ものづくり補助金平成29年度製造業石川県

高硬度、極薄、極厚形状部品の微細加工技術高度化と研究開発

株式会社村谷機械製作所

成果加工可能な歯車の厚み 1.5mm→0.6mm

この事例のポイント

  • 装置の高速化が進み、装置に用いる部品の長寿命化や高硬度化、極薄の微細加工や極厚部品の高度な加工技術が求められていた。
  • ソディック製のワイヤ放電加工機ALN600Gを導入した。
  • 加工可能な歯車の厚み 1.5mm→0.6mm。ワイヤ放電加工機の導入により、高硬度で薄肉の部品を熱歪なく高精度に加工できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社村谷機械製作所
所在地石川県 金沢市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数57人
資本金5,000万円
設立1948年

事業の背景

設備装置製作では、装置の高速化が進み、装置に用いる部品の長寿命化や高硬度化、極薄の微細加工や極厚部品の高度な加工技術が求められていた。競合他社との競争力向上を目指し、ワイヤ放電加工機を導入して加工技術を開発することとした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力装置の高速化が進み、装置に用いる部品の長寿命化や高硬度化、極薄の微細加工や極厚部品の高度な加工技術が求められていた。
  • 品質・精度従来は炭素鋼材を切削加工し、焼入れ後の熱による歪を修正加工で直す必要があり、部品精度を保つため余分な削り代を付けていた。
  • コスト・採算競合他社との競争力を高めるため、加工技術の向上が必要だった。

やったこと

ソディック製のワイヤ放電加工機ALN600Gを導入した。4軸で高性能なリニアモータを使用し、ボールネジ方式で課題となっていたバックラッシュによる誤差をなくした。ワイヤのたわみを抑える制御機能を付加し、繰り返し加工時に面粗さの向上や仕上げ加工の高速化に対応できるようにした。加工対象物は最大で幅800mm、奥行き570mm、高さ280mmまで、ワイヤ電極の線径は0.05〜0.3mmまで対応できる。ホルダーベースは高硬度(HRC60)まで調質した合金工具鋼で形状を加工し、ワイヤのたわみを制御機能で防いだ。特殊歯車は厚み0.6mmの焼入れした合金工具鋼で試作し、熱による位置精度の誤差なく加工できることを確認した。技術習得のためメーカによるオペレートトレーニングも行った。

加工機ワイヤ放電加工機(ALN600G、ソディック製)

事業の効果

  • 加工可能な歯車の厚み 1.5mm→0.6mm

ワイヤ放電加工機の導入により、高硬度で薄肉の部品を熱歪なく高精度に加工できるようになった。従来の炭素鋼と焼入れ後の修正加工の工程が省け、先に調質を行うことで後工程が簡略化され、トータル製作時間などのコストも軽減された。角たての寸法を小さくできるなど、一品一様の装置開発への対応力も高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    事業の成果や現在の状況に、過去の取組との一貫した連続性を示す記述は薄い。設備製造業の高度化という方向性はうかがえるものの、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    装置の高速化や部品の長寿命化・高硬度化という市場ニーズが述べられ、競争力向上を目指すとあるが、強みや競合優位の具体的な裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    従来は焼入れ後の修正加工と余分な削り代が必要だったと課題が具体的で、先に調質することで後工程を簡略化しコストを軽減できたと読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    歯車の厚み1.5mmから0.6mmへの加工や、加工対象の寸法などは示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    メーカによるオペレートトレーニングを実施し、技術習得に取り組んだ旨は書かれているが、人員や事務体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高硬度・極薄・極厚部品の微細加工という製品価値と、主要取引先や一品一様の装置開発という顧客ターゲットが具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作テストを通じて評価を行い、顧客の改造部品や消耗部品の提供に活用していると述べられるが、今後の中長期の遂行スケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    厚み0.6mmの焼入れ合金工具鋼や高硬度HRC60での精密加工など、同分野で高水準の加工技術を実現していることが具体的な数値で示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    装置の高速化や長寿命部品の需要に応える技術とあるが、雇用創出や経済波及など国が補助する積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果3

    従来の余分な削り代や修正加工の削減、トータル製作時間の軽減などの効果は述べられるが、補助金投入額に対する効果は数値で示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ワイヤ放電加工機の制御機能やリニアモータ採用は先端技術といえるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの波及は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    装置の高速化や高硬度化など成長分野への言及はあるが、日本経済の構造転換に資するという記述は読み取れない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

客先でのチェーン製造設備の更新計画が見直しとなり、更新時期は不透明となっているが、導入した装置で客先の開発機への改造部品や消耗部品を提供し、社内のレーザ事業の試作部品などにも活用している。

事業者の声

生産用設備製造機械の製造及びレーザクラッディング技術装置・製造

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。