ものづくり補助金平成29年度製造業石川県

小型プレス機の競争力強化に向けた生産性向上による能力増強の実現

株式会社鈴木鉄工

成果目標とする月産26台(2016年比1.7倍)に高めることができた

この事例のポイント

  • 小型プレス機駆動系パーツ4点の増産要請を顧客から受けたが、従来の設備と工程では生産能力が不足していた。
  • 要求品質を満たしながら生産性を高めるため、高精度複合旋盤を1台導入した。
  • 目標とする月産26台(2016年比1.7倍)に高めることができた。高精度複合旋盤の導入により、SCREWの加工工程が5工程から3工程に減り、加工工数と段取り・クレーン・運搬などの付帯工…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社鈴木鉄工
所在地石川県 能美市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数122人
資本金5,000万円
設立1963年

事業の背景

当社は大型精密機械部品の製造や各種産業機械の製造・メンテナンスを行っている。ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車の需要増加により小型エンジン・電気モータ部品が増加傾向にあり、顧客から小型プレス機の駆動系パーツ4点の増産要請を受けた。主要取引先はコマツ、コマツ産機株式会社、株式会社神鋼エンジニアリング&メンテナンスである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力小型プレス機駆動系パーツ4点の増産要請を顧客から受けたが、従来の設備と工程では生産能力が不足していた。
  • 納期・工程部品同士の摺合わせ作業が必須工程で、作業者の技量とノウハウに頼る部分が大きく、従来からネック工程になっていた。
  • コスト・採算最も加工時間の多かった部品(SCREW)は専用機2台・全5工程で加工しており、付帯工数(段取り、クレーン、運搬)も多かった。

やったこと

要求品質を満たしながら生産性を高めるため、高精度複合旋盤を1台導入した。従来は専用機2台・全5工程で加工していたSCREWについて、側面ドリル加工(横中ぐり工程)を統合・廃止し、高精度複合旋盤1台・3工程で加工できるようにした。切削シミュレーション技術と実際のテストピースでの切削試験を繰り返し、切粉の分断処理に成功して、機械停止による切粉除去作業を廃止した。機械加工の精度を上げ、部品同士の隙間の極小化を図った。

加工機高精度複合旋盤

事業の効果

  • 目標とする月産26台(2016年比1.7倍)に高めることができた
  • 擦り合わせ時間の半減が達成できた
  • 加工工程数(SCREW) 5工程→3工程

高精度複合旋盤の導入により、SCREWの加工工程が5工程から3工程に減り、加工工数と段取り・クレーン・運搬などの付帯工数が大幅に削減された。機械加工の精度向上で部品同士の隙間が極小化され、摺合わせ時間は半減した。小型プレス機駆動系パーツの生産能力は2016年比1.7倍の月産26台に高まった。改善のノウハウは他部品にも展開する計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    切粉処理の切削シミュレーションや小型プレス機駆動系パーツの継続的な改善活動が記載され、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    顧客からの4点の増産要請や自動車産業向け精密機械の製造実績、熟練技能者33名などの強みが具体的に書かれ、競争優位の根拠が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    工程が2台5工程から1台3工程に統合され、擦り合わせ時間の半減や月産26台(2016年比1.7倍)という課題解決の成果が具体的に示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    月産26台(2016年比1.7倍)という生産能力の目標と達成が数字で示され、加工工数や擦り合わせ時間の半減も具体的に書かれている。ただし賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員122人、特級技能士2名・1級33名・2級25名の在籍が書かれ体制はうかがえるが、補助事業の遂行体制として具体的に述べられてはいない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客ターゲットは大手機械メーカーや主要取引先として示され、多品種少量品を競争力あるコストで作れる点が書かれるが、ニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    切削シミュレーションとテストピースでの試験を繰り返し切粉分断に成功した経緯が書かれ、課題解決の方法はうかがえるが、中長期のスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    小型プレス機駆動系パーツの加工という一般的な分野で、高付加価値化や高価格化を図る記載はわずかにうかがえるにとどまる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    ハイブリッド車や電気自動車の需要増加に伴う自動車産業のグローバル化への貢献が書かれるが、雇用創出や波及効果の数字は示されていない。

  • 費用対効果3

    工程集約による工数削減や生産能力1.7倍などの成果は書かれるが、補助金投入額に対する付加価値額の増加は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    切削シミュレーション技術の活用が書かれ、デジタル技術の利用はうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    石川県能美市の所在地は書かれるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出については記載がわずかにうかがえるにとどまる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現在はコロナウイルスの影響で受注が減少しているが、将来の受注増加に備えている。今回培った改善活動のノウハウを他部品にも展開していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。