ものづくり補助金平成29年度学術研究、専門・技術サービス業青森県

高精度な三次元データを活用した創造的な業務への転換、安全確保と労働時間短縮

有限会社井上測企

成果現地測量の作業人数 3名→2名

この事例のポイント

  • UAVによる地形測量では上空から植生に隠れた部分が測量できず、測量の精度が不足していた。
  • 他社との差別化、生産性の向上、測量にかかる労働時間の短縮を目的に3Dレーザースキャナーを1台導入した。
  • 現地測量の作業人数 3名→2名。3Dレーザースキャナーの導入により現地測量の人数と作業時間が減り、広面積の測量を短期間で完了できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社井上測企
所在地青森県 三戸町
業種技術サービス業(他に分類されないもの)
従業員数7人
資本金600万円
設立1989年

事業の背景

当社は主に官公庁発注の測量業務、土木建築設計業務、補償調査コンサルタント業務などを行っている。国土交通省のi-Construction推進により、ICT土木工事による設計計画や土量計算の需要が高まっている。太陽光や風力などクリーンエネルギー施設設置に伴う地形測量の民間委託も増え、インフラの老朽化に伴う測量や自然災害の調査も増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力UAVによる地形測量では上空から植生に隠れた部分が測量できず、測量の精度が不足していた。
  • 人手・技能現地測量には3〜4名が必要で、広い範囲の測量に多くの時間と人手を要していた。
  • 品質・精度UAVによる測量では植生による隠れた部分が測量できなかった。
  • その他立ち入りが制限された場所や急勾配の崩壊現場などで測量作業員の安全確保が不十分だった。

やったこと

他社との差別化、生産性の向上、測量にかかる労働時間の短縮を目的に3Dレーザースキャナーを1台導入した。地上型三次元レーザースキャナーを使用した非接触形状の計測システムで、直接触れなくても計測できる。レーザー計測で得た3D点群データにより、線形や基線配置をCAD上で自由に設定でき、高精度なデータから必要な測量データを抽出して提供できる。この装置1台で350m四方、360度の測量が可能で、UAVとの併用により精度の高い3Dデータ収集もできる。

事業の効果

  • 現地測量の作業人数 3名→2名
  • 作業時間が40〜50%短縮した
  • 広面積現場の測量期間 7日→1.5日

3Dレーザースキャナーの導入により現地測量の人数と作業時間が減り、広面積の測量を短期間で完了できるようになった。非接触計測によって危険区域や車両通行帯に立ち入らずに済み、作業員の安全性が向上した。屋外での体力を要する作業が減り、収集した点群データを活用するデスクワーク業務へ転換でき、技術者が活躍しやすい業務も生まれた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決UAV測量では植生による死角や安全面の課題があったと明示し、3Dレーザー導入で解決する流れが具体的に書かれている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標現地作業を3~4名から1~2名に、作業時間を40~50%短縮と数字で示されており、目標と成果が明確。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性公共測量・設計など既存事業の延長にあり、3Dレーザー導入を課題解決として位置付けているが、経営戦略上の明確な位置付けは読み取れない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性2

    公共測量・設計など既存事業の延長にあり、3Dレーザー導入を課題解決として位置付けているが、経営戦略上の明確な位置付けは読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    他社との差別化や需要増(民間委託・インフラ老朽化対応)に言及するが、自社の強み・弱みの分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    UAV測量では植生による死角や安全面の課題があったと明示し、3Dレーザー導入で解決する流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標4

    現地作業を3~4名から1~2名に、作業時間を40~50%短縮と数字で示されており、目標と成果が明確。

  • 事業を進める体制2

    従業員7名の規模は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    文化財調査や太陽光パネル予定地の測量など顧客ターゲットへの用途は示されるが、ニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    今後の受注拡大や災害時のデータ提供体制など展望は示されるが、スケジュールや遂行方法の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    点群データを活用した測量は一般的な分野で、高付加価値化や高価格化を図る記述は限定的にしかうかがえない。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    災害時の迅速な測量や地域復興への貢献が示されており、地域的な社会的意義はうかがえるが定量的ではない。

  • 費用対効果3

    作業時間短縮や1週間が1~2日になる効率化は示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3Dレーザースキャナーと点群データ活用で業務を変革する点は読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    青森県三戸郡の地元建設業者や行政への地域復興支援が示されるが、地域経済への波及の規模感は書かれていない。

今後の展望

歴史的建造物や文化遺産などの調査にも傷つけずに使え、設計図面が残っていない建物のデータも取得できるため、今後の受注拡大が見込まれる。太陽光パネル設置予定地などの大規模測量では土砂運搬量や重機の必要台数の計算にも役立て、付加価値の高い成果物を目指す。

事業者の声

災害など有事の際に必要なデータを一早く提供することが可能です。地域復興への足がかりとなれるよう、今後は体制を整えていきたいと思います。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。