ものづくり補助金平成28年度製造業高知県

産業用ロボット向け部品市場獲得へ向けた高精度歯車部品の量産体制確立

有限会社繁春鉄工所

成果工程数 7工程→4工程

この事例のポイント

  • 農業機械関係の部品加工に売上の多くを依存しており、1つの分野だけに頼る経営では社会情勢によって売上が左右されるリスクがあった。
  • 産業用ロボット向けギア部品の量産体制を確立するため、高精度加工が可能なローダー付CNC複合旋盤(DMG森精機製NLX2000/500〈PremiumDesign〉、ミーリング仕様…
  • 工程数 7工程→4工程。工程が1台に集約されてチャッキングの回数が減り、より高精度な製品を生産できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社繁春鉄工所
所在地高知県 南国市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数68人
資本金500万円
設立1984年

事業の背景

創業は1966年で、大手農機メーカーのコンバインやトラクター等の部品加工と量産に携わり、技術を磨いて受注を増やしてきた。そのため売上の多くを農業機械関係の部品加工が占めていた。建設機械メーカーからの依頼で高精度なギア部品を製造した実績があり、産業用ロボットは我が国を代表する成長分野である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑農業機械関係の部品加工に売上の多くを依存しており、1つの分野だけに頼る経営では社会情勢によって売上が左右されるリスクがあった。
  • 販路・情報発信多岐にわたる分野をカバーして事業の幅を広げる必要があり、新分野への進出を目指していた。
  • 生産能力産業用ロボット向けギア部品の量産打診を受けたが、工程数が多い部品を量産するには既存設備では追いつかなかった。
  • 品質・精度工程ごとに機械が分かれているため、チャッキングのたびに中心軸がずれ、直角度・同軸度・同心度の高精度を維持することが難しかった。

やったこと

産業用ロボット向けギア部品の量産体制を確立するため、高精度加工が可能なローダー付CNC複合旋盤(DMG森精機製NLX2000/500〈PremiumDesign〉、ミーリング仕様)を導入した。切削や孔開加工を同時に行える複合機で、数値制御により1000分の1mm単位で正確にコントロールできる。本機1台で全工程を完了できるようになり、チャッキングの回数が減少して製品の精度が向上した。直径は最小8mm、薄さは3mmまで加工可能である。

加工機ローダー付CNC複合旋盤(DMG森精機製NLX2000/500〈PremiumDesign〉、ミーリング仕様)

新しい製品・サービス:産業用ロボット向け高精度歯車部品(ギア部品)

事業の効果

  • 工程数 7工程→4工程
  • 100個の製造に必要な日数 2日→1日
  • 加工時間/100個あたり 14.5時間→7.5時間
  • 1日あたり生産可能数 50個→300個
  • 不適合品発生率 2%→0.5%

工程が1台に集約されてチャッキングの回数が減り、より高精度な製品を生産できるようになった。工程効率化により量産体制が確立し、リードタイムの大幅な短縮とコスト削減にもつながった。納期やコストでも他社との競争力が強化された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    農機・建機部品の加工実績とギア部品の受注経緯が書かれ、新分野開拓を経営理念の挑戦と結びつけて位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    農業機械への依存によるリスクと、建機向け高精度ギア実績を強みとする記述はあるが、市場動向の数値はない。

  • 課題の認識と解決4

    工程数7→4、加工時間14時間30分→7時間30分、不適合品率2%→0.5%など、課題と効果の数字が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産可能数50個→300個、生産性6倍、不適合品率0.5%への抑制目標など数値目標が具体的に示されている。

  • 事業を進める体制3

    若手技術者の社内教育やメーカースクール参加、ポリテクカレッジでの指導に触れているが、補助事業の遂行体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    直角度・同軸度・同心度など求められる精度を明示し、ロボット部品市場で他社との競争力を強める理由を述べている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の活動予定として中物・大物部品への挑戦に触れるが、遂行スケジュールや課題解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    高精度歯車部品の量産を、世界有数の成長分野である産業用ロボット市場で展開する点が示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    産業用ロボットは我が国の主軸となる分野とされるが、波及効果や雇用創出への言及は具体性が薄い。

  • 費用対効果3

    生産性やリードタイムの改善は数字で示されるが、補助金額に対する付加価値増加の費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    若手技術者育成やポリテクカレッジでの指導に触れるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    産業用ロボットを成長分野と位置付け、単一分野依存からの転換を目指す点はうかがえるが、構造転換との関連は明示されない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

小物ギア中心から、30〜50kg級の中物・大物部品にも挑戦していきたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。