ものづくり補助金平成29年度製造業秋田県

機能一体型全自動裁断機導入による高付加価値商品の生産効率向上と安定化

有限会社佐々木化工所

成果裁断能力(1日あたり) 150着/日→350着/日

この事例のポイント

  • 裁断工程の生産性が低く、複雑な仕様の製品で縫製工程への裁断品供給が滞り、生産計画に支障が出ていた。
  • 耳揃え自動解反装置、連続カットスタッキングシステム装置、プロジェクター柄合わせシステム装置を一体化した全自動カットシステムを導入した。
  • 裁断能力(1日あたり) 150着/日→350着/日。全自動カットシステムの導入で裁断の生産性が大きく向上し、1名で1日350着分の裁断が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社佐々木化工所
所在地秋田県
業種繊維工業
技術分野デザイン,デザイン,立体造形,立体造形
従業員数62人
資本金800万円
設立1985年

事業の背景

布帛とカットソーの両方に対応できる技術と設備を持ち、熟練工員が多数在籍している。主力だった百貨店や専門店向け製品はリーマンショック後にさらに苦戦したため、市場の拡大が見込まれていたラグジュアリーブランドとの取引拡大に注力した。しかしこれらの製品は付加価値が高い反面仕様が複雑で、裁断工程の生産性が低下した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力裁断工程の生産性が低く、複雑な仕様の製品で縫製工程への裁断品供給が滞り、生産計画に支障が出ていた。
  • 生産能力裁断は3名で1日150着分が限界で、柄物の生地やサンプル品は裁ちばさみによる手作業のため、リードタイムが長くなっていた。
  • 生産能力納期を優先して縫製ラインを随時変更していたため生産計画の見直しによる時間や人的ロスが生じ、納期に追われて受注を見送らざるを得なかった。

やったこと

耳揃え自動解反装置、連続カットスタッキングシステム装置、プロジェクター柄合わせシステム装置を一体化した全自動カットシステムを導入した。生地の供給から型紙の投影、裁断、パーツ搬出までが自動で行われ、裁断工員は生地に投影された型紙と生地の柄の修正に専念できるようになった。これにより裁断は1名で1日350着分が可能となり、従来の3名で1日150着分から大幅に向上した。柄物の生地やサンプル品は型紙データ作成を含めた作業時間が従来の1/5に短縮し、多種のサンプル品を素早く提供できるようになった。

  • 加工機耳揃え自動解反装置連続カットスタッキングシステム装置プロジェクター柄合わせシステム装置

新しい製品・サービス:機能一体型全自動裁断機(全自動カットシステム)

事業の効果

  • 裁断能力(1日あたり) 150着/日→350着/日
  • 柄物・サンプル品の作業時間 1倍(従来比)→0.2倍(従来比)

全自動カットシステムの導入で裁断の生産性が大きく向上し、1名で1日350着分の裁断が可能になった。柄物やサンプル品の作業時間も1/5に短縮し、多種のサンプル品を素早く提供できるようになって受注機会も広がった。縫製ラインを製品ごとに固定して計画に沿った生産体制が確立し、納期に追われて見送っていた受注を獲得できるようになった。受注の約4割を占める自社企画製品では付加価値の高い提案により収益力も向上している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.5 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    課題の認識と解決裁断は3名で1日150着が限界だったが全自動カットシステム導入で1名350着となり、柄物サンプルの作業時間も1/5に短縮と数字で課題解決が示されている。
  • 5
    付加価値・賃上げの目標1日あたり150着から1名350着への裁断能力向上や作業時間1/5といった数値目標と実績が示され、実現性が読み取れる。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性熟練工員が多数在籍し布帛とカットソー両対応の技術・ノウハウを持つこと、自社企画製品が受注の約4割を占めることが具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用地域経済の活性化や地域社会への奉仕といった理念がうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の数字は書かれていない。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性3

    ラグジュアリーブランド取引拡大への注力や裁断工程の生産性低下への対応が書かれ、過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    熟練工員が多数在籍し布帛とカットソー両対応の技術・ノウハウを持つこと、自社企画製品が受注の約4割を占めることが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    裁断は3名で1日150着が限界だったが全自動カットシステム導入で1名350着となり、柄物サンプルの作業時間も1/5に短縮と数字で課題解決が示されている。

事業の実現可能性3.8
  • 付加価値・賃上げの目標5

    1日あたり150着から1名350着への裁断能力向上や作業時間1/5といった数値目標と実績が示され、実現性が読み取れる。

  • 事業を進める体制4

    熟練工員の多数在籍、多能工育成の強化、従業員62名という体制が書かれ、遂行体制は具体的に読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ラグジュアリーブランドやサンプル品の迅速提供による受注機会拡大、自社企画製品の付加価値提案など、顧客と選ばれる理由が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    段階的な設備導入や厚手生地向けミシンの導入など今後の活動予定は書かれているが、スケジュールや検証の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    ラグジュアリーブランド向けの高付加価値で複雑な仕様の製品を扱うと書かれ、高水準の付加価値化をうかがえるが数値は乏しい。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    地域経済の活性化や地域社会への奉仕といった理念がうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の数字は書かれていない。

  • 費用対効果3

    生産性が1名350着へ向上し受注見送りを回避したとの成果が書かれているが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    プロジェクター柄合わせや全自動カットシステムなど先端的な技術活用が書かれ、サプライチェーン貢献は薄い。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    地域経済の活性化を理念に掲げ、障害者や高齢者を含む雇用の環境づくりが書かれているが、地域の特性を活かした成長の数字は乏しい。

今後の展望

縫製ライン固定後も難度の高い仕様を誰でも縫製できるよう多能工の育成を強化している。従業員の作業負担を軽減するため先端設備機械を導入して自動化・省力化を進めるとともに、厚手生地向けのミシンを複数台導入して対応可能な商品範囲を広げ、新たな受注機会の獲得を目指している。

事業者の声

経営環境や今後の事業戦略、地域貢献などを含め、補助金申請は自社を見つめ直す良いきっかけとなった。本事業への取り組みを踏まえ、対応可能な部分から設備導入を進めている。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。