ものづくり補助金平成25年度製造業富山県

NC加工機と自動位置決めパネルソーによる製造工程集約と生産性の向上

usuiworks株式会社

成果生産効率は3割ほど向上した

この事例のポイント

  • ものづくりの現場では熟練工が一つひとつ穴あけ加工しており、同じ穴あけパネルを均一な品質で大量に作ることが難しかった。
  • NC加工機と自動位置決めパネルソーを導入し、製造工程を集約した。
  • 生産効率は3割ほど向上した。生産効率が約3割向上し、煩雑な確認事項が減り、作業者の心理的負担も軽減された。

事業者のプロフィール

事業者名usuiworks株式会社
所在地富山県 富山市
業種家具・装備品製造業
技術分野精密加工,製造環境
従業員数18人
資本金1,000万円
設立1934年

事業の背景

昭和9年創業の木材加工業者で、平成に入ると公営住宅の建設が減り、和室のない住宅の増加やアルミサッシの普及で建具の需要も大幅に減った。そこで施設やマンションで採用が増えつつあった造作家具の製造に軸足を移し、首都圏のマンション、オフィス、ホテル、公共施設などへ納入している。首都圏のマンション建設ラッシュの中で、ウォークインクローゼットなどが標準的に備えられ、システム収納家具の需要が増加し、当社も堅調に受注を伸ばしてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ものづくりの現場では熟練工が一つひとつ穴あけ加工しており、同じ穴あけパネルを均一な品質で大量に作ることが難しかった。
  • 品質・精度寸法を目視で合わせて加工していたため、加工する人によって寸法が若干変わってしまう恐れがあり、誤差が生じて微調整が必要になることがあった。
  • コスト・採算主要納入先の首都圏まで運送コストがかかるため、製造工程の見直しで生産効率を高めてそのコストを吸収する必要があった。

やったこと

NC加工機と自動位置決めパネルソーを導入し、製造工程を集約した。NC加工機により、パネルへの複数の穴あけ加工を高精度かつ効率的に行い、同じ穴あけパネルを均一な品質で大量製造できるようにした。自動位置決めパネルソーは、数字を入力するだけで材料を正確かつスピーディーに無駄なく切断できる設備で、これまで目視で合わせていた寸法加工を置き換えた。両設備の導入により生産効率は3割ほど向上した。

加工機NC加工機
加工機自動位置決めパネルソー

新しい製品・サービス:パネル状の部材を現場で組み立てるタイプのシステム収納家具

事業の効果

  • 生産効率は3割ほど向上した
  • 材料を1㎜単位で誤差なく加工できるようになった

生産効率が約3割向上し、煩雑な確認事項が減り、作業者の心理的負担も軽減された。作業者のスキルレベルによる精度や作業時間のばらつきもなくなり、複数の従業員が操作や管理に携わって1人が複数の工程を担当できるようになり、多能工化と臨機応変な人材配置が可能になった。生産効率の向上により200戸を超すマンションなどの大型案件や、複数の案件の同時受注も可能になり、高精度が求められるモックアップの依頼も受けられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    昭和9年の木材加工業から、平成15年頃のシステム収納家具への本格参入まで経緯が書かれ、過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    首都圏マンションラッシュによる需要増と、NC加工機導入でコストを抑え大口受注も可能になった点が書かれ、外部環境と強みが示されている。

  • 課題の認識と解決4

    目視での寸法合わせや誤差による微調整という課題を示し、導入で生産効率が3割ほど向上し200戸超の案件を受注できるようになったと書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産効率3割向上という数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の判断材料が薄い。

  • 事業を進める体制3

    1人が複数工程を担当できる多能工化や忙しい工程への人材配置が書かれているが、事務処理能力や遂行体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    規格寸法と客先要望への柔軟な対応、首都圏のマンションやホテル等への納入実績、モックアップ受注などが書かれ、顧客像が読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として少人数での製品開発や高付加価値商品の供給が書かれているが、スケジュールや遂行方法の具体的記載はない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    システム収納家具は普及が進んだ分野と書かれ、同分野での高精度・高付加価値化への取組は読めるが、市場の普及度の数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    人材確保の困難や少人数での製品開発が書かれているが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は読み取れない。

  • 費用対効果3

    補助金で生産効率が3割ほど向上し作業時間や誤差のばらつきも減ったと書かれているが、投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    NC加工機と自動位置決めパネルソーという高性能設備の活用が書かれているが、サプライチェーン全体への貢献や新ビジネスモデルは読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    公営住宅の減少を受けてマンションやオフィス向け造作家具へ軸足を移したと書かれ、市場変化への対応は読み取れる。

  • 地域経済への波及2

    首都圏への納入実績は書かれているが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済の牽引に関する記載は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

パネル状の部材を現場で組み立てるシステム収納家具を展開し、規格寸法をメインとしつつ客先の要望にも柔軟に応じ、価格を抑えながら機能面と品質の向上に努める。人材確保が困難になる中、マンパワーに頼るだけでなく高性能な設備も積極的に活用し、少人数でもオリジナリティある製品の開発、生産を目指す。システム収納を受注した流れで造作家具や建具の依頼にも応じ、木材加工の技術とノウハウを基に付加価値の高い商品を供給し続ける。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。