤を重ね、米麹生産を確立している。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    無添加で本物の味を届ける点や、アレルギーに困る人の助けになる点を示し、顧客ニーズとの結びつきが読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    導入前に基本工程を研修で把握し、導入後に地域気候に合わせて調整する課題解決の流れが書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    無添加の発酵技術を生かし、米麹を使ったホワイトソースや鍋つゆなど、米麹の新しい使い方で高付加価値な新製品を展開している。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用3

    米麹を原材料として多岐にわたる食品へ展開し、アレルギーで困る人の助けになる新たな需要を創出する点が読み取れる。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献2

    発酵技術の活用は触れているが、デジタル技術や地域サプライチェーンへの貢献としての記述は薄い。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    御坊市の地場の漬物会社が和歌山の気候に合わせた米麹生産を確立し、出荷を倍増させて地域の高付加価値事業となっている。

今後の展望

甘酒ブームは落ち着きつつあるが、米麹は多様な食品の原材料として使えるため、新製品開発を進めて米麹の新しい使い方を模索している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。