ものづくり補助金平成29年度製造業神奈川県

ヘリなし畳製造の生産性向上による、若手職人の製造技能向上及びベテラン職人の提案営業人「財」化

株式会社田中畳店

成果ベテラン職人の作業時間 60分→20分

この事例のポイント

  • 多忙で薄利多売の事業モデルとなっており、利益率が低い。
  • ヘリなし畳の製造工程を機械化するため、自動チップソー断裁機、全自動両張り両框縫機、全自動両返し縫機を導入した。
  • ベテラン職人の作業時間 60分→20分。機械化によりヘリなし畳の製造が効率化し、ベテラン職人の作業時間が大幅に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社田中畳店
所在地神奈川県 箱根町
業種その他の製造業
技術分野デザイン,デザイン,機械制御,機械制御
設立1910年

事業の背景

当社は明治43年に箱根町の宮ノ下地区で創業し、富士屋ホテルを始めとする地元の旅館に畳を納めていた。高度成長期に住宅需要が拡大すると、神奈川県内から千葉、埼玉へと商圏を広げた。その後、多忙で薄利多売の事業モデルとなり、社長に就任前は畳職人だった現社長が経営に参画して現状を数値で確認したところ、利益率の低さや負債の多さが課題として見えてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算多忙で薄利多売の事業モデルとなっており、利益率が低い。
  • コスト・採算負債が多く、経営課題となっている。
  • 生産能力手作業に頼る製造で、デザイン性の高いヘリなし畳の需要拡大に対応しきれない。
  • 人手・技能ベテラン職人が製造に張り付いており、提案営業に充てる時間がない。

やったこと

ヘリなし畳の製造工程を機械化するため、自動チップソー断裁機、全自動両張り両框縫機、全自動両返し縫機を導入した。機械化によりベテラン職人で1時間かかっていた作業が20分程に短縮された。設備の操作が簡易化され、若手職人でもヘリなし畳を製造できるようになった。余力のできたベテラン職人は、畳の保守メンテナンスや顧客への提案営業へ配置転換するための教育を受けた。大手リゾート旅館の改修工事にベテラン職人を同行させ、提案営業を始めている。

加工機自動チップソー断裁機
加工機全自動両張り両框縫機
加工機全自動両返し縫機

事業の効果

  • ベテラン職人の作業時間 60分→20分

機械化によりヘリなし畳の製造が効率化し、ベテラン職人の作業時間が大幅に短縮された。設備の操作が簡易化されたことで、若手職人でも製造できるようになった。余力のできたベテラン職人は、職人技が必要な仕事や保守メンテナンス、提案営業に充てられ、収益性の向上を目指している。大手リゾート旅館の改修工事で提案営業を開始した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の畳製造から機械化へ移行し、ヘリなし畳の需要拡大に対応する方針が読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ヘリなし畳の人気上昇や外国人観光客増による和室見直しという外部環境は書かれているが、自社の強みとの関係の説明は限定的。

  • 課題の認識と解決4

    薄利多売・利益率の低さ・負債の多さという課題を認識し、提案営業への配置転換で収益性向上を目指すと書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    ベテラン職人の作業が1時間から20分に短縮と具体的数値が示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    若手職人でも製造できる体制と、ベテランの配置転換教育は触れられているが、事務処理能力などの体制面の記述はわずか。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    デザイン性の高いヘリなし畳への需要が多いと書かれているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    提案営業の開始や教育実施は書かれているが、中長期の検証やスケジュールは読み取れない。

  • 財務と資金の調達2

    負債の多さという課題に触れているが、資金調達や金融機関との関係についての記述はない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ヘリなし畳のデザイン性が人気とされるが、普及度や高価格化の水準を示す数字はない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    和室見直しによる旅館・ホテルでの畳替え増加はうかがえるが、波及効果や雇用創出の記述は少ない。

  • 費用対効果4

    作業時間が1時間から20分へ短縮し生産効率が大幅に向上したと数値で示されており、費用対効果の一端が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    機械化・設備操作の簡易化はあるが、先端的なデジタル技術やビジネスモデル構築の記述はない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    箱根の宮ノ下で創業し地元の旅館に畳を納めてきたという地域との関係は読み取れるが、地域経済への牽引の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。