ものづくり補助金平成29年度製造業福井県

全自動真空成形機の導入による生産スピードアップと寸法精度の向上

日本真空化学株式会社

成果浴槽1台の製造時間 30分→10分

この事例のポイント

  • 手作業による真空成形では生産が追いつかず、新築・改築の需要増に対応できなかった。
  • 全自動真空成形機を導入し、特に小型の浴槽の製造を中心に生産スピードと製品精度の向上を図った。
  • 浴槽1台の製造時間 30分→10分。浴槽1台の製造時間が30分から10分に短縮され、一日の最大生産量は12台から47台に増加した。

事業者のプロフィール

事業者名日本真空化学株式会社
所在地福井県 福井市
業種プラスチック製品製造業(別掲を除く)
技術分野立体造形
従業員数40人
資本金4,500万円
設立1975年

事業の背景

道路のカーブミラーの製造に始まり、プラスチックの製品を幅広く製造してきた。水族館などで用いられるつなぎ目のないアクリルパイプや、ジャグジーなどに用いるガラス繊維強化アクリル樹脂(FRA)製の大型浴槽は国内シェア1位である。主力のアクリル製浴槽シェルやポリカーボネート製の採光ドームを真空成形で製造していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力手作業による真空成形では生産が追いつかず、新築・改築の需要増に対応できなかった。
  • 品質・精度手作業では加工した浴槽の素材の厚さが不均一になる場合があった。
  • 人手・技能加熱・成形のタイミングの判断が熟練工の経験や感覚に頼っていた。
  • その他人が加工機に立ち入って原材料の固定や加熱温度の計測を行っており、落下ややけど、熱中症などのリスクがあった。

やったこと

全自動真空成形機を導入し、特に小型の浴槽の製造を中心に生産スピードと製品精度の向上を図った。従来は手作業だった原材料のアクリル板の固定や、熟練工の経験に頼っていた加熱・成形のタイミングの判断を自動化した。加熱装置には3/100mm角の高性能なヒーターが敷き詰めるように配置され、部位ごとにヒーターの強度を細かく調整して加熱条件を管理できるようにした。適切な加熱・成形条件をデータとして設定できるようにし、人が加工機に立ち入る作業も自動化した。

新しい製品・サービス:水耕栽培用のトレイ

事業の効果

  • 浴槽1台の製造時間 30分→10分
  • 一日の最大生産量 12台→47台
  • 製造能力の向上とコスト低減により、採光ドームと合わせ年間約400万円の増収を見込める。

浴槽1台の製造時間が30分から10分に短縮され、一日の最大生産量は12台から47台に増加した。製造能力の向上とコスト低減により、採光ドームと合わせ年間約400万円の増収を見込める。部位ごとに細かく温度をコントロールできるため、適性な肉厚で均一に成形でき、肉薄部分の破損によるロスを予防し、データに基づいた作業の平準化と品質管理も可能になった。人が加工機に立ち入る作業がなくなり、作業の安全性も高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    付加価値・賃上げの目標浴槽1台の製造時間が30分から10分、一日の最大生産量が12台から47台に増加し、年間約400万円の増収見込みと数値で示されている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性大口径アクリルパイプや FRA 製大型浴槽は国内シェア1位と記載があり、自社の強みを具体的に示している。
  • 4
    課題の認識と解決手作業で生産が追いつかず東京オリンピック需要に対応できなかったという課題を示し、導入で解決を図った内容になっている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制工場の人員や推進体制については事例に記載がなく、従業員数40名の記載のみ読み取れる。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    道路のカーブミラー製造から始まり、アクリルパイプや浴槽など独自製品を広げてきた経緯が書かれ、一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大口径アクリルパイプや FRA 製大型浴槽は国内シェア1位と記載があり、自社の強みを具体的に示している。

  • 課題の認識と解決4

    手作業で生産が追いつかず東京オリンピック需要に対応できなかったという課題を示し、導入で解決を図った内容になっている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標5

    浴槽1台の製造時間が30分から10分、一日の最大生産量が12台から47台に増加し、年間約400万円の増収見込みと数値で示されている。

  • 事業を進める体制2

    工場の人員や推進体制については事例に記載がなく、従業員数40名の記載のみ読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    新築・改築需要の増加や、軽くて使いやすいと好評の水耕栽培用トレイなど、顧客ニーズと選ばれる理由が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は車載内装用プラスチック製品への進出を目指すとあるが、スケジュールや課題の解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    大口径アクリルパイプは国内でも数社しか製造していないと記載され、高水準の差別化がうかがえる。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    新たな雇用や需要創出は直接書かれていないが、水族館や温浴施設での利用など地域インフラに関わる製品であることはうかがえる。

  • 費用対効果4

    生産時間の短縮と一日最大生産量の拡大、年間約400万円の増収見込みなど、投資に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    自動化や成形条件のデータ化は書かれているが、先端デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献までは読み取れない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    福井市に本社があることは記載されているが、地域特性を活かした雇用や地域成長への言及は読み取れない。

今後の展望

水耕栽培用のトレイの製造を新たに受注・製造している。今後は、精度に対応できずに受注できなかった自動車の車載内装用プラスチック製品への進出を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。