ものづくり補助金平成28年度製造業鹿児島県

「高周波巾はぎ接着機」導入による巾はぎ集成材の生産効率化

有限会社道免家具店

この事例のポイント

  • 既存設備は曲げ加工用で、接着剤が乾くのに時間がかかるなど接着作業の効率が非常に悪かった。
  • 曲げ加工用の既存設備を接着機として使っていた状況を改め、接着専用の設備である高周波巾はぎ接着機を導入した。
  • 接着時間が大幅に短縮され、接着の強度も向上したことで、一日あたりの生産枚数が大幅に増え、納品先の希望納期にも対応できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社道免家具店
所在地鹿児島県 鹿児島市
業種家具・装備品製造業
技術分野接合・実装
従業員数15人
資本金600万円
設立1963年

事業の背景

当社は山の環境保全の役割を担う間伐や除伐で採取された木材を巾はぎ集成材に加工し、建築に付随した特注家具を製造している。現在の受注の多くは法人向けで、自治体からの受注も多い。コロナの影響はまだ出ていないが、今後の予算次第で影響が出ることが懸念されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存設備は曲げ加工用で、接着剤が乾くのに時間がかかるなど接着作業の効率が非常に悪かった。
  • 品質・精度作業者の熟練度によって出来上がりに大きな差が出ていた。
  • 人手・技能身体的負担の大きい作業が多く、生産プロセスの改善が喫緊の課題であった。

やったこと

曲げ加工用の既存設備を接着機として使っていた状況を改め、接着専用の設備である高周波巾はぎ接着機を導入した。接着時間が大幅に短縮され、接着の強度も上がった。各作業工程が数値化されるため作業者を選ぶ必要がなくなり、作業性にも優れている。

加工機高周波巾はぎ接着機

新しい製品・サービス:一般客向けの商品(大手小売り企業と共同で開発を進めている)

事業の効果

接着時間が大幅に短縮され、接着の強度も向上したことで、一日あたりの生産枚数が大幅に増え、納品先の希望納期にも対応できるようになった。品質や信頼性の高まった巾はぎ集成材を使った自治体向け生徒用机・椅子や特注家具を安定的に生産でき、全国に向けて自信を持って商品を送り出せる体制が整った。作業の数値化により作業者の熟練度に左右されず、作業者の身体的負担も軽減された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    間伐材を巾はぎ集成材に加工し特注家具を製造してきた経緯が書かれ、一貫性はうかがえるが戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    全国のユーザーから技術力で評価を得ていると記載があるが、市場動向や競争上の強み・弱みの分析は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    接着時間の長さや作業者による品質差を課題として挙げ、高周波巾はぎ接着機で一日あたり生産枚数3.2倍とする解決策が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産枚数3.2倍という数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    作業者を選ばず作業性が上がるとあるが、事業遂行体制や事務処理能力について具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自治体向け生徒用机・椅子や特注家具の品質向上、納期対応による受注増など、顧客と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の取組として一般客向け商品開発や新規取引先開拓が書かれるが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    特注家具や巾はぎ集成材は一般的な分野だが、高付加価値化を図る記述が一部あり、新規性の根拠は薄い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    間伐材の活用による山の環境保全という社会的役割が書かれ、地域産材の利用推進に言及している。

  • 費用対効果3

    生産効率が3.2倍になったとあるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    接着機の導入はデジタル化の一端とうかがえるが、サプライチェーンへの波及やイノベーションとしての記述は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    鹿児島市の地域産材を活用し、自治体向け家具の受注を得ている点で地域との結びつきはうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既存顧客との新たな商品開発と新規取引先の開拓に取り組み、販路を広げて事業の発展につなげていく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。