ものづくり補助金平成29年度製造業福井県

建設機械のオーバーホールに革命を起こす革新的加工技術開発事業

有限会社伊藤製作所

成果加工可能な部品の高さ 30cm→60cm

この事例のポイント

  • 外注先の機械加工の状況によって工期が長引き、建設機械のオーバーホールに平均7日程度を要する工程が遅れることがあった。
  • 最新のNCフライス盤を導入し、これまで外注していた建機部品の機械加工を社内で行えるようにした。
  • 加工可能な部品の高さ 30cm→60cm。社内で機械加工できるようになったことで外注への依存がなくなり、工程の生産効率が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社伊藤製作所
所在地福井県 鯖江市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,精密加工
従業員数2人
資本金700万円
設立1988年

事業の背景

1988年の創業以来、大手建設機械メーカー、大手土木専門工事会社、建機リース会社と直接契約し、建設機械のバケットなど各種アタッチメントの製造・改造・補修を手がけてきた。ダム工事などに使われる特殊な大型建機のオーバーホールを受け入れているのは県内でも数が少ない。建機の稼働部品は損耗が激しく一定期間ごとにオーバーホールが必要で、その間は建機が使えなくなるため工事全体への影響も大きい。建設業界では建機需要が拡大している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程外注先の機械加工の状況によって工期が長引き、建設機械のオーバーホールに平均7日程度を要する工程が遅れることがあった。
  • コスト・採算建設業者からオーバーホールのコスト削減と短納期化を求める声が高まっていた。

やったこと

最新のNCフライス盤を導入し、これまで外注していた建機部品の機械加工を社内で行えるようにした。導入にあたり設備をハイコラム仕様に改良し、通常30cmだった高さを60cmまで拡大して対応できる部品加工の幅を広げた。主軸頭は16段ギヤ変則で、接近性と操作性を重視したオープンタイプとし、加工ガイダンス機能を付けて操作が容易になるようにした。溶接から板金までを自社で一貫して行える体制を整え、顧客ニーズに応じた試作品の開発も可能にした。

  • 加工機NCフライス盤ハイコラム仕様、16段ギヤ変則主軸頭、加工ガイダンス機能付き

事業の効果

  • 加工可能な部品の高さ 30cm→60cm

社内で機械加工できるようになったことで外注への依存がなくなり、工程の生産効率が向上した。操作性の高い最新設備により、オーバーホール工程全体の効率も上がった。溶接から板金までの一貫体制によって試作品開発にも対応できるようになり、新規案件の獲得につながっている。建機需要の拡大とも相まって、今後の受注拡大が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決平均7日の工期と外注先による遅延が課題として明示され、ハイコラム化で高さ30cmから60cmへ拡大し社内加工で短納期化する具体策が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標工期短縮やコスト削減が求められたと書かれるが、目標値や実現見込みの数値は示されていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の建機アタッチメント事業と大型建機オーバーホールの受注実績があり、社内加工化は過去の取組との連続性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    建設需要拡大と建機の生産台数増加が背景として示され、県内で大型建機オーバーホールを受け入れる数が少ないことが強みとして書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    平均7日の工期と外注先による遅延が課題として明示され、ハイコラム化で高さ30cmから60cmへ拡大し社内加工で短納期化する具体策が示されている。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    工期短縮やコスト削減が求められたと書かれるが、目標値や実現見込みの数値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員2名の小規模体制で、オペレーターの確保と社内教育に注力すると書かれているが、体制の具体策は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客は大手建設機械メーカーや建機リース会社と書かれ、試作品開発による顧客ニーズへの対応も示されているが、ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入から生産効率向上までの流れは示されるが、遂行スケジュールや課題解決の方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    大型建機アタッチメントの高度な加工を社内で行う点は示されるが、同分野での高水準の高付加価値化を示す記述は少ない。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用2

    建設機械の停止が工事全体に影響すると書かれ、建設業界の需要拡大への貢献がうかがえるが、国の補助が必要な理由は示されていない。

  • 費用対効果3

    オーバーホールのコスト削減と工期短縮が顧客から求められていたと書かれ、効果は定性的に示されている。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    建設需要の拡大に言及するが、日本経済の構造転換に資する分野への進出は示されていない。

  • 地域経済への波及3

    地域の建設業者や県内の工事に対応する点が書かれ、まちづくりへの貢献が述べられているが、雇用や地域成長の数字は示されていない。

今後の展望

今後は市場の動向も見据えながら、培った技術で建機アタッチメントのさらなる可能性を追求していく。

事業者の声

のものづくりが街の発展に貢献できるよう、今後はより一層技術力を磨いていきたいと思います。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。