ものづくり補助金平成28年度卸売業、小売業大分県

ソフト&ハード2種類の“HADAバウム”の商品開発および“シズル感”を高める店舗リニューアルによる付加価値向上

有限会社おかしの羽田

この事例のポイント

  • コンビニの増加やケーキなどスイーツへの参入が進み、主力のシュークリーム「ぴっくりシュー」の販売が伸び悩んでいた。
  • パーソナルギフト市場に着目し、日持ちがして認知度の高いバウムクーヘンを新商品として開発した。
  • バウムクーヘンは発売から1年足らずで売上の1割程度を占めるまでに成長し、1商品が1割を超えるのは珍しいという。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社おかしの羽田
所在地大分県 豊後大野市
業種飲食料品小売業
従業員数9人
資本金500万円
設立1948年

事業の背景

有限会社おかしの羽田は地元の和菓子店を起源とする洋菓子店で、創業70周年を迎える。平成14年に羽田吉克代表が和菓子から洋菓子へ転換し、翌年に店舗を建て替えた。看板商品はオリジナルのシュークリーム「ぴっくりシュー」で、県外にもファンがいる。近年はコンビニがスイーツに力を入れ、市場が想像以上の速さで変化している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑コンビニの増加やケーキなどスイーツへの参入が進み、主力のシュークリーム「ぴっくりシュー」の販売が伸び悩んでいた。
  • 新製品・新技術差別化のため、ギフト需要に応える日持ちのする新商品が必要だった。

やったこと

パーソナルギフト市場に着目し、日持ちがして認知度の高いバウムクーヘンを新商品として開発した。バウムクーヘンにはソフトタイプとハードタイプがあり、材料や焼く際の回転速度が異なるため、両方を焼けるガス仕様のバウムクーヘン専用オーブンを導入した。材料用ミキサーも導入し、材料の温度を細かく管理できるようにした。オープンキッチンを核に店舗をリニューアルし、製作過程が見えることでシズル感を高め、平成29年10月に完成させた。ブランド名は「TOKIBAUM(トキバウム)」とした。

  • 加工機バウムクーヘン専用オーブン材料用ミキサー

新しい製品・サービス:バウムクーヘン「TOKIBAUM(トキバウム)」(ソフトタイプ・ハードタイプ)

事業の効果

バウムクーヘンは発売から1年足らずで売上の1割程度を占めるまでに成長し、1商品が1割を超えるのは珍しいという。店内では製作中の滞在時間が長くなり、子どもが作業に見入る姿も見られるようになった。友人宅や見舞いの手土産として、狙い通りパーソナルギフトに利用されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性コンビニ増加などの環境変化と差別化の検討、バウムクーヘンは周辺に実現店がないことを武器にすると考えた点が具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決ぴっくりシューの販売伸び悩みを課題として認識し、パーソナルギフト市場への参入と店舗リニューアルで解決を図る計画が示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けパーソナルギフト市場を狙い、日持ちや認知度を考慮して選んだ理由、友人宅や見舞いの手土産として利用される実例が書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制補助金申請は取引金融機関の担当者が書類作成を支援したとあるが、社内の実施体制や人材は具体的に書かれていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    洋菓子店として看板商品を育ててきた経緯や和菓子から洋菓子への転換は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    コンビニ増加などの環境変化と差別化の検討、バウムクーヘンは周辺に実現店がないことを武器にすると考えた点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    ぴっくりシューの販売伸び悩みを課題として認識し、パーソナルギフト市場への参入と店舗リニューアルで解決を図る計画が示されている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    売上の1割程度への成長や来年度2割の目標は示されているが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    補助金申請は取引金融機関の担当者が書類作成を支援したとあるが、社内の実施体制や人材は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    パーソナルギフト市場を狙い、日持ちや認知度を考慮して選んだ理由、友人宅や見舞いの手土産として利用される実例が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    平成29年10月に店舗リニューアルが完成し、派生商品の開発計画も示されているが、詳細なスケジュールや課題解決方法は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    バウムクーヘンは周辺で実現している店がないと述べられ、差別化の武器として高付加価値化を図る点が読み取れる。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    地元の特産品クリを使う構想や地域の店としての存在に触れているが、国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    バウムクーヘンが全体売上の1割程度に成長したと書かれているが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    高機能オーブンや温度制御のできるミキサーを導入した点はうかがえるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    地元の特産品クリの活用構想や地域の洋菓子店としての存在は書かれているが、地域経済の牽引への言及は具体的ではない。

今後の展望

来年度はバウムクーヘンの売上構成比を2割にすることを目指す。健康志向を踏まえ、砂糖不使用や糖質抑制、希少糖使用などの派生商品「ヘルシーバウム」や、地元特産のクリを使う商品を展開し、ぴっくりシューに次ぐ主力に育てたい考えだ。

事業者の声

バウムを柱の一つにしていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。