ものづくり補助金平成28年度製造業大分県

最新型マシニング導入に伴う新分野からの受注拡大と技術者の育成

株式会社東洋メカテック

この事例のポイント

  • 丸物から角物(マシニング)へ工程を進める後工程の能力が不足しており、角物工程が遅いため納期に支障が生じる可能性があった。
  • 最新型の立型マシニングセンターを導入し、従来機とプログラムシステムが大きく異なるため、加工スピード、プログラムスピード、システム管理が格段に向上した。
  • 主軸センサーシステムと自動プログラム・センサリングにより段取り時間が合計で数分単位短縮され、全体の作業スピードが向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社東洋メカテック
所在地大分県 豊後高田市
業種はん用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数15人
資本金1,000万円
設立2001年

事業の背景

大分県豊後高田市の株式会社東洋メカテックは、「多品種・小ロット・超短納期」を掲げ、材料選定・調達から加工まで自社で行う一貫生産体制を持つ金属加工会社である。当初は販路開拓に苦労したが、関東の機械製造業者との取引も開拓し、2009年に本社工場を現地へ移転して一貫生産体制を拡充した。前工程は高度・複雑な加工に対応できる一方、超短納期を支える後工程の設備は十分に整っていなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力丸物から角物(マシニング)へ工程を進める後工程の能力が不足しており、角物工程が遅いため納期に支障が生じる可能性があった。
  • 人手・技能操作する作業者の熟練度によって品質や時間が左右され、バラツキがあった。

やったこと

最新型の立型マシニングセンターを導入し、従来機とプログラムシステムが大きく異なるため、加工スピード、プログラムスピード、システム管理が格段に向上した。主軸センサーシステムにより、X.Y.Z軸の原点出しを伴う工程での段取り時間を4〜7分程度短縮した。自動プログラム・センサリングにより、付け替え作業の原点出しを4〜6分程度短縮し、微細な寸法公差にも対応できるようにした。従来PCとの親和性が高い図面やプログラムをペーパレスで管理し、ジョブシートで加工手順を共有することで、作業者による品質や時間のバラツキを解消した。

加工機最新型立型マシニングセンター
検査測定主軸センサーシステム

事業の効果

主軸センサーシステムと自動プログラム・センサリングにより段取り時間が合計で数分単位短縮され、全体の作業スピードが向上した。ジョブシートの共有で品質や時間のバラツキが解消され、効率的な運用が実現した。これにより若手人材の指導・育成の気運が高まった。新規分野のインコネル(難削材)加工や角物加工の受注が可能になり、価格競争に陥りにくい体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    自社の多品種・小ロット・超短納期という強みを軸に、後工程の最新マシン導入で課題を解消する流れが一貫して書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    北部九州の集積や東九州自動車道の整備に伴う県外受注増を見込み、インコネルなど競合の少ない分野で利益率の高さを示している。

  • 課題の認識と解決4

    丸物から角物への工程で遅れが納期支障になっていた課題を認識し、新規設備で解消すると述べている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    段取りが4〜7分、原点出しが4〜6分短縮と数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    若手技術者の育成、多能工化、ジョブシートによる手順共有など人材と運用体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    超短納期や多品種小ロットという選ばれる理由はあるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋2

    新分野や販路拡大の方向性はうかがえるが、中長期のスケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    インコネル(難作材)は受注できる競合が比較的少なく、価格競争に陥らず利益率も高いと書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    東九州自動車道の整備や人材育成への貢献はうかがえるが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果2

    工程時間の短縮数字はあるが、補助金投入額に対する付加価値増や費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ペーパレス管理やPC連携などデジタル活用はうかがえるが、地域やサプライチェーンへの貢献の記述は限定的。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    北部九州の集積や豊後高田市の企業という地域性は書かれているが、地域の経済成長を牽引する記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

インコネル加工を含め角物加工の受注を拡大し、「超短納期」を強みに販路開拓を進めた結果、北部九州や関西の大手企業との商談が進んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。