ものづくり補助金平成28年度製造業長崎県

女性向けフルーティな香りの「花酵母」の生産能力を向上し競争力を強化する

合資会社吉田屋

成果吟醸酒の生産能力 125%拡大

この事例のポイント

  • 従来の蒸米機にはドレン抜き機能がないため、米の位置によってムラができ、ベストな蒸米といわれる「外硬内軟」の状態にならなかった。
  • 新たに導入した蒸米機は、ドレン抜きをはじめ多様な機能を備えた新型機で、外硬内軟の蒸米の製造を可能にした。
  • 吟醸酒の生産能力 125%拡大。蒸米機とサーマルタンクの導入により、外硬内軟の蒸米が製造できるようになり、清酒の品質が向上して品質が格段に安定した。

事業者のプロフィール

事業者名合資会社吉田屋
所在地長崎県 南島原市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境,バイオ
従業員数5人
資本金1,000万円
設立1917年

事業の背景

全国でも数少ない「撥ね木搾り」技法で酒造りを行い、搾りきらないことで純な味わいの酒を生み出している。県内で唯一「花酵母」を使った酒造りにも取り組み、アベリア、ひまわり、なでしこ、つるばら、日々草、桜の6種類の花酵母を使った香り豊かな酒は女性のファンを増やしている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度従来の蒸米機にはドレン抜き機能がないため、米の位置によってムラができ、ベストな蒸米といわれる「外硬内軟」の状態にならなかった。
  • 品質・精度もろみの温度管理はタンクの周囲に冷水をまわして調整しており、もろみの状態に応じて細かく温度を変えることができなかった。
  • 生産能力温度管理が難しく、吟醸酒・大吟醸酒の仕込みは1月〜3月上旬に限られていた。

やったこと

新たに導入した蒸米機は、ドレン抜きをはじめ多様な機能を備えた新型機で、外硬内軟の蒸米の製造を可能にした。1回に蒸せる白米の量が90%ほど増えたため、1本のもろみの量を増やして生産性を高めた。さらに自動温度制御の発酵槽(サーマルタンク)を導入し、外気温に左右されず、もろみの温度を細かく管理できるようにした。密閉型で香りが飛散しない構造でもある。

加工機蒸米機(ドレン抜き機能などを備えた新型機)
加工機自動温度制御発酵槽(サーマルタンク)

事業の効果

  • 吟醸酒の生産能力 125%拡大

蒸米機とサーマルタンクの導入により、外硬内軟の蒸米が製造できるようになり、清酒の品質が向上して品質が格段に安定した。1回に蒸せる白米の量が増え、1本のもろみの量を増やせるため生産性も向上した。温度管理が容易になり、従来の1月〜3月上旬に限られていた吟醸酒・大吟醸酒の仕込みを前後の時期でも行えるようになり、生産量が増えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    花酵母や撥ね木搾りという伝統技法を活かした酒造りの延長線上で設備投資をしたことは読めるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    女性向けフルーティーな香りの酒で女性ファンを増やしている点や、ネット通販・東京での販売強化は読み取れるが、市場分析や競争環境の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    蒸米のムラや温度管理の課題を明示し、蒸米機とサーマルタンク導入で解決する流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    吟醸酒の生産能力が125%拡大と数字で目標・成果が示されており、実現性の根拠も蒸米機の処理量増加で示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員数5名とあるのみで、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    女性が好む香りの酒や可愛いデザインのラベルなど、顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として販売強化やラベル工夫は書かれるが、遂行スケジュールや課題解決の方法は明確に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    花酵母を使った酒は県内で唯一と書かれ、同分野で高付加価値の独自性を持つことが具体的に読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の酒造りや県内唯一の取組という記述はあるが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果4

    生産能力125%拡大と1本のもろみ量増加による生産性向上が数字で示され、費用対効果の根拠がある。

  • イノベーションへの貢献2

    自動温度制御など機器の活用は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献としての記述は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    南島原市有家町の酒蔵で、県内唯一の花酵母酒を造る地域性は読めるが、地域経済の牽引効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

生産量が増えた分、東京をはじめネット通販での販売にも力を入れていく。女性が好む可愛いデザインのラベルを使用するなど工夫を凝らし、さらなる女性の清酒愛飲市場の開拓を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。