ものづくり補助金平成28年度製造業広島県

切削加工機械導入による品質・生産効率の向上を通じた独自技術の発展

池田工業有限会社

成果不良率 0.34%→0.1%

この事例のポイント

  • 切粉の除去方法が一つしかなく目に見えない切粉を除去できないため精度が劣っていた。
  • ブラザー工業(株)製のツール洗浄機能のあるコンパクトマシニングセンターを導入し、切粉を自動で除去できるようにした。
  • 不良率 0.34%→0.1%。切粉を自動で完全に除去できるようになり、機械を止めずに新しい部品の加工ができるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名池田工業有限会社
所在地広島県 府中市
業種非鉄金属製造業
技術分野情報処理,精密加工
従業員数34人
資本金400万円
設立1961年

事業の背景

創業60年を迎えた会社で、創業時からリョービ㈱より品質・納期の面で高い評価を受けてきた。品質マネジメントシステムISO9001に沿って品質管理体制を整備・運用しており、高精度加工に強みを持つ。EV部品は国内で当社しか受注していない製品で、海外生産から国内へ移行する機会に対応する必要があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度切粉の除去方法が一つしかなく目に見えない切粉を除去できないため精度が劣っていた。
  • 品質・精度テーパに切粉が付着することにより不良品が発生していた。
  • 生産能力切粉の除去に数十分機械を止める必要があり、新たな部品を加工できなかった。
  • 生産能力設備の老朽化により不良率が増加し、生産スピードが落ちていた。
  • その他機械設備と生産設備が接続されていないため、生産工程の管理と生産指示に問題があった。
  • 品質・精度EV部品加工では工程内不良が多く発生し、製品の均一化ができない状態だった。

やったこと

ブラザー工業(株)製のツール洗浄機能のあるコンパクトマシニングセンターを導入し、切粉を自動で除去できるようにした。導入にあわせて作業員のトレーニングを行った。テスト加工では加工寸法部位の工程能力N=30が規格内に収まることと、生産スピードを20%向上させることを目的とした。自社設計の治具と刃物に加え、円テーブルを付帯させて4面加工を可能にした。社内LANで生産システムと加工機を接続し、加工プログラムの管理を効率化した。

加工機ブラザー工業(株)製 ツール洗浄機能のあるコンパクトマシニングセンター
その他円テーブル
ソフト生産システムと加工機を接続する加工プログラム管理の仕組み

事業の効果

  • 不良率 0.34%→0.1%
  • 不良率 0.12%→0%
  • 生産個数 8個/時間→10個/時間

切粉を自動で完全に除去できるようになり、機械を止めずに新しい部品の加工ができるようになった。不良発生のない生産加工体制と加工時間の短縮が同時に実現し、生産性が向上した。不良率と生産個数の改善により、EV部品の品質を均一化できるようになった。展示会への出展を通じて高い技術力を示すことができ、新規の引き合いも得られた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性2

    創業60年・リョービ㈱からの評価や熟練作業員の存在はうかがえるが、経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内唯一のEV部品を当社独自ノウハウで加工し、日本で1社しか受注していない点が強みとして具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決5

    不良率0.34%を0.1%に、生産個数を1時間8個から10個に増やす目標と実績が数字で示され、課題と解決策が対応している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    生産スピード20%向上の目標に対し生産個数8→10個、不良率0.12%→0.0%と数値で達成が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員平均年齢42.5歳、熟練作業員や定期訓練が記載されているが、補助事業の遂行体制としての具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    国内唯一のEV部品という顧客ニーズと引き合い数件は読み取れるが、ターゲット顧客の整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    テーパへの切粉付着や段取りの課題、テスト加工の実施は書かれているが、中長期の遂行スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    EV部品の加工で国内唯一・日本で1社のみの受注という高付加価値・独自性が具体的に記載されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    海外生産から国内移行する機会への対応とされるが、雇用創出や波及効果の記述は限定的である。

  • 費用対効果4

    不良率と生産個数の改善という定量的な効果が示され、投入額対効果の裏付けは読み取れるが投入額は記載なし。

  • イノベーションへの貢献2

    社内LANで生産システムと加工機を接続し加工プログラムを管理したとあるが、イノベーションへの貢献は限定的。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    EV部品という成長分野への関与がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は明確でない。

  • 地域経済への波及2

    広島県府中市の事業者であることは書かれているが、地域特性を活かした地域成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

EV部品加工だけでなく、さまざまな非鉄金属製品の加工で当社の優位性を高め、新規受注の拡大に積極的に取り組める体制になった。2019年2月に東京ビッグサイトで開催された展示会に出展し、新規取引先との受注には至っていないものの、数件の引き合いを得た。今後の事業拡大につながると期待している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。