ものづくり補助金平成28年度製造業岡山県

形状測定技術及び精密溶解技術の獲得による、人工関節部品の製造開始

有限会社備前精機

成果幅350ミリメートルまで加工が可能

この事例のポイント

  • 工場の工作機械が汎用機中心で、社員が図面を見て加工する方式のため、加工の効率化と精度向上が求められていた。
  • 2017年に医療関連の金属加工の効率化と精度向上を目的として、2台の装置を導入した。
  • 幅350ミリメートルまで加工が可能。大型の手術用機械や自動車関連の大型部品など、これまで対応できなかった大型部品の加工が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社備前精機
所在地岡山県 瀬戸内市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工,測定計測
従業員数30人
資本金800万円
設立1984年

事業の背景

備前精機は1984年の設立以来、精密な金属加工に特化し、自動車関連を中心に事業を展開してきた。1個から受注する多品種少量生産で、汎用の旋盤やフライス盤を多数備えた工場で社員が図面を見ながら加工している。現在の事業は自動車関連が50%、半導体製造装置20%、医療関連15%、残り15%はさまざまな業種で、業種による景気の波を補完する体制を築いている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能工場の工作機械が汎用機中心で、社員が図面を見て加工する方式のため、加工の効率化と精度向上が求められていた。
  • 品質・精度加工後の品質検査を社員がマイクロメータで行っており、測定精度の引き上げと機械化が必要だった。

やったこと

2017年に医療関連の金属加工の効率化と精度向上を目的として、2台の装置を導入した。1台目は旧型より大型の加工ができる新型のワイヤ放電加工機で、従来より大きい1.7倍程度の大きさに対応し、幅350ミリメートル、奥行き500ミリメートルまで加工が可能になった。ワイヤ放電加工機は0.001ミリメートル単位の加工ができる。2台目はドイツ製の三次元測定機で、加工後の品質検査を社員によるマイクロメータ測定から機械化し、測定精度も引き上げた。

加工機ワイヤ放電加工機(新型)
検査測定三次元測定機(ドイツ製)

事業の効果

  • 幅350ミリメートルまで加工が可能
  • 奥行き500ミリメートルまで加工が可能
  • 放電加工機の大型化 1倍→1.7倍

大型の手術用機械や自動車関連の大型部品など、これまで対応できなかった大型部品の加工が可能になった。三次元測定機の導入により計測データに基づいて納入できるようになり、顧客からの信頼向上が期待されている。加工精度と品質検査の精度が高まり、医療関連の加工を効率化した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1984年設立以来の精密金属加工に特化した事業経緯と、ワイヤ放電加工機・三次元測定機導入が強み強化に位置づけられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    顧客業種が自動車50%、半導体製造装置20%、医療15%と分散し、1個から受注する多品種少量の強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    社員が図面を見て手作業で検査していた工程を機械化し測定精度を上げる課題認識がある。ただし付加価値向上の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    30人の社員と汎用機で加工する技術者集団で、図面を読む技量習得も行っているが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大型手術用機械や自動車大型部品に対応できる点と、短納期・計測データに基づく納入という選ばれる理由が書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は規模拡大を追わず技術者集団として展開する方針のみで、導入後の実施スケジュールや課題解決方法は読み取れない。

  • 財務と資金の調達2

    売上高4億円と資本金800万円の記載はあるが、資金調達の見込みや財務状況の確保は読み取れない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    人工関節部品など精密医療機器の加工に取り組むが、分野の普及度や高価格化の水準は具体的に書かれていない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果2

    導入により測定精度を引き上げ、大型加工に対応するとあるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    三次元測定機によるデータ活用は書かれているが、サプライチェーンのイノベーションへの貢献は明示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療関連や半導体製造装置など成長分野への展開がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    岡山県内の立地と顧客がほとんどとあり地域との関わりはうかがえるが、雇用創出や地域成長を牽引する記載は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も規模の拡大は追わず、顧客の要望に応えられる技術者集団として事業を展開していく方針である。

事業者の声

計測データに基づいて納入できるようになった

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。