ものづくり補助金平成28年度製造業福岡県

複雑形状パイプフレームの3次元自動加工技術開発事業

九州特殊メタル工業株式会社

成果作業時間 120分→60分

この事例のポイント

  • パイプ鋼材の切断作業には熟練技術が必要で、その大部分をベテラン従業員が手作業で行っており、生産リードタイムの約50%を占めていた。
  • 最新のパイプコースターを導入し、丸いパイプ鋼材を3次元プラズマ切断できる体制を整えた。
  • 作業時間 120分→60分。3次元自動加工により、従来120分を要した作業が60分に短縮され、生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名九州特殊メタル工業株式会社
所在地福岡県 太宰府市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数21人
資本金1,000万円
設立1983年

事業の背景

当社は橋梁やトンネル、防波堤などの基礎構造として用いられる鋼製ケーソンの枠型の製造を手掛けてきた。現在は道路標柱や信号柱、空港ターミナルや航空機の格納庫の天井梁などの躯体構造物を製造している。道路標柱の大型化や交差点などへの監視カメラ柱の需要が増えている。建築やデザイン技術の進化により、パイプフレームの形状は益々複雑化している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能パイプ鋼材の切断作業には熟練技術が必要で、その大部分をベテラン従業員が手作業で行っており、生産リードタイムの約50%を占めていた。
  • 納期・工程建築コストの削減や工期の短縮に伴い、パイプフレーム加工においても価格や納期への要求が厳しくなっていた。
  • 人手・技能ベテランが持つ加工技術やノウハウが形式知化されておらず、若手への継承が課題となっていた。

やったこと

最新のパイプコースターを導入し、丸いパイプ鋼材を3次元プラズマ切断できる体制を整えた。従来は形状を印刷・けがきしたのち手作業で切断と仕上げを行っていたが、径や肉厚、R、角度などを装置に自動入力するだけで展開図が自動作成される仕組みとした。自動作成された展開図を基に3次元プラズマ切断を行い、従来120分を要していた作業を60分に短縮した。切断精度も向上し、歩留まり改善による収益性の向上につながった。

加工機パイプコースター(3次元プラズマ切断対応)

新しい製品・サービス:複雑形状パイプフレームの3次元自動加工技術

事業の効果

  • 作業時間 120分→60分

3次元自動加工により、従来120分を要した作業が60分に短縮され、生産性が向上した。平均納期も4割削減できた。切断精度が上がり、歩留まりが改善して収益性も高まった。ベテランの加工技術を形式知化して若手に継承でき、残業時間や年間休日数の改善にもつながり、従業員のモチベーションも高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    道路標柱や鋼製ケーソン製造など従来の技術を活かした事業とされるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    価格や納期への要求が厳しくなっているとの外部環境にわずかに触れるのみで、競争優位性の根拠は示されていない。

  • 課題の認識と解決5

    パイプ切断の手作業が生産リードタイムの約50%を占めたという課題を示し、3次元プラズマ切断で作業120分が60分に短縮、納期平均4割削減と数字で実効性を示している。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    切断加工時間の半減や納期4割減など具体的な改善目標と実績が示されており、実現性が読み取れる。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員21人規模で、外国人労働者の受入れ開始やベテランのノウハウ継承にわずかに触れるのみ。体制の詳細は不明。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    社会インフラ向けパイプフレームの需要増加は読み取れるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入設備と時期は示されているが、中長期の検証や遂行スケジュールの詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    複雑形状のパイプフレーム加工は高付加価値とうかがえるが、市場の普及度や高価格化の具体的数字は示されていない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    橋梁、トンネル、防波堤など社会インフラを支える製造と記述されるが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果4

    作業時間の半減、納期4割減、歩留まり改善による収益性向上など、設備投資に対する効果が具体的な数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    3次元自動加工という先端的な加工技術の導入は読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    建築やデザインの進化による複雑化に触れるが、日本経済の構造転換への言及はわずかである。

  • 地域経済への波及2

    福岡県太宰府市の地域企業とわかるが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は限定的である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。