ものづくり補助金平成29年度運輸業、郵便業宮城県

タブレットを活用した革新的な運行管理による経営効率の向上。

有限会社黒潮重機興業

この事例のポイント

  • 電話で依頼を受けFAXの地図で配車していたが、3日前から当日までの依頼が約8割を占めるため、地図をドライバーに渡すのが間に合わず、運送依頼指定場所を電話で指示することもあった。
  • 電話とFAXによる運送依頼の内容と現場の詳細情報をシステムに入力し、それを基に配車予定表を作成した。
  • 配車予定と現場の詳細情報をシステムで一元管理できるようになり、ドライバーが現場へ正確に迷わず移動できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社黒潮重機興業
所在地宮城県 多賀城市
業種道路貨物運送業

事業の背景

当社の主な事業は建設現場やリース業者からの重機運搬で、宮城県内を中心に1日200件程度の運送依頼がある。1人のドライバーが1日に5~6件の仕事をこなしている。依頼の約8割が3日前から当日までに入る。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能電話で依頼を受けFAXの地図で配車していたが、3日前から当日までの依頼が約8割を占めるため、地図をドライバーに渡すのが間に合わず、運送依頼指定場所を電話で指示することもあった。
  • 生産能力キャンセルや運送時間変更が多く、配車の変更が日常的に発生していた。
  • 生産能力現場の多くは正確な住所がなく、ドライバーに場所を正しく伝えることが難しかった。

やったこと

電話とFAXによる運送依頼の内容と現場の詳細情報をシステムに入力し、それを基に配車予定表を作成した。各ドライバーが持つタブレットに運行指示を送信する仕組みとした。グーグルマップと配車予定を連動させ、現場の正確な住所がない場所でも地図上で具体的な場所を指示できるようにした。タブレットでは入力する情報を最小限にし、使いやすさを重視した。受領書のサインもタブレット画面で受け取るようにした。また、日報をタブレット入力にし、入力された情報を基にワンクリックで請求書を作成できるようにした。

ソフトタブレットを活用した運行管理システム(配車・顧客・地図・運搬履歴等の情報管理、請求書作成等の後方支援システム)

新しい製品・サービス:地図情報を活用した運行管理システム(配車・顧客・地図・運搬履歴等の情報管理と後方支援システム)

事業の効果

配車予定と現場の詳細情報をシステムで一元管理できるようになり、ドライバーが現場へ正確に迷わず移動できるようになった。積み下ろしの時間やドライバーの位置など現場の状況が把握できるようになった。日報が短時間で行えるようになり、ワンクリックで請求書が作成できるようになった。システム導入で効率化が図られ、事故やミスが減ったことも利益につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    震災後の事業再建と、タブレットを用いた運行管理の改善という流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは記載が少ない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    1日約200件の依頼や3日前から当日の依頼が8割という状況、重機運搬の強みとして24時間対応を挙げており、外部環境と強みの関係が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    電話・FAX依頼で配車が間に合わない課題を明示し、1日約200件、1人5~6件の数字とともにタブレット配車で解決した内容が具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、利益向上の記述はあるが数値目標はないため実現可能性を判断できない。

  • 事業を進める体制3

    システム会社と共同開発し改良を重ねたこと、年配ドライバーも使いこなせている点はうかがえるが、体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    地図と配車予定の連動、住所が不明確な現場でも指示できる点など、顧客や現場のニーズに対する価値が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    タブレット入力の簡略化や展開構想は書かれているが、遂行スケジュールや課題解決の方法の詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    アナログが多い重機運搬業界で地図連動の配車を導入した点は特徴的だが、市場の普及度や高価格化を示す記述は少ない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    震災時に福島第一原発や沿岸部の自衛隊へ重機を届けた実績から社会的役割はうかがえるが、経済波及や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    事故やミスの減少と利益増加に触れているが、補助金投入額に対する費用対効果を示す数値はない。

  • イノベーションへの貢献4

    タブレットと地図情報を活用した配車システムを業界に展開する構想があり、業界のデジタル化への貢献が具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    宮城県内を中心に事業を行い、震災復興を担った地域密着の事業であることは読み取れるが、地域経済への効果の数字は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

システム会社とさらに改良を重ね完璧な状態まで仕上げ、同様の配車システムを必要とする会社への展開も視野に入れている。

事業者の声

困った時の最後の切札でありたい

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。