ものづくり補助金平成29年度製造業北海道

自動充填機導入による、ワインの品質・生産効率の改善向上

この事例のポイント

  • 夫婦二人の手作り体制では需要に対応するのが難しくなっていた。
  • 補助事業では自動充填機を導入した。
  • 自動充填機の導入により、低コスト化と労働力の低減が実現した。

事業者のプロフィール

所在地北海道 余市町
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境,製造環境
設立1998年

事業の背景

余市で3番目となるワイナリーとして1998年に余市リタファームを開園し、2013年にワイナリーを完成させた。専用品種のワインはすべて自社の畑で獲れたぶどうを使い、野生酵母による自然発酵で亜硫酸の使用を可能な限り抑えた醸造を続けてきた。初出荷当初から品質がファンに認められ、出せばすぐに売り切れ、海外からも引き合いが来るほどの人気となった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力夫婦二人の手作り体制では需要に対応するのが難しくなっていた。
  • コスト・採算手作業による充填では低コスト化と労働力の低減が課題だった。
  • 品質・精度安定した本数を手ごろな価格で供給できる体制が必要だった。

やったこと

補助事業では自動充填機を導入した。機械で真空充填し、窒素ガスを同時に入れることで、酸化防止剤を極力少なくでき、より自然に近いワインにできるようになった。真空充填によりさらなる高品質化が可能となり、安定した本数を手ごろな価格で供給できるようになった。

事業の効果

自動充填機の導入により、低コスト化と労働力の低減が実現した。真空充填によって品質がさらに高まり、消費者の求めるワインを低コストで大量生産できるようになった。また、アメリカ・フランスへの輸出にも柔軟に対応できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    地域経済への波及余市で3番目のワイナリーとして、ぶどうを自社畑で育て高付加価値ワインを生み、委託醸造で地域の事業者育成につなげている点は地域特性を活かした取組として際立つ。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性自社畑のぶどうと亜硫酸を極力使わない醸造で、初出荷から売り切れ・海外引き合いが出る人気を得ており、強みを活かした設備投資と読める。
  • 4
    課題の認識と解決夫婦二人の手作り体制では需要に対応できない課題を明示し、自動充填機で低コスト化と安定供給につなげる具体的な解決策を示している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、生産本数や売上の数値目標も示されていないため、目標値の実現可能性は判断しにくい。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    1998年の開園以来、自社畑のぶどうと自然発酵の醸造を続けてきた経緯があり、自動充填機導入は既存の方針を延長する取組と読める。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自社畑のぶどうと亜硫酸を極力使わない醸造で、初出荷から売り切れ・海外引き合いが出る人気を得ており、強みを活かした設備投資と読める。

  • 課題の認識と解決4

    夫婦二人の手作り体制では需要に対応できない課題を明示し、自動充填機で低コスト化と安定供給につなげる具体的な解決策を示している。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、生産本数や売上の数値目標も示されていないため、目標値の実現可能性は判断しにくい。

  • 事業を進める体制3

    夫婦二人で栽培醸造と企画・マーケティングを独学で行ってきた実績があり、事業遂行の体制は一定程度確保されていると読める。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    消費者の求める自然派ワインを低コストで大量生産でき、アメリカ・フランスへ輸出する唯一のワイナリーとして選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    AI技術による天候予測や畑管理は今後の検討とされ、導入スケジュールや遂行方法の具体性は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    亜硫酸を極力使わない自然派ワインを、真空充填と窒素ガスで酸化防止剤を減らす手法で高品質化し、手ごろな価格で供給する高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    余市で地域産業振興の一端を担い、ワイナリー希望者への委託醸造や地元ビールのブランドサポートなど、地域への波及効果が読み取れる。

  • 費用対効果2

    低コスト化や労働力低減は触れられているが、補助金額に対する付加価値増加や生産性の数値的な費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    最新設備による真空充填・窒素置換や、AI技術による天候予測の検討など、先端技術の活用と地域のワイン産業への貢献が読み取れる。

政策面3.5
  • 成長分野への進出2

    輸出や自然派ワインの需要対応は触れられているが、日本経済の構造転換に資する成長分野への進出という文脈は薄い。

  • 地域経済への波及5

    余市で3番目のワイナリーとして、ぶどうを自社畑で育て高付加価値ワインを生み、委託醸造で地域の事業者育成につなげている点は地域特性を活かした取組として際立つ。

今後の展望

未来型の自然派ワイナリーを目指し、AI技術の導入による天候予測や畑の管理サポートなどの可能性を探りたいと考えている。委託醸造の設備も準備中で、ワイン作りのノウハウ共有を通じて地域の産業振興の一端を担う構想である。

事業者の声

機械で真空充填し、窒素ガスを同時に入れることにより酸化防止剤を極力少なくでき、より"自然"に近くできる。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。