ものづくり補助金平成28年度製造業愛媛県

大ロット生産型家具の生産性および品質の向上とオーダー家具市場への進出

有限会社阿部木工

成果設計図作成時間 90分→16分

この事例のポイント

  • 大ロット生産における設計図作成に多くの時間がかかっていた。
  • ネットワーク連携に対応した3D/CADソフト「WoodCAD/CAM」を導入し、パラメトリックなデザイン設計と設計データの蓄積により、3Dイメージでの構想実現と製造工程の自動化を…
  • 設計図作成時間 90分→16分。3D/CADによる設計図作成が大幅に短縮され、他の図面も同様の効果が得られた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社阿部木工
所在地愛媛県 松山市
業種家具・装備品製造業
技術分野機械制御,情報処理
従業員数17人
資本金300万円
設立1953年

事業の背景

建築家具事業として公共施設・病院什器・店舗什器・一般住宅向けの特注家具を制作・取付けしている。近年は一軒家・マンションを建てる際に家具を同時に注文する需要や、施設・店舗の現場や構造に合わせた取付家具の需要が増えている。現在はハウスメーカーや工務店などの一般顧客向けオーダー家具市場には取引がない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大ロット生産における設計図作成に多くの時間がかかっていた。
  • 生産能力人手に依存した現場作業の生産効率が悪かった。
  • 品質・精度精度・品質が低かった。

やったこと

ネットワーク連携に対応した3D/CADソフト「WoodCAD/CAM」を導入し、パラメトリックなデザイン設計と設計データの蓄積により、3Dイメージでの構想実現と製造工程の自動化を進めた。あわせてCNCマシニングセンター「Venture115」を導入した。このマシンは3次元での加工面自動調整と垂直水平方向の同時加工が可能で、組み込み部分の調整作業も自動化できる。これによりズレや加工ミス等を解決し、やり直しや修繕業務もなくなった。

ソフトWoodCAD/CAM
加工機Venture115

事業の効果

  • 設計図作成時間 90分→16分
  • 加工作業時間 450分→300分
  • 作業人数 3名→1名

3D/CADによる設計図作成が大幅に短縮され、他の図面も同様の効果が得られた。CNCマシニングセンターにより3つに分かれていた工程を一括かつ3次元加工で高品質にでき、加工時間の短縮と少人数化が実現した。未経験者も約1週間の研修で操作できるようになった。データ蓄積により今後さらに時間短縮が進むと見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の取組との一貫性は書かれていないが、大ロット生産の課題を受けて設備導入し、ハウスメーカー市場へ進出する流れは示されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ハウスメーカーや工務店を通じた家具購入の傾向に触れ、3Dイメージ提案を強みとして打ち出す方針が書かれているが、市場データは示されていない。

  • 課題の認識と解決5

    設計図作成に約90分かかっていたものが約16分になり、加工は450分から300分へ150分削減と、課題と数字による効果が具体的に示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間の削減や図面作成の効率化など数値の成果は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制4

    3名で行っていた業務を1名で可能にし、未経験者も1週間程度の研修で操作できると書かれており、人材面の体制が具体的に読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    3Dイメージによる企画提案と高品質・短期納品を打ち出す方針が書かれているが、顧客ターゲットの裏付けデータは乏しい。

  • 事業化までの道筋3

    今後の活動予定として既存取引先への提案やハウスメーカーへの営業開拓が時系列で書かれているが、スケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    3Dデータ連携の家具製造という点は読み取れるが、分野の普及度や高付加価値化の水準を示す記述は薄い。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用2

    地域の事業者として松山市の施設や住宅向けに家具を供給する点がうかがえるが、波及効果や雇用創出の数字は書かれていない。

  • 費用対効果4

    加工時間150分削減や3名から1名への省人化、図面作成の大幅短縮など、費用対効果を裏付ける数字が示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    ネットワーク連携の3D/CADソフトと木工機械の連動により製造工程を自動化しており、デジタル技術の活用が具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    愛媛県松山市の地域企業として地元の施設や住宅向けに事業を展開しているが、地域特性を活かした成長の記述は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

大ロット生産型家具の受注体制が整ったため、既存取引先への提案と新規受注の拡大を進める。また一般顧客向けのハウスメーカー・工務店への営業開拓を行い、3Dイメージでの企画・設計提案と高品質商品の短期納品を前面に打ち出す。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。