ものづくり補助金平成28年度製造業鹿児島県

工程改善のための自動アライメント機能付き露光装置の導入

株式会社アルプスエステック

この事例のポイント

  • 露光工程の位置決め(アライメント)を作業者が肉眼で確認しており、処理時間と加工キャパシティに限界があった。
  • 処理時間を短縮し、加工キャパシティの向上と品質の安定化を目的として、自動アライメント機能付き露光装置を導入した。
  • 自動アライメント機能付き露光装置の導入により生産性が飛躍的に向上し、前工程における生産余力が拡大した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アルプスエステック
所在地鹿児島県 霧島市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数65人
資本金6,000万円
設立2005年

事業の背景

半導体業界では基板サイズの大型化が進む一方、基板上の配線パターンはより緻密になり、製造工程での位置決め(アライメント)に極めて高い精度が求められるようになった。当社はマイクロブラスト加工事業を当社グループの独自事業として展開しており、精密ブラスト加工を行う他社に対して自社開発の装置で技術的に優位に立っていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力露光工程の位置決め(アライメント)を作業者が肉眼で確認しており、処理時間と加工キャパシティに限界があった。
  • 品質・精度作業者のスキルや体調によって位置決めの時間や品質にバラツキが発生していた。
  • 生産能力マイクロブラスト加工工場の新設に伴い、前工程(露光現像工程)ラインを新設する計画があった。

やったこと

処理時間を短縮し、加工キャパシティの向上と品質の安定化を目的として、自動アライメント機能付き露光装置を導入した。露光工程のバラツキの主要な原因である人の手によるアライメントを、画像処理を用いて自動化した。これにより作業時間の短縮とアライメント精度の向上が図られ、工程改善に至った。マイクロブラスト加工工場の新設に合わせて前工程(露光現像工程)ラインを新設し、前工程の能力を強化した。

  • 加工機自動アライメント機能付き露光装置

事業の効果

自動アライメント機能付き露光装置の導入により生産性が飛躍的に向上し、前工程における生産余力が拡大した。同時により高精度な製品の製造にも貢献できている。前工程を自社で実施できる事業者は国内でも少ないため、前工程を強化できた点は他社に対するアドバンテージにつながる。今後は売上を当初の3倍以上とすることを目標に生産計画を立てている。

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均2.8 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性マイクロブラスト加工は独自事業で、自社開発装置により他社より技術的に優位と記載され、前工程を国内で実施できる事業者が少ないとされている。
  • 4
    新しさ・高付加価値マイクロブラスト事業は当社グループの独自事業で、国内で前工程を行える事業者が少ないと記載され、高付加価値の分野と読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業化までの道筋顧客拡大を進めるとの方針はあるが、遂行スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    露光工程の位置決め作業を肉眼から自動化する取組で、既存の露光・現像工程の強化という過去からの流れに沿っている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    マイクロブラスト加工は独自事業で、自社開発装置により他社より技術的に優位と記載され、前工程を国内で実施できる事業者が少ないとされている。

  • 課題の認識と解決3

    作業者のスキルや体調による時間と品質のバラツキを課題として認識し、自動アライメントで処理時間短縮と精度向上につなげている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標3

    売上500万円/月から当初の3倍以上を目標としており数値目標は示されている。ただし付加価値額や賃上げの目標ではない。

  • 事業を進める体制3

    グループで機械加工・レーザー加工など受託事業を行う体制があると記載されているが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    精密ブラスト加工でお客様の要望に応える点や、ワンストップ対応が評価されていると記載され、選ばれる理由が一定程度示されている。

  • 事業化までの道筋2

    顧客拡大を進めるとの方針はあるが、遂行スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    マイクロブラスト事業は当社グループの独自事業で、国内で前工程を行える事業者が少ないと記載され、高付加価値の分野と読み取れる。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    雇用創出や経済波及効果に関する記述は乏しく、国が補助する積極的理由は読み取りにくい。

  • 費用対効果3

    月売上500万円規模から3倍以上を目標とする記載があり、投入額に対する増収効果の方向性は示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    自動化による工程改善はあるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献については記載が薄い。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    半導体業界の大型化・高密度化への対応は触れているが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及2

    鹿児島県の企業だが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用・地域成長への言及は薄い。

今後の展望

今後もこれまで通り慢心せず、顧客の要望に応えることを使命として、顧客拡大を進めていく。今後の生産拡大に合わせて後工程も含めた工程間調整能力を向上させ、生産プロセスの最適化に取り組んでいく。

  • 目標:装置導入当初は売上500万円/月程度の生産規模から開始し、今後は当初の3倍以上の売上を目標としている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。