ものづくり補助金平成29年度製造業栃木県

高密度加工を可能にする生産設備の導入と、それを用いた金型部品の増産体制の構築

有限会社茂原製作所

成果主軸回転数 7,000回転/分→20,000回転/分

この事例のポイント

  • 取引先から自動車向け治工具・金型部品の生産能力の向上が求められていたが、既存設備では増える受注に対応しきれなかった。
  • ワークの大きさに合わせて加工機を選べる生産体制の構築を目指し、小型部品の高速・高精度加工が可能な立形マシニングセンタを導入した。
  • 主軸回転数 7,000回転/分→20,000回転/分。最終工程の手仕上げ加工が軽減され、生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社茂原製作所
所在地栃木県 宇都宮市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数5人
資本金1,000万円
設立1989年

事業の背景

当社は1967年の創業以来、自動車業界をはじめ各種産業の装置部品、治工具、金型部品の製造に携わってきた。ガソリン車のシェアは減少傾向にあるものの、ガソリン車向けの治工具・金型部品の引き合いは増えていた。過去に2度ものづくり補助事業を活用して大型部品対応の立形マシニングセンタと小型部品対応の横形マシニングセンタを導入し、受注拡大に取り組んできた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力取引先から自動車向け治工具・金型部品の生産能力の向上が求められていたが、既存設備では増える受注に対応しきれなかった。
  • 品質・精度既存のマシニングセンタでは、取引先が求める加工精度に応えることが難しかった。
  • 納期・工程小型部品の小ロット加工を立形マシニングセンタで行うと、加工中は大型部品の製作を待つことになり、生産のロスが生じていた。
  • 人手・技能横形マシニングセンタは治具の準備やワークの取り付けに手間がかかっていた。

やったこと

ワークの大きさに合わせて加工機を選べる生産体制の構築を目指し、小型部品の高速・高精度加工が可能な立形マシニングセンタを導入した。導入した加工機の主軸回転数は、これまでの7,000回転/分から20,000回転/分となった。部品のサイズに合わせて細いエンドミルが使えるようになり、加工後の面粗度(表面の粗さ)も向上した。新たな生産体制により加工作業のキャパシティが増え、加工機の台数が増えたことで急ぎの仕事にも対応できるようになった。

加工機小型部品の高速・高精度加工が可能な立形マシニングセンタ

事業の効果

  • 主軸回転数 7,000回転/分→20,000回転/分

最終工程の手仕上げ加工が軽減され、生産性が向上した。細いエンドミルの使用と面粗度の向上により、高精度かつ高密度な加工を実現した。総合的には1カ月あたり約40%の加工時間短縮につながった。加工能力の増強と加工機の台数増加により急ぎの仕事にも対応でき、短納期を実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去に2度ものづくり補助事業を活用し立形・横形マシニングセンタを導入した経緯が書かれ、一貫した投資の流れがうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ガソリン車シェア減少の中で治工具・金型部品の引き合いが増えたこと、高精度・短納期で強みを得たことが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    既存機では加工精度に応えられず治具準備や待ち時間で生産ロスが生じていた課題を示し、20,000回転機導入で解決した流れが書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    主軸回転数が7,000回転から20,000回転になり、1カ月あたり約40%の加工時間短縮という数値目標と成果が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員数5名と書かれているが、補助事業を遂行する体制や事務処理の具体的な記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    小型部品の小ロット加工や急ぎの仕事への対応が受注拡大につながると書かれているが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    医療、食品、農業などへの事業領域拡大が構想として書かれているが、スケジュールや課題解決方法の記述は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ガソリン車向け治工具・金型部品の分野で、高精度・高密度加工による高付加価値化を図る点が具体的に読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    自動車次世代化の中での受注拡大と新分野進出の構想がうかがえるが、経済波及や雇用創出の記述は見当たらない。

  • 費用対効果3

    約40%の加工時間短縮という効果は示されているが、補助金投入額に対する費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献2

    高速・高精度加工の導入はうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療、食品、農業など新分野への進出構想がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    栃木県宇都宮市の地域企業であることは分かるが、地域特性を活かした雇用・成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

当社の技術力を活かし、医療、食品、農業など新たな分野へ事業領域の拡大を図りたいと考えている。また、設備の増設を取引先へのアピールポイントとして受注拡大につなげたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。