ものづくり補助金平成28年度卸売業、小売業長崎県

ニーズを捉えた人参の品質向上を図り商圏の拡大を目指す取組み

平野青果株式会社

成果殺菌水の塩素濃度 15ppm→30ppm

この事例のポイント

  • 人参の保存期間を延ばして品質を向上させ、遠方への出荷を可能にする必要があった。
  • 従来の鉄仕様の殺菌水槽をステンレス仕様に変更し、殺菌に使う次亜塩素酸の塩素濃度を従来の15ppmから30ppmに引き上げた。
  • 殺菌水の塩素濃度 15ppm→30ppm。殺菌水の塩素濃度を上げたことで人参の生菌数が大幅に減り、保存期間が延びた。

事業者のプロフィール

事業者名平野青果株式会社
所在地長崎県 諫早市
業種飲食料品卸売業
従業員数4人
資本金900万円
設立2014年

事業の背景

昭和46年創業の青果会社で、長崎特産の人参を主に九州で青果用・加工用として販売している。契約農家への土づくりの相談や収穫支援から、洗浄・選果・出荷までを一貫して行っている。競争力を高めて商圏を広げるため、人参の品質向上と遠方出荷の実現が課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度人参の保存期間を延ばして品質を向上させ、遠方への出荷を可能にする必要があった。
  • 生産能力出荷工場の効率が低く、出荷量を増やすことができなかった。
  • 人手・技能人員配置が見直せず、買付量(収穫量)を増やすことが難しかった。
  • 品質・精度殺菌に使う次亜塩素酸の塩素濃度を上げたいが、従来の鉄製水槽では錆びてしまう問題があった。

やったこと

従来の鉄仕様の殺菌水槽をステンレス仕様に変更し、殺菌に使う次亜塩素酸の塩素濃度を従来の15ppmから30ppmに引き上げた。これにより人参に含まれる生菌数が大幅に減り、保存期間を延ばすことができた。小玉抜き機を導入し、これまで目視で手選別していた工程を自動化した。選果後の箱詰め・封印工程には選別Vコンベア、自動箱詰め機、自動封印装置を導入し、工程を自動化した。

  • 加工機人参洗浄選別省力化設備一式小玉抜き機選別Vコンベア自動箱詰め機自動封印装置

事業の効果

  • 殺菌水の塩素濃度 15ppm→30ppm

殺菌水の塩素濃度を上げたことで人参の生菌数が大幅に減り、保存期間が延びた。小玉抜き機などの導入で手選別の工程が自動化され、工程速度が上がるとともに小玉の混入リスクが減って品質が向上した。出荷工程の効率化により収穫部門を強化でき、就業時間を1時間後倒しにして働きやすさを実現し、雇用にもつながった。その結果、1日あたりの出荷箱数は目標の1450箱を超えるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性殺菌の塩素濃度を15ppmから30ppmに上げ、保存期間を延ばして遠方出荷を可能にする、と強みを活かす方向性が具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決保存期間の延長、出荷工場の効率化、人員配置の見直しという課題が挙げられ、小玉抜き機などで対応したと書かれている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標1日あたりの出荷箱数は目標の1450箱を超えたと実績が書かれ、1800箱まで見込めたという数字もあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性創業は昭和46年で長崎特産の人参を扱う事業は読み取れるが、経営戦略上の位置付けや過去の取組との一貫性は具体的に書かれていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性2

    創業は昭和46年で長崎特産の人参を扱う事業は読み取れるが、経営戦略上の位置付けや過去の取組との一貫性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    殺菌の塩素濃度を15ppmから30ppmに上げ、保存期間を延ばして遠方出荷を可能にする、と強みを活かす方向性が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    保存期間の延長、出荷工場の効率化、人員配置の見直しという課題が挙げられ、小玉抜き機などで対応したと書かれている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1日あたりの出荷箱数は目標の1450箱を超えたと実績が書かれ、1800箱まで見込めたという数字もあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数4名と書かれ、人員配置の改善に触れるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    選ばれる人参を目指す、ニーズを捉えた品質向上を図るといった方針は読めるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体的でない。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望としてオゾンのマイクロバブル導入を視野に入れると書かれているが、スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    ステンレス仕様の殺菌槽で塩素濃度を上げる工夫や小玉抜き機の導入は読めるが、同分野での高水準の高付加価値化・高価格化とまでは書かれていない。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    SDGsへの取組に触れるが、雇用創出や地域波及効果など国が補助する積極的理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果4

    選別・箱詰め工程の自動化で出荷箱数が1450箱を超え、保存期間延長と雇用にもつながったと、効果が数字つきで書かれている。

  • イノベーションへの貢献2

    栽培履歴をQRコードで示す仕組みや選別機能システムはうかがえるが、先端的デジタル技術による地域やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    長崎特産の人参を九州で販売し、雇用にもつながったと書かれているが、地域の特性を活かした成長牽引の記述は具体性が薄い。

今後の展望

今後の課題は国内産のシェアを広げるために何をすべきかという点にある。将来的にはオゾンのマイクロバブル導入も視野に入れ、さらなる品質向上を目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。