ものづくり補助金平成24年度福岡県

座位保持装置用角度調整部品の試作開発

株式会社有薗製作所

この事例のポイント

  • 既存の座位保持装置用角度調節部品は強度の観点から金属製で、重量とデザイン性に課題があった。
  • スーパーエンジニアリングプラスチックを採用し、軽量化とデザイン性の向上を図った座位保持装置用角度調節部品を使用したアームサポートを試作した。
  • スーパーエンジニアリングプラスチック製の軽量な角度調節部品を使用したアームサポートを開発できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社有薗製作所
所在地福岡県 北九州市
業種業務用機械器具製造業
技術分野金型
従業員数180人
資本金4,000万円

事業の背景

座位保持装置は医師の処方に基づき補装具製作業者が製作する機器である。平成20年度の給付件数は10,473件、交付金額は3,128,400千円で、市場は拡大傾向にある。耐用年数が3年と定められているため需要は安定している。既存部品は金属製で、利用者からも改善を期待する声が聞かれていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存の座位保持装置用角度調節部品は強度の観点から金属製で、重量とデザイン性に課題があった。
  • 新製品・新技術過去に樹脂製の部品を試作したが強度不足となった経緯があった。
  • コスト・採算多品種少量の市場であり、開発に掛けられるコストは限られていた。

やったこと

スーパーエンジニアリングプラスチックを採用し、軽量化とデザイン性の向上を図った座位保持装置用角度調節部品を使用したアームサポートを試作した。開発の生産性を高めるため、3DCADで設計した部品を3Dプリンタで造形して組み合わせを確認し、歯車と歯車ケースの嵌合に問題があったため5種類の歯車を設計して確認した。合格した設計データは外部委託で強度解析を行い、過去の不足品も含めて解析結果をもとに設計変更した。その後切削加工で試作し、座位保持装置部品の認定基準及び基準確認方法(改訂2版)に基づく強度試験を行い、問題ないと判断して金型を製作し射出成形による最終試作品を製作した。

新しい製品・サービス:スーパーエンジニアリングプラスチック製の軽量な座位保持装置用角度調節部品を使用したアームサポート

事業の効果

スーパーエンジニアリングプラスチック製の軽量な角度調節部品を使用したアームサポートを開発できた。金属製と比べて部品の一体感が向上しデザインも良くなった。強度試験と最終試作品の強度試験に合格し安全性も証明できた。今後は利用者によるテストと展示会出展で認知度向上を図り、2年目までに厚生労働省認可の完成品部品として登録を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    事業化までの道筋設計、3Dプリンタ造形、強度解析、切削試作、金型製作、射出成形と工程とスケジュールの流れが具体的に示されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値座位保持装置部品は多品種少量の市場で、スーパーエンジニアリングプラスチックによる軽量・デザイン性の高い製品として高付加価値化を図る内容が読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    強み・弱みを踏まえた優位性金属製が定着した市場で重量やデザインの改善が望まれると述べるが、自社の強みや競争優位の記述は読み取れない。
経営戦略との整合性2.7
  • これまでの取組との一貫性3

    過去に試作して強度不足となった経緯があり、その再挑戦として位置づけられているが、経営戦略上の明確な位置づけは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    金属製が定着した市場で重量やデザインの改善が望まれると述べるが、自社の強みや競争優位の記述は読み取れない。

  • 課題の認識と解決3

    重量・デザイン・強度の課題認識と、3DCADや3Dプリンタで開発生産性を上げる方針は書かれているが、高付加価値化や成長への数値的見通しは薄い。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    販売目標を年間100台、販売価格を21千円から42千円と示すが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    3DCADの実技トレーニングを積んできたことや設計から試験まで工程を進めた記述はあるが、人材や事務体制の詳細は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    軽量化とデザイン性向上、利用者の改善要望が価値として書かれ、顧客は利用者と示されているが、選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    設計、3Dプリンタ造形、強度解析、切削試作、金型製作、射出成形と工程とスケジュールの流れが具体的に示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    座位保持装置部品は多品種少量の市場で、スーパーエンジニアリングプラスチックによる軽量・デザイン性の高い製品として高付加価値化を図る内容が読み取れる。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    市場は拡大傾向で給付件数が約10,473件と示されるが、波及効果や雇用創出の記述は読み取れない。

  • 費用対効果2

    開発コストが限られる中で3Dプリンタ活用による開発生産性向上をめざすとあるが、補助金額に対する費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    3DCADや3Dプリンタの活用は書かれるが、地域やサプライチェーンへの波及・イノベーションとしての記述は薄い。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    北九州市八幡東区の所在は書かれるが、地域の特性を活かした雇用創出や成長への言及は読み取れない。

今後の展望

事業終了後は利用者に実際に使用してもらうテストを実施し、展示会へ出展して認知度向上に努める。2年目までを目途に厚生労働省認可の完成品部品として登録できるよう申請を進める。登録まではテスト販売とし、当面の販売目標は年間100台分とする。

  • 目標:販売価格 21千円→42千円

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。