ものづくり補助金平成29年度サービス業(他に分類されないもの)宮城県

減圧蒸留方式導入によるバイオディーゼル燃料の高品質化及び生産効率の改善とCo2削減

有限会社千田清掃

成果エステル含有率 96.51wt%→99.92wt%

この事例のポイント

  • 従来のBDFはエステル含有率が96.51wt%にとどまり、高品質なBDFを安定して作ることに課題があった。
  • 減圧蒸留機を導入し、より高品質なBDFの精製に取り組んだ。
  • エステル含有率 96.51wt%→99.92wt%。減圧蒸留機の導入により、BDFの純度を示すエステル含有率が従来品の96.51wt%から99.92wt%へ向上し、次世代…

事業者のプロフィール

事業者名有限会社千田清掃
所在地宮城県 大崎市
業種廃棄物処理業
技術分野バイオ,バイオ
設立1952年

事業の背景

昭和27年創業の千田清掃は、し尿及び浄化槽汚泥の収集業務や給排水設備の管理・修繕工事を主な業務とし、地域の便利屋的な業務も行っている。平成17年からBDF(バイオディーゼル燃料)の開発を始め、廃食用油を原料とする廃食用油リサイクル事業に取り組んでいる。2017年にはBDFとして初めてエコマークの認定を受けた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来のBDFはエステル含有率が96.51wt%にとどまり、高品質なBDFを安定して作ることに課題があった。
  • 生産能力1日400リットルの生産量をさらに伸ばすことが次の課題となっていた。

やったこと

減圧蒸留機を導入し、より高品質なBDFの精製に取り組んだ。減圧蒸留によりBDFとグリセリンを分離し、自社の分析室で成分測定を行った。蒸留後のBDFは透明度が増し、色味成分が不純物と分かった。その結果、エステル含有率は従来品の96.51wt%から99.92wt%へ向上した。高品質なBDFは「RESEL」と名付けられ、軽油にBDF5%混合の製品に加え、最新のディーゼル車や建設機械にも100%で使用可能な燃料として実証実験を進めている。

加工機減圧蒸留機
加工機BDF蒸留装置

新しい製品・サービス:高品質なBDF「RESEL」

事業の効果

  • エステル含有率 96.51wt%→99.92wt%

減圧蒸留機の導入により、BDFの純度を示すエステル含有率が従来品の96.51wt%から99.92wt%へ向上し、次世代のBDF「RESEL」として最新のディーゼル車や建設機械にも100%で使用できる見込みとなった。これにより二酸化炭素の排出削減と地球温暖化防止に役立つことが期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去のBDF開発(平成17年から)や廃食用油リサイクル事業の継続が書かれ、事業との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    従来品のエステル含有率96.51wt%に対し蒸留後99.92wt%、最新ディーゼル車に100%使用可能と記載があり、強みは読み取れるが市場動向の分析は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    課題として1日400リットルの生産量を伸ばすことが挙げられ、安価な精製システム開発も示されるが、計画の数値目標や実施期間は書かれていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値の増加や賃上げに関する目標値は書かれておらず、実現可能性を判断する数字もない。

  • 事業を進める体制3

    社員による収集業務や分析室での成分測定、県・国・大学との連携が書かれ、体制の一端はうかがえるが人材や事務処理能力の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    RESELは軽油にBDF5%混合で、100%使用可能な高品質品として説明され、顧客としてNTT社員食堂やNEXCO東日本など具体的な利用先が挙げられている。

  • 事業化までの道筋2

    実証実験を進めていることや今後の課題が書かれるが、遂行方法やスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    BDFとして初めてエコマーク認定を受け、高品質な100%BDF製造を目指すとあり、同分野で高水準の高付加価値化を図る内容が読み取れる。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    CO2排出削減や地球温暖化防止への貢献、大崎市のバイオマスタウン構想、災害時のエネルギー供給ステーション化など、国が補助する理由が具体的に示されている。

  • 費用対効果2

    補助金額や費用対効果を示す数字はなく、生産量400リットルの記載のみで投入額に対する効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献4

    廃食用油の回収から精製、利用までの地域循環を行い、農水省・経産省の補助や県・大学との連携でイノベーションを図る内容が書かれている。

政策面70%
  • 成長分野への進出3

    脱炭素社会と再生可能エネルギーへの転換を目指すとあり、構造転換に資する方向性はうかがえるが、市場成長の根拠は薄い。

  • 地域経済への波及4

    大崎市内16ヶ所の回収ボックスや宮城・岩手・山形・福島の飲食店からの廃食用油回収など、地域特性を活かした事業であることが具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はBDFをより安価に精製するシステム開発と、蓄電池、電気自動車への充電システムを確立し、事業運営に必要なエネルギーを100%再生可能エネルギーで賄う会社を目指す。

  • 目標:BDF蒸留装置は1日400リットルの製造が可能

事業者の声

「大崎市にはバイオマスタウン構想というのがあり、農水省、経産省の補助を受けて、車を動かす燃料を目指す」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。